記事一覧:コラム2379

  • 充電後の執筆再開を熱望する塩野七生、最後の歴史大長編

    Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
    充電後の執筆再開を熱望する 塩野七生、最後の歴史大長編

    2018年2月24日号  

    今、「月刊文藝春秋2月号」に掲載された塩野七生氏と小泉進次郎衆議院議員の対談が評判になっている。塩野氏は、「長編歴史エッセイはこの本が最後」と言い、進次郎氏は「年末年始はこの本にどっぷり浸かりました」と語っている。

  • 憲法改正は見せ球に終わるか

    Book Reviews 知を磨く読書
    憲法改正は見せ球に終わるか

    2018年2月24日号  

    朝田武藏著『白鵬伝』は、横綱・白鵬の強さを多面的に考察した好著だ。最も印象に残ったのは、〈大鵬、北の湖、千代の富士。/三人の大横綱が逝き、心の拠り所を失った寂しさが、白鵬にはある。

  • From Readers From Editors

    From Readers From Editors
    From Readers From Editors

    2018年2月17日号  

    先日、喜寿を迎えた父に「自分史ノート」を贈りました。時代ごとに世の中の出来事や写真が載っていて、記憶を呼び覚ます手掛かりになるというものです。いまだに現役で働いていたのですが、この3月で仕事に一区切りをつけることになったこともあり、「この機会に書き残しておけば?」という意味だったのですが、今号の特集に「書き込み式・相続ノート」を収録したように、自分史をまとめることは遺言書作りの第一歩になるようです。

  • 【ファッション】「靴オタク」のナイキ創業者スリリングなビジネス活劇

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【ファッション】 「靴オタク」のナイキ創業者 スリリングなビジネス活劇

    2018年2月17日号  

    『SHOE DOG』はナイキ創業者フィル・ナイトの半生記。ハードボイルド小説調に書かれた文体は、ジェフリー・アーチャーの小説を読むようにスリリングで飽きさせない。登場人物は、悪役にオニツカのキタミや官僚のクラーケン。そこに靴オタク(シュードッグ)のバッドフェイスと呼ばれる仲間たちや、正義の鉄仮面騎士、日商岩井のイトーが絡んで活躍する。

  • 静かに売れるアマゾン戦略本もっと売れていい成功の法則

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    静かに売れるアマゾン戦略本 もっと売れていい成功の法則

    2018年2月17日号  

    強烈な個性と特徴故に絶大な支持者がいる一方で批判者も多く、それでも「批判上等!」とわが道を行く人たちを描く『オリジナリティ』。鮨、日本酒、和食、フレンチ、農園から15人のプロフェッショナルが登場。

  • 日本銀行はどのようにして政治的に追い込まれたのか

    Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
    日本銀行はどのようにして政治的に追い込まれたのか

    2018年2月17日号  

    経済学の理論モデルでは、専門家集団を率いる中央銀行の総裁が、政治的な雑音のない静かな環境の中で、メリットとデメリットを比較考量しながら、不確実な将来をにらんで金融政策の運営を行う。現実の世界ではどうなっているか。

  • 日本と米国の社会病理

    Book Reviews 知を磨く読書
    日本と米国の社会病理

    2018年2月17日号  

    橋本健二著『新・日本の階級社会』によると現下日本社会には、資本家階級、新中間階級、正規労働者、アンダークラス(非正規労働者)、旧中間階級の五つの階級がある。そのうち最も悲惨なのがアンダークラスだ。〈アンダークラスは次のような現状にある。

  • From Readers From Editors

    From Readers From Editors
    From Readers From Editors

    2018年2月10日号  

    AIが進化したとはいえ、人間が当然身に付けている「常識」や「倫理観」を持たせるのは難しいそうです。有名なAI開発プロジェクト「ロボットは東大に入れるか。」でも、「金属の棒に、バターで豆を張り付ける。棒の片方を火で炙ったら、どういう順番で豆が落ちるか」といった小学生レベルの理科の問題に、むしろ苦労したとか。

  • 【サイエンス】科学倫理をも問う児童文学最先端ゲノム編集の入門書

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【サイエンス】 科学倫理をも問う児童文学 最先端ゲノム編集の入門書

