記事一覧:コラム2379件
-
Book Reviews 著者のホンネ
「やり抜く力」とは何なのか 日本人が英語習得できない訳
2016年11月12日号「粘り強さ」については、日本の「七転び八起き」ということわざが大好きで、本の中でも触れています。このことわざは、「粘り強さ」を表す非常に美しい表現だと思います。一方で、日本や中国などアジア出身の人がよく私のところに来て、「粘り強さについては知っている。勤勉についても分かっている。でも何かが欠けている」と言います。これはもしかしたら、「情熱」が欠けているのかもしれません。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【サイエンス】 科学と自然と人間が織り成す「空の旅」の感動を味わう
2016年11月12日号『グッド・フライト、グッド・ナイト』はぜひ夜のカフェや夜間飛行中の旅客機内で読んでほしい。エアバスA320やボーイング747のパイロットである著者の文章は、美しく研ぎ澄まされた音楽のようだ。五感が地球と一体化する。私も自家用パイロット免許を持ち、時に空を飛ぶのだが、これほど飛行の感動、科学と自然と人間の豊穣を的確に、繊細に描いた本はない。
-
Book Reviews 目利きのお気に入り
読書ならではの臨場感を味い 日本経済の構造問題を学ぶ
2016年11月12日号学生時代に渡仏してエルメスの最高幹部にまで上り詰めた人が、「ライバル会社は」と質問されて「虎屋」と答えた。これを機に誕生したのが『老舗の流儀』です。創業500年の虎屋17代目と180年のエルメス前副社長。老舗経営の神髄に迫る対談はまず、「老舗は革新し続けている」という定型評価を否定します。
-
Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
良い映画のように飽きない “核兵器”を巡る米ソの物語
2016年11月12日号核兵器の廃絶を目指した米オバマ大統領のレガシー(遺産)づくりや、北朝鮮の核実験など、核を巡る議論があらためて注目を浴びている。それでも、人類はすでに70年以上、核戦争による破壊から免れてきた。核戦争が現実視された米ソ冷戦の最中、さらに核拡散の可能性があった冷戦終結時、二大核保有国の指導者や軍人、科学者は、何をどう認識し、考え、行動し、破壊を回避しようとしたかの克明なドキュメンタリーが本書だ。
-
Book Reviews 知を磨く読書
北方領土問題の妥結シナリオ
2016年11月12日号ワシントン・ポスト取材班、マイケル・クラニッシュ、マーク・フィッシャー著『トランプ』は、米国の共和党大統領候補ドナルド・トランプ氏の履歴、政治信条を包括的に扱った好著だ。〈共和党全国委員会によれば、クリーブランドの党大会会場に集まった二四七二人の代議員のうち、黒人はたったの一八人ほど。
-
From Readers From Editors
From Readers From Editors
2016年11月5日号格安スマホに乗り換えたばかりというあるユーザーは、ついこの間まで「自分は一生ドコモ(ユーザー)」だと思っていたそうです。十数年間使い続けた携帯電話番号とメールアドレスを変えるのがネックでした。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【ミステリー】 展開予測不能の受賞作の斬新 ラストが圧巻のスペイン作品
2016年11月5日号今月は、『虹を待つ彼女』から。第36回横溝正史ミステリ大賞の受賞作だが、旧来のミステリーをイメージしながら読み始めると驚く。つまり、殺人事件が起きて、警察なり探偵がその調査に乗り出すという類いのミステリーではないのだ。
-
Book Reviews 目利きのお気に入り
意識させずに行動を変える 人を動かす仕掛けの種明かし
2016年11月5日号『ジャック・ウェルチの「リアルライフMBA」』。ウェルチの久々の新刊が出ました。相変わらず、面白く刺激的です。タイトル通りにMBAで学ぶ経営戦略や財務などのテーマを取り上げるのですが、理論説明に力点を置くのではなく豊富な実例で説き起こしています。
-
Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
誰が次の米大統領になっても 米中は接近から離反へ向かう
2016年11月5日号世に、日米関係や日中関係を扱う2国間問題の本は多々あれど、日米中の“三角関係”となると、極端に少なくなる。「頂点から斜辺を見る」ようなもどかしさがあるからか。その数少ない例が、大手経済紙の記者として、米国と中国の両国に駐在経験のある秋田浩之記者による著作である。前作の『暗流』は、米ブッシュ政権の時代(2001~08年)を描いたが、新刊の『乱流』ではオバマ政権の時代(09~16年)をまとめている。
-
Book Reviews 知を磨く読書
グローバリゼーションへの反発
2016年11月5日号富永京子著『社会運動のサブカルチャー化』は、1986年生まれの若手学者(立命館大学准教授)による意欲的で優れた研究書だ。世界的規模でサブカルチャー化しているデモや抗議活動について、日本の事例を実証的に調査、分析している。
-
This is.
