記事一覧:コラム2379件
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
多数決には致命的欠陥がある 経済学的に考察する“決め方”
2016年10月22日号随分昔の米国映画に、ヘンリー・フォンダ主演の「十二人の怒れる男」がある。父親殺しの少年の罪をめぐり、蒸し暑い閉め切られた部屋の中で、12人の陪審員が侃々諤々(かんかんがくがく)の議論を行う。最後は、無罪の評決に至るというストーリーである。
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Book Reviews 知を磨く読書
人生を豊かにする作品
2016年10月22日号髙樹のぶ子著『オライオン飛行』は、1936年に九州で墜落し、重傷を負って九州帝国大学附属病院に入院したフランス人飛行士アンドレ・ジャピーという実在の人物に、創作上の人物を何人か絡ませて編まれた感動的な作品だ。所々に髙樹氏が登場し、作品を鳥瞰したコメントを差し挟むところが面白い。
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This is.
ロンシール工業 さまざまな物を抗ウイルス化する新技術
2016年10月22日号ノロウイルスによる食中毒やインフルエンザの集団感染等、ウイルス対策は公衆衛生の重要課題だ。病院や学校、飲食店、交通機関、老人ホーム、幼児施設、マンションなどあらゆる建物で対策が求められる。広く普及している抗菌機能は、食中毒O-157や院内感染などの細菌に対しては効果が期待できるが、細菌よりも小さなウイルスへの効果は明らかになっていない。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2016年10月15日号前職でも、前々職でも旅雑誌の編集部にいたので、「日本のリゾート」を特集すると決まったとき、「やりたい、やりたい、やりたい」とアピールして、特集班に潜り込むことに成功しました。かつてバックパックを背負い各地を徘徊していた自分にとって、リゾートという言葉はちょっとこそばゆい。でも、今回の取材で発見したのは、最近のリゾートに求められているのが「非日常の体験」だということ。
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Book Reviews 著者のホンネ
スタジオジブリの鈴木敏夫氏が「自分を捨てろ」と説いた理由
2016年10月15日号入社面接のときに鈴木さんと出会って以来、「この人のそばで働きたい」と思っていました。若かった私は、鈴木さんの下であっても「自分ならできる」という根拠のない自信がありました。高校を卒業してすぐ実社会に出て、実写映画の製作現場で働いていたこともあって、プライドの高い自意識過剰な若者だったのです。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【料理・食】 フレンチレストランの逸品を じっくり味わうための三冊
2016年10月15日号この秋「ミシュラン」が発刊10年目の「東京篇」を刊行する。その「ミシュラン東京篇」で忘れ去られている名店の一軒が京橋にある「シェ・イノ」。1970年代から日本のフランス料理界をリードしてきた井上旭シェフの店で、この店抜きには、東京のフランス料理の歴史は語れない。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
自分にはどうせ才能がないと 諦めている人の心に響く言葉
2016年10月15日号五輪報道でも、「才能」か「努力」かがよく話題になっていました。そして『やり抜く力』は、「熱意と努力を継続する力こそが成功の鍵だ」と説きます。心理学者である著者は、多くの成功者の資質を分析。そこから浮かび上がってきたのは、仕事を天職と捉えたり、楽天的であったり、人の役に立ちたいと願ったりする、つまりやり抜く力でした。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
長期投資がデフレ脱却への道 安倍首相が推薦する“方向感”
2016年10月15日号政府が8月2日に閣議決定した「事業規模28兆円の経済対策」は、国の財政措置が約6兆円、本年度の補正予算に計上されるのが約4兆円ということで、デフレ脱却を目指す初年度の財政拡大策として十分かどうかは賛否が分かれている。こうした中、『国民所得を80万円増やす経済政策』は、経済対策に先立ってアベノミクスに対する五つの提案を行ったものだ。
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Book Reviews 知を磨く読書
教科書レベルの知識の必要性
2016年10月15日号速水健朗著『東京どこに住む?』では、エリート層の居住形態に関してユニークな考察が展開されている。〈バブル期までの日本では、土地保有税の税額が低く、土地保有のコストが安かったために、投資としての都心部の地価上昇が進んでいた。かつては土地を所有することが、なによりの「富裕層」であることを維持するための手段だったのだ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2016年10月8日号昔財務省幹部に、一握りのドンが支配する自民党税調の闇をテーマに特集できないかと相談したところ、「そんなこと考えちゃいかん」とたしなめられたことがあります。主税畑の本流を歩んできたその幹部ですら、「あの人たちにはかなわない」と畏怖の色を浮かべていました。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【健康・医療】 アスリートに広がる視力矯正 自分に合う治療法を賢く選ぶ