    2018年2月10日号  

    『嘘の木』は海外の児童文学賞を受賞したティーン向けファンタジー/ミステリー小説だが、舞台は『種の起源』が発表されたヴィクトリア朝時代の英国で、主人公は化石好きの賢い14歳の少女。ジェンダーや科学コミュニケーション問題も盛り込まれ、科学好きの大人にもぜひ薦めたい秀作に仕上がっている。

  • 麻薬撲滅のための経済学思考アピールと説得の理論と方法

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    麻薬撲滅のための経済学思考 アピールと説得の理論と方法

    2018年2月10日号  

    今回の一押しが『ハッパノミクス』。英「エコノミスト」誌の記者が、中南米の麻薬ビジネスの実態をレポートします。単なる潜入ルポではなく、実は麻薬カルテルが、私たちが知るグローバルビジネスと同じ手法を使うと指摘し、麻薬撲滅には経済学的な対策が必要だと訴えます。

  • なぜ安藤建築に惹かれるのか50年の仕事を50の視点で解剖

    Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
    なぜ安藤建築に惹かれるのか 50年の仕事を50の視点で解剖

    2018年2月10日号  

    昨年9月から12月にかけて、東京の国立新美術館で「安藤忠雄展─挑戦─」が催された。代表作の「光の教会」が原寸大で野外展示場に再現されたことから話題になり、連日満員の盛況だった。

  • 消費者金融のインテリジェンス

    Book Reviews 知を磨く読書
    消費者金融のインテリジェンス

    2018年2月10日号  

    本郷和人著『日本史のツボ』には、高度な学術的内容を一般の読者にも理解できるように記述する秘訣が記されている。それは、21世紀に生きるわれわれが、リアルに感じることができるような解説を加えることだ。

  • From Readers From Editors

    From Readers From Editors
    From Readers From Editors

    2018年2月3日号  

    広島市の西隣にある田舎町に育ち、山の上の小学校まで徒歩で30分近くかけて通っていました。中高は広島市内に電車通学です。大学からは東京。キャンパスこそ都心でしたが、東久留米市の祖母宅に居候していました。就職して一人暮らしを始めたのは三鷹市。結婚後は川崎市にマンションを買いました。

  • 【酒・酒文化】フランス人のウイスキー教本「適正飲酒」の本当の実践法

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【酒・酒文化】 フランス人のウイスキー教本 「適正飲酒」の本当の実践法

    2018年2月3日号  

    フランスというとワインやブランデーが思い浮かぶが、今、世界で最もウイスキーを飲んでいる国民でもある。『ウイスキーは楽しい!』はそのフランス人が書いた教本だ。ウイスキーに関する基本的な事柄がたくさんのイラストとともに簡潔に解説されていて大変読みやすい。

  • 真のリーダーシップを教える幕末の名代官の一代記

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    真のリーダーシップを教える 幕末の名代官の一代記

    2018年2月3日号  

    NHKの大河ドラマの影響もあって幕末ブームです。かく言う私自身もはまっているのですが、最新刊で一押しが『英龍伝』。警察小説の旗手であると同時に歴史小説でも遠大な世界を描いている著者による、伊豆韮山藩の名代官、江川太郎左衛門英龍の一代記。

  • 最悪の選択は現状維持と分析黒田日銀の5年間を問う好著

    Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
    最悪の選択は現状維持と分析 黒田日銀の5年間を問う好著

    2018年2月3日号  

    今春の3~4月にかけて、日本銀行の現執行部が任期を迎える。アベノミクスの第一の矢として大きな成果を挙げてきた「大胆な金融緩和政策」は、まだ2%のインフレ目標を達成せず不十分だとする向きがある一方で、将来の出口戦略がどうなるかを注視する向きもある。

  • 官僚を信用していない国民

    Book Reviews 知を磨く読書
    官僚を信用していない国民

    2018年2月3日号  

    ハーバーマス著『後期資本主義における正統化の問題』は、資本主義体制を維持するために国家が経済に介入するメカニズムを精緻に解明している。〈構造の面から見て脱政治化された公共圏においては、正統化の需要は収縮し、二つの欲求が残る。

