記事一覧:コラム2379件
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
チャレンジする若者が集まる話題の米都市の包容力を解剖
2017年8月12日号全米で今、人々が最も移り住みたい街はニューヨークでもシリコンバレーでもなく、西部のオレゴン州にあるポートランドなのだという。生活費がリーズナブルであること、気候が穏やかで自然にあふれていること、しかも起業を促す街の空気が若者たちを引き付けていること。
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Book Reviews 知を磨く読書
日本の思想状況の貧しさ
2017年8月12日号山崎行太郎著『ネット右翼亡国論』は、保守派の哲学者・文芸批評家によるネット右翼、ポストモダン思想などの「軽さ」を厳しく批判した知的刺激に富んだ作品だ。山崎氏は存在論的思考に共感を寄せ、〈存在論を内在化していない思想家や学者、文化人に、私は、本質的な関心はない。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【映画(DVD)】 一見の価値ある凝った描写 丁寧で手抜きのない作品
2017年8月5日号ヒロシマに投下された原爆は、B29に搭載される南太平洋テニアンの航空基地までは重巡洋艦インディアナポリスによって、(機密保持のため護衛艦を一隻もつけず)運ばれた。秘密は味方にも知られず、原爆はやっと届けられた。だが悲劇は帰途に起こる。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
胸を打ち背中を押してくれる働き方論とリーダー論
2017年8月5日号30代後半ともなれば「自己啓発書はもういいよ」という気分になりますし、著者がコンサルティング出身者であれば「ちょっと上から目線」と共感も乏しくなりがちです。しかし『人生をはみ出す技術』は、大いに予想を裏切ります。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
実は戦争国家の色が濃かった 通念を覆す20世紀英国の検証
2017年8月5日号英国史には、目立った断絶がない。革命や維新、敗戦といった大きな屈折点を抱えたフランス、ドイツ、それに日本とは、その点が違う。EU(欧州連合)からの離脱を「決めた」のは、法的には国民ではなく、「聖俗の貴顕人士と庶民」から成る議会と、国王である。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年8月5日号表紙のデザインは、特集担当者やデザイナー、営業担当者などとアイデアを出し合い、合議で決めていきます。今週号は、ロダンの「考える人」のイラストです。
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Book Reviews 知を磨く読書
手ごわいフェイクニュース
2017年8月5日号平和博著『信じてはいけない』は、現在、世界的規模で深刻な問題をもたらすフェイクニュース(偽ニュース)を総合的に分析した優れた作品だ。〈主要メディアや専門のネットメディアが、ネットに拡散するフェイクニュースについて、事実関係を確認した上で、排除していく。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年7月29日号三菱グループはキリン、住友グループはアサヒ、芙蓉グループはサッポロ……。企業の方との会食で何が面倒かというと、飲むビールの銘柄。同閥だったり親密取引先の関係で決まりがあるのは承知していても、大体その場になると忘れていて、焦ることになります。酒というのは仲間意識を高め、絆を深める大事な道具でもあるので、特にこだわりが強いのでしょう。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【ミステリー】 今後の展開が分からないスリル 舞台設定のアイデアの勝利
2017年7月29日号伊岡瞬の小説では、何が始まるのか、どう展開していくのか、それがいつも分からない。だから、スリリングである。例えば『悪寒』を見られたい。藤井賢一、42歳は薬品会社の支店に勤務する営業マンで、家族と離れて単身赴任。ある日妻から謎めいた電話が入り、心配になって深夜バスで東京に向かうところから始まる。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
変化の時代を生き抜くためにかみしめたい9の原理原則
2017年7月29日号「佐藤優さんが農業問題ですか」と驚きました。ご本人は「歴史を学ぶなかで農業の大切さを痛感していた」と言います。渦中の人でもあるJA全中会長との対談が『JAに何ができるのか』。日本農業の構造改革はいつもホットなテーマですが、注目したのが協同組合という組織形態が果たす役割についてでした。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
「国の借金」の黒字化は是か? 一般向けに書かれた財政入門