2016年10月8日号リオ五輪で活躍したアスリートたち。レスリングの吉田沙保里選手や登坂絵莉選手たちを支えたのが「オサート」。眼鏡、コンタクトレンズ(CL)、レーシック、そして「第4の屈折治療法」がオサート。三井石根医師がトップアスリートとの交流と実例、そして、オサートを徹底解説したのが『トップアスリートたちの視力矯正』である。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
残業や仕事の無駄の改善法 使える日本的な交渉術の要
2016年10月8日号この秋の国会では、「働き方改革」が論戦テーマの一つになりそう。中でも残業の多さに象徴される労働時間の長さや、生産性の低さは私たちにも無関心ではいられない課題です。『職場の問題地図』は、時宜を得た新刊です。残業の多さや仕事の無駄についてのケーススタディーを通じ、上司に職場の本当の実態が伝わっておらず、それで上司も判断を間違えているところに真の課題と改善点があるといいます。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
機密資料の開示で明かされた 冷戦下の超大物スパイの実像
2016年10月8日号「スパイ」という言葉にワクワクした思い出を持つ読者は、多いだろう。パラシュートを着けた気になって塀の上から飛び降りたり、暗号を使ったメモを仲間と交換したり。映画やテレビで活躍するスパイと実物は違っている。本書には、自動的に消滅するテープも特殊装備の自動車も登場しない。小型カメラは出てくるが、手ぶれや露光不足で使い物にならないこともある。
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Book Reviews 知を磨く読書
欧州の危機、米国の病理
2016年10月8日号エマニュエル・トッド著(堀茂樹訳)『問題は英国ではない、EUなのだ』は、当事者があまり意識していない家族制度に起因する伝統的システムによるものであるという作業仮説によってヨーロッパの危機を読み解く。〈イギリスは、最も早く産業化し、最も早く貧者救済施設を創設した国ですが、それが、絶対核家族がそれだけでは存続できないことを当時の人々も理解していたことの証しです。
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This is.
TOYOTA 耐久レースを席巻する進化型ハイブリッド
2016年10月8日号FIA(国際自動車連盟)と、ル・マン24時間耐久レースを主催するACO(フランス西部自動車クラブ)が協力して、世界最高レベルの耐久レースを見せてくれるWEC(世界耐久選手権)が、今年も日本にやって来る。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2016年10月1日号現地取材のため、ネスレ本社を訪ねたときのこと。スイス西部の街、ヴェヴェイに降り立ち、本社のロケーションと設備の良さに驚かされました。本社の裏側からはレマン湖が一望でき、「働きたくないなぁ」と思ってしまうほど癒やされます。社内には、一流シェフが手掛けるレストランとフィットネスジム。おまけに郵便局まで備えてあり、本社で生活できそうなレベルでした。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【旅行・乗り物】 名所見学から廃墟探訪まで 街歩きを楽しむための案内
2016年10月1日号NHKの人気番組「ブラタモリ」が書籍化された。シリーズとなるもようで、その第1弾は、『ブラタモリ(1) 長崎 金沢 鎌倉』。人気の観光都市ばかりではあるが、いわゆる名所巡りではなく、独自の視点から街歩きを楽しむ姿勢には好感が持てる。番組に登場する各分野の専門家も随所に設けられたコーナーで解説を加え、テーマを掘り下げる。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
現代の出会いと悪癖の効用 ユーモアあふれる心の指南書
2016年10月1日号「選択肢が多いことは人を本当に幸福にするのか」。デートアプリで袖にされたコメディアン兼作家は、社会学者の助けを借りながらスマートフォンが恋愛をどう変えているかを探ります。『当世出会い事情』。一昔前は、「ご近所にいる、まあまあ幸せになれる人」と結ばれていた。一方、ある社会調査によれば、オンラインで出会って結婚した人の74%が、「結婚生活は幸福」と答えている。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
左翼またはリベラルの人々は 日本会議のやり方に学ぶべき
2016年10月1日号本年春まで、日本の主要メディアは、日本会議についてほとんど触れることがなかった(海外の主要メディアの中には日本会議を解説しているものもあった)。だが、『日本会議の研究』は、そんな流れを変えるきっかけとなった本である。
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Book Reviews 知を磨く読書
数学嫌いのための数学入門
2016年10月1日号芳沢光雄著『生き抜くための高校数学』は、数学にかなり強い苦手意識がある人でもやり通すことができる親切な構成になっている。例えば、最大値/最小値と極大値/極小値の違いについて芳沢氏は、〈世の中にはジャンルや地域を問わずに最も有名な人がいるものですが、特定のジャンルや地域を限定すると、その中だけで最も有名な人もいます。