  • From Readers From Editors

    From Readers From Editors
    From Readers From Editors

    2018年1月27日号  

    大学のクラスメートで、卒業後は米国留学を経て外資系金融機関勤務、同じく外資系金融マンの夫と海外暮らしをしていた女性がいます。10年前に帰国、九州で創業130年という実家の家業を、夫と共に継いでいます。そこに至った詳しい経緯は聞いていませんが、先日、近況をやりとりする中で、「地元に『事業継承を余儀なくされた娘たちの会』というのがあって……」というコメントが。

  • 【ミステリー】今最も面白い作家の手になる異色の警察小説の気分爽快

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【ミステリー】 今最も面白い作家の手になる 異色の警察小説の気分爽快

    2018年1月27日号  

    秋吉理香子著『婚活中毒』は、さまざまな婚活のドラマを描く作品集で(中には親同士の婚活パーティーもあったりする)、個人的には「リケジョの婚活」が好み。電機メーカーの研究室に勤務する後藤恵美が、テレビの婚活番組に応募する話だが、全てをデータ化してシミュレーションする恵美に対して「データとか分析に頼りきっていると、しっぺ返しされそうな気がする」と応募者仲間に言わせることに留意。

  • 書店店頭でも人気の投資本日本株の先導役の手口を学ぶ

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    書店店頭でも人気の投資本 日本株の先導役の手口を学ぶ

    2018年1月27日号  

    「弱者切り捨て、競争至上主義…竹中先生のお考えは古いんじゃないですか?」「全部言ったな!!」。師弟だからこその突っ込みと本音が満載の対談本が『最強の生産性革命』。一見堅苦しく感じられる「生産性」が、実は人生を豊かで楽しいものにするという考え方をベースに対談が進みます。

定期購読キャンペーン

記者の目

  • 編集部 鈴木洋子

    〆切で積んでるエルデンリングDLC、早くクリアしなくちゃ

     大人になりゲームから離れていた私の元に結婚祝いとしてWiiが来たのは2008年のこと。「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」のとりこになり、エンディングでは床に崩れて大泣きし、それからずっとゲームが大好きです。今回「ゲーマーの平均年齢は37歳」と知って安堵したのは内緒です。
     生まれた子どもは知育ゲームとマインクラフト、Robloxに夢中。わが家の娯楽の真ん中にゲームはいます。
     今号の特集では、依存症の問題は取り上げませんでしたが、産業・文化・社会の中で重要性を増すゲームと、どう付き合うかを、多くの方が考えるきっかけになれば幸いです。さて、〆切終わったしそろそろエルデンリングDLCクリアしなくちゃ。

  • 編集部 片田江康男

    寒さに負けないゲームのコンテンツ力

     自宅近くの公園を通りかかった際に、小中学生5~6人が公園のベンチに下を向いて座っていました。手にしていたのはNintendo Switch。お菓子や飲み物まで用意して、寒空の下で没頭していました。
     私が子どもの頃は、ゲームを持っていて、家に上がっていい友人宅に集合したものでしたが、新型コロナウイルスのまん延を経て、そんな遊び方はなかなか実現しなくなったようです。
     それにしても、寒風吹きすさぶ中でも、子どもたちを夢中にさせるゲームのコンテンツ力には脱帽です。私も読者の皆さまが夢中になる特集をお届けできるよう、精進してまいります。2025年もよろしくお願いいたします。

最新号の案内2025年1月18日号

表紙

特集日本のゲーム

半導体や鉄鋼並みの外貨獲得力を持つ日本のコンテンツ産業。その中で最大規模を持ち、成長を続けるのがゲームだ。世界市場は2028年には50兆円にも届くといわれており、外貨獲得産業として国も支援に乗り出した。一方、業界の「ゲームシステム」は急速に…

特集2役所&日銀出身の社外取締役報酬ランキング

社外の客観的な目が企業経営にとって重みを増す中、社外取締役が役人の有望な再就職先となっている。「行政経験を積み、企業経営にも一定の理解がある官僚OB・OGは貴重」との見方がある一方、「形を変えた天下り」といった否定論も。彼らが高額報酬に見合…