2017年7月29日号政府が6月9日に閣議決定した「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針2017)」は、財政再建よりも経済成長を重視する姿勢が鮮明となり、経済成長を高めれば財政健全化につながるというシナリオに対しては賛否が分かれている。
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Book Reviews 知を磨く読書
ロシア人の意識と使命感
2017年7月29日号守屋淳著『もう一つの戦略教科書「戦争論」』は、クラウゼヴィッツの名著『戦争論』をビジネスに活かそうとする意欲的な作品だ。クラウゼヴィッツの基本概念を次のように翻訳する。〈「戦略」──戦闘力の配分を決める/「戦術」──戦闘の仕方を決める/わかったような、わからないような指摘ですが、会社で考えるととてもわかりやすくなります。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年7月22日号半年前、住宅ローンの借り換えをしたときのこと。近所のメガバンク支店での完済書類の受け取りに、司法書士を代理人として立てたところ、「本人以外不可」と言われ、仕方なく平日の朝、開店と同時に訪ねました。同行した司法書士も「代理を認めないなんて完全な嫌がらせ」とあきれ顔。納得いかぬまま、いんぎん無礼な年配の行員とのやりとりを終えました。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【音楽・演芸】 歌の魅力、たどった軌跡を深く理解するための音楽書
2017年7月22日号「帰って来たヨッパライ」に続くザ・フォーク・クルセダーズのシングル第2弾「イムジン河」は突如発売中止となった。そして34年という年月を経て2002年3月21日に正式に発売された。『「イムジン河」物語』は、発売中止の真実を記した“騒動”、曲の成り立ちを記した“誕生”、封印が解けるまでの経過を記した“復活”、そして今でも広がりを見せる曲の持つパワーを記した“希望”と四つのチャプターで構成されている。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
「強欲な投資家」の投資哲学 高名な女性経営者の働き方論
2017年7月22日号「村上ファンド」が、東京スタイルや阪神鉄道、ニッポン放送などと攻防を繰り広げたのは2000年代前半のことで、まだ学生だった私には「強欲な投資家」という悪者のイメージしかありませんでした。しかし『生涯投資家』を読んでイメージは大きく変わりました。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
ベストセラーは量産できるか テキスト・マイニングの挑戦
2017年7月22日号私たちは、魅惑的な物語の秘密に興味を持ってきた。古くは、キャンベルが『千の顔をもつ英雄』で世界の多様な神話には共通のパターンがあると説き、作家のヴォネガットは最も人気があるのは『シンデレラ物語』のパターンだと論じた。
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Book Reviews 知を磨く読書
日本人の思考の鋳型
2017年7月22日号芳沢光雄著『かしこい人は算数で考える』では、〈「yはxの関数」という1つの変数による関数の学びは中学そして高校でいろいろ扱うものの、「zはxとyの関数」という2つの変数による関数は扱われません。要するに1変数の関数は学ぶものの、多変数の関数の学びは大学で主に理系の数学を履修しなければ学びません。
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This is.
FRANCK MULLER
2017年7月22日号およそ30年前、当時28歳だったフランク ミュラーは、「世界初の複雑機構」を搭載した時計の創出を追求していた。しかしある女性から、「あなたらしさのある時計が欲しい」と言われてしまう。フランク ミュラーは、フォルムでも「世界初」となる時計を作ることが新たな目標となったのだ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2017年7月15日号2001年に、「沸騰する中国」という特集に参加しました。主に電機、IT産業を取材し、“世界の工場”として、また高まりつつある消費力から“巨大市場”としての両面を活写しました。掲載後、編集部には「中国がこんなに進んでいるとは思わなかった」という感想の電話が何本もかかってきました。中には「うそを書くな! こんなの自分の知っている中国ではない」と言う方まで……。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
企業やビジネスの栄枯盛衰 読み継がれるべき迫真ドラマ
2017年7月15日号事業や企業の盛衰はいかにしてもたらされるか。つくづく考えさせられる著作が相次いでいます。まず4月の刊行以来ヒットを続けている『あの会社はこうして潰れた』。ビフテキのスエヒロ商事、ジーンズのエドウイン、「ジュエリーマキ」の三貴等々、誰もが知る企業の破綻の原因そのものが迫真のドラマですが、同時に「倒産のリスク」をヒト・モノ・カネからチェックしたり、手形割引を追跡したりとベテランならではの調査手法も勉強になります。