記事一覧:コラム2379件
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From Readers From Editors
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2014年11月22日号この編集後記を書いている時点で、日経平均株価1万7000円台を7年1カ月ぶりに回復しました。日本銀行の追加緩和、円安の急激な進行、消費税再増税延期の見通しを背景に突如として吹き始めた解散風を株式市場は好感しています。こういうときは、銘柄の中身に関係なく株価が上がることが少なくありません。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【科学読み物】 歴史から最先端の領域まで 異常気象の背景を知る3冊
2014年11月22日号今年の日本の空模様に照らすと『首都水没』というタイトルがにわかに現実味を帯びてくる。8月に広島市の住宅地に土砂崩れをもたらした規模の集中豪雨が関東で発生し、利根川や荒川が氾濫すると、浸水で6300人もの死者が出かねない。国の中央防災会議による推計だ。こうした洪水が地下鉄に流れ込んだ場合には、東京駅をはじめ90駅前後が水没して首都機能は停止する。現在進行中の地球温暖化から明治や大正の水害にまで視野を広げ、洪水の危険に警鐘を鳴らす内容だ。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
編集者が嘆き、和んだ 「神様」の人間くさい言葉
2014年11月22日号「ブラック・ジャックの病気がないんですよ。アイデアが出ないんです」。そう言われても、原稿を待つ編集者にアイデアがあるはずもない。しかし、この一言に手塚治虫という人の気遣い、親しみ、完成度の高さへの貪欲さを感じ、編集者たちは嘆き、和むのです。『手塚治虫 壁を超える言葉』は、手塚プロダクション社長である著者が書き留めた手塚(てづか)の言葉とエピソードを紹介します。私はポスト手塚世代で、手塚治虫も「若くして亡くなった天才」という程度の認識でした。しかし、「神様」と呼ばれても、さらなる高みを目指した壮絶で人間くさい生きざまを示す言葉の数々には脱帽で、それを後世に伝えることこそが出版への思いであったかと感じます。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
日本の近代史を「人種体験」で 精神分析するユニークな著作
2014年11月22日号痛い。読んでいて、何度も胸をかきむしりたくなる。努めて忘れようとしていた過去を、これでもかと見せつけられるからであろう。本書は、明治時代以降の近代日本の歩みを「人種体験」という視点で描いた精神分析の試みである。近代日本のエリートたちにとって、洋行(欧米への留学)は必須科目であった。しかし渡航先では、背が高く、色の白い人たちに劣等感を抱く。今日よりも平均身長が低く、言葉でも苦労が多く、さらに人種的偏見も強い時代だった。
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Book Reviews 知を磨く読書
嫌韓嫌中本が売れる訳
2014年11月22日号表現、言論の自由が保障された欧米、日本などでは、ヘイトスピーチ、排外主義本などに対する規制の是非、また規制が行われる場合、その線引きをどこにするかが深刻な問題になる。『NOヘイト!』は、編集者、書店員など出版の現場でこの問題を憂慮する人々の見解をまとめている。社会科学書を担当する書店員が、嫌韓嫌中本について〈危惧を覚えるほど売れています。(正直なところ、もっと前面に、臆面なく展開すれば倍以上売れるのでしょうが)日本はとにかく素晴らしくて、世界から過去・現在において褒められる。犯罪が増えたり経済がうまくゆかなくなったり、今までの日本と違ってしまったり、沢山イチャモンをつけられるのは、他国が悪い、日本の中に入り込んでいる在日外国人が悪いんだ、という図式はとても簡略で甘美であるとすら思えます。人のせいにできるのですから。一番楽な思考停止状態になれるBOXを求めた結果なのかと思っています〉と指摘する。現下の日本が抱えている病理を端的に示している。
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This is.
サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパン 豊かな大地を未来へと受け継いでいくために
2014年11月22日号普段私たちが口にしている、野菜や果物。おいしくて安全な生産を目指し、自然環境に負担をかけない農業を追求する生産者が少なからず存在する。そんな有機農業をはじめとする「大地にやさしい農業」を応援する活動がある。100%無添加タバコ「ナチュラル アメリカン スピリット」を輸入・販売するサンタフェ ナチュラルタバコジャパンの「SHARE THE LOVE for JAPAN」だ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年11月15日号「もう降りてきた?」「いや、まだ“神”は降りてきません」。編集部内では信仰心など無縁そうなデスクと記者が、当たり前のようにこんな会話を繰り広げています。要は、行き詰まっていた原稿が、進んでいるか尋ねているのです。もちろん、そんな都合のいい神などいるはずもなく、やがてキーボードをパタパタとたたき始めます。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【子育て・教育】 わが子は今が一番かわいい時 関わり方を振り返ってみよう
2014年11月15日号本誌の読者の中には、子育てよりも仕事が面白くてたまらないというビジネス優先パパもけっこういるのでは? そんな人も、子どもたちのつぶやきが満載の『ほぉ…、ここが ちきゅうの ほいくえんか。』を読めば、「子どももかなり面白いんだ」と気付くはず。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
世の中が望むことが見える!? 名作を生む“後ろ向きの緩さ”
2014年11月15日号CMプランナーと聞けば、ちょっと華やいだイメージですが、著者は正反対。地味で暗くて人付き合いが大の苦手。同窓会に出れば、「あんまりしゃべったことなかったね」と言われる。なのに「宇宙人ジョーンズ」「こども店長」「フジカラーのお店」等々、聞いただけで頭に浮かぶ名CMの数々を作ってきました。その発想の豊かさの秘密を見せてくれているのが、『電信柱の陰から見てるタイプの企画術』。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