太平洋クラブ美野里コース 施設リニューアルで、より洗練、より上質に
2016年11月5日号国内で唯一の全米女子プロゴルフ協会公式戦「TOTO ジャパンクラシック」が、11月4日(金)~6日(日)に開催される。
-
From Readers From Editors
From Readers From Editors
2016年10月29日号コンビニの未来。このテーマが話題になったとき、空想することがあります。それは、コンビニは冷蔵庫を扱えばいいんじゃないかということ。といっても、冷蔵庫を売ってもうけようというのではありません。無料でバラまくんです。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【子育て・教育】 深い中身をやさしくつづる 子どもの心に火を灯す3冊
2016年10月29日号『ブラタモリ』の番組としての面白さは、今更説明するまでもないが、教育に籍を置く者としては、一言言わずにいられない。うんちくや知識を語る市井のオタクの皆さんに輝きを与え、つまりは「深く知っているって素晴らしいな」と子どもたちに思わせたこと、そして、世界の楽しみ方をタモリさんが教えてくれたことである。
-
Book Reviews 目利きのお気に入り
人口問題から経済の本質に迫り 複雑な家族問題を解きほぐす
2016年10月29日号学術や専門家の視点から、私たちが感じ、考えているものとは別種の知を分かりやすく拡大してくれるのが新書の良さですが、今月は興味深い3冊がそろいました。『人口と日本経済』は、人口にまつわる経済学史を押さえた上で、「人口減=労働力減=経済力減」というペシミスティックなパターンロジックを徹底的に排除します。
-
Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
トクヴィルの思想を軸にして 21世紀の政治の可能性を探る
2016年10月29日号民主主義は、長期的な視点で考えるのが苦手だ。社会保障問題や地球温暖化問題など、目先を取り繕い、費用を先送りする近視眼的な政策を繰り返す。民主主義の内部に自らを制御して自省する能力を組み込むことはできないのか──。19世紀のフランスで、この問題に取り組んだのがトクヴィルだった。『政治哲学的考察』は、トクヴィルの現代的な意義を問い続ける気鋭の政治哲学者の論考集だ。
-
Book Reviews 知を磨く読書
現代人に欠かせない教養
2016年10月29日号秋田浩之著『乱流』は、日本の内政と国際情勢に通暁している優れた新聞記者の腕を感じる作品だ。秋田氏は、〈あらかじめ用意した長期戦略どおりに進もうという発想は、国土や国力に恵まれた米国や中国など、一握りの大国に許されたぜいたくといえるだろう。/そんな現実を踏まえると、日本に求められるのは、一見すると矛盾した2つのことだ。まずは世界情勢を見定め、明確な戦略を描くこと。
-
This is.
HICKEY FREEMAN 羽織るだけでオフスタイルを格上げ
2016年10月29日号ジェイコブ・フリーマンとジェレミア・ヒッキーの2人が新しいブランドを創業し、米国ニューヨークのファッションに刺激を与えたのは、1899年のこと。それ以来、ヒッキー・フリーマンは各界のエグゼクティブに愛され、米国のオーセンティックを代表する存在として盤石の地位を確立してきた。次に何を見せてくれるか、シーズンごとに常に気になるところだ。
-
From Readers From Editors
From Readers From Editors
2016年10月22日号老後への漠然とした不安があるから消費が伸びないといわれます。では、資金計画を作れば内需は拡大するのでしょうか。退職金・年金特集の取材をして、それは幻想だと思いました。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【音楽・演劇・演芸】 仏国民的歌手の謎多き生涯 ロックスター健康長寿の秘密
2016年10月22日号今年はフランスの国民的歌手であるエディット・ピアフが生まれてからちょうど100年。『愛の讃歌』ではいまだ謎多きピアフの生涯を加藤登紀子が語る。1963年、加藤が19歳のときにピアフは47歳という若さで亡くなった。加藤は繰り返し報道されるピアフの葬儀、何度も流れる「愛の讃歌」に刺激された。
-
Book Reviews 目利きのお気に入り
起業家、フリーになるための 戦略的な「失敗論」の指南
2016年10月22日号『ソラリーマン』『スクールガール・コンプレックス』などの作品集の他、吉高由里子や指原莉乃など時代のアイコンとなる女優やタレントの写真集を出している写真家の青山裕企さん。筑波大学心理学専攻という異色の学歴を持つ青山さんが、フリーでどのように生きていくかをつづったのが『「写真で食べていく」ための全力授業』。