保守を統治の思想へ高める その有効性を示す骨太の書
2014年11月15日号近年、フランス革命を保守の立場から批判したエドマンド・バークが注目されている。理由の一つは、バークが真の社会契約を世代間のパートナーシップだと喝破していた点だ。社会や国家は、現在生きている人だけの共同事業ではなく、祖先とわれわれ、そしてわれわれと子孫の間の共同事業なのである。
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Book Reviews 知を磨く読書
好戦的な主張があふれる理由
2014年11月15日号東京外国語大学大学院の伊勢崎賢治教授は、国連幹部として東ティモール、シエラレオネの、日本政府特別代表としてアフガニスタンの武装解除を指揮した経験を持つ、理論と実践の双方に通じた安全保障専門家だ。同教授の『日本人は人を殺しに行くのか』は、集団的自衛権の行使が日本国家と日本国民にとってほんとうに必要であるかについて丁寧に論じている。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年11月8日号為政者にとって税金の天引きほど都合のいいシステムはありません。手取り額が毎月きっちり振り込まれていれば「痛税感」が生じず、無駄遣いに対するチェックも甘くなるからです。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【音楽・演劇・演芸】 ジャズはどこへ行く? 時代とともに変わる聴き方
2014年11月8日号「ジャズとは何か」という問いに明確に答えるのは難しい。現在のジャズを、「聴く側」から「燃えるジャズ」「燃えないジャズ」、そして「ジャズと呼びたい人は呼んでもいいが、それ以前にあえてジャズと呼ぶ必要性を感じさせない」という意味での「分別不可ジャズ」の3種類にシンプルに分別する『現代ジャズ解体新書』が興味深かった。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
海賊組織の姿を通して迫る 資本主義の“業”
2014年11月8日号資本主義の変容を捉えた良著が相次いでいます。まず、『海賊と資本主義』。その着想のユニークさ通り、面白く説得力のある展開が続きます。著者たちは、「海賊集団」は資本主義の枠組みの転換期に、登場すると言います。資本主義初期の領土拡大期(海賊)、インターネット社会の普及期(ハッカー)、遺伝子革命での遺伝子操作(バイオハッカー)等々。「領地」から「海洋」「ネット」へと新たなテリトリーの拡張や新たな規格化を画策し、競う国家に対し、それらの隙間に「公益」を求める「海賊組織」。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
書き手が抑制を効かせて綴る 超大国の実像をめぐる群像劇
2014年11月8日号その厚みにおいて書店でもひときわ目立つ本である。実に687ページ。多忙なビジネスパーソンにとって、とても読んでいる時間などないのではないかと思わせる。しかし、目次を見ると、気になって仕方がない。1970年代から2010年代にかけて、米国の人々が辿った道が語られる。その中には、ニュート・ギングリッチ(政治家)、レイモンド・カーヴァー(作家)、サム・ウォルトン(ウォルマート創業者)、ロバート・ルービン(元財務長官)、ピーター・ティール(ペイパル創業者)らのビッグネームが含まれる。
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Book Reviews 知を磨く読書
きな臭い国際情勢の背景
2014年11月8日号シリア、イラクにおけるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の台頭による内戦、ウクライナ東部における政府軍と親露派武装勢力の抗争など、国際情勢がきな臭くなっている。中野剛志氏は、『世界を戦争に導くグローバリズム』において、〈新たな国際秩序の形成の過程で起きるのは、世界の各地域における地域覇権を巡る闘争であり、「勢力圏」の境界線で起きる衝突である。(中略)東アジアにおいては、中国が日本や東南アジア諸国との国境を巡る紛争を激化させている。中東では、サウジアラビアを盟主とするスンニ派と、イランが率いるシーア派の覇権闘争が続いている。ロシアは、クリミアを奪取し、さらにカザフスタンやベラルーシとの経済同盟を構築して、中央アジアの覇権国家たらんとしている〉と指摘する。
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This is.
鹿児島県立楠隼(なんしゅん)中学校・楠隼高等学校 全国初、公立全寮制男子校が来春開校
2014年11月8日号来春4月、公立としては全国初の全寮制中高一貫教育男子校が鹿児島県に誕生する。大隅半島の中央部に位置する自然豊かな環境の中にあり、全国から生徒を募集する。寮は全室個室で冷暖房完備、文部科学省スーパー食育スクール指定校でもあり、寮と学校の生活を通じて“全人教育”が実施される。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2014年11月1日号10年ぶりとなる酒の第1特集です。特集をやると決まってから、編集部内に生息している“のど自慢”“舌自慢”たちが、ぜひ加わりたいとゾロゾロ名乗り出てきました。夜な夜な丁々発止が繰り広げられる、取材先との宴席の中で鍛え上げられた“成果”を、今こそ発揮したいという表れだと納得しました。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【医療・健康】 薬大好き日本人必読! 危ない薬の飲み方
2014年11月1日号日本人の薬好きは世界的にあまりに有名。それだけ好きなら、さぞかし世界の模範となる飲み方をしていると思うのだが、そうではない。『よくわかる薬の危ない飲み方、飲み合わせ』には、危ない飲み方が数多く指摘されている。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
“学習中毒”が指南する 「そこそこレベル」になる秘訣
2014年11月1日号やってみたいことはたくさんあるが、腰を据えて取り組めない。でも、早くできるようになりたい。そんな願いを持つ人に、ビジネススクールに行かずにMBAの知識を身に付ける方法を説いた『Personal MBA』をヒットさせた著者が、「まずはこの方法で」と指南しているのが『たいていのことは20時間で習得できる』。