記事一覧:コラム2379件
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
リフレ派も反リフレ派も注目 日本経済への“意外な処方箋”
2018年4月21日号最初に明らかにしておきたいのだが、評者はいわゆる「リフレ派」の議論には懐疑的である。だから、「イェール大学名誉教授・浜田宏一先生推薦」という帯に対しても、ビミョーな印象を持ってしまう。
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Book Reviews 知を磨く読書
女性の負担が却って増す懸念
2018年4月21日号中澤渉著『日本の公教育』を読むと、保護者の収入格差が子どもの受ける教育環境に如実に影響を与えている実態が見えてくる。〈労働者階級や貧困家庭では両親が生活のために働かざるを得ず、時間的にも余裕がないため、その子を放任してしまう事情もある。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2018年4月14日号0から1を生み出す「創業社長」に対し、ある程度の規模の会社を安定的に維持・成長させる「操業社長」という言葉があります。インタビューをして圧倒的に面白いのは創業者であることは言うまでもありません
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【音楽・演劇・演芸】 茅ヶ崎で見る日本ポップス史 亡きミュージシャンへの思い
2018年4月14日号海の街として知られる神奈川県の茅ヶ崎。生まれてからここにずっと住み続けている生粋の“茅ヶ崎人”である著者によって書かれた『MY LITTLE HOMETOWN 茅ヶ崎音楽物語』は、「想い出の渚」「また逢う日まで」など茅ヶ崎と縁の深い10曲を入り口とし、茅ヶ崎という土地に関わってきた人物を取り上げ、どのような影響をもたらしたかがつづられたまさに日本ポップスの歴史書ともいえる内容となっている。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
多様な読み方ができるAI本 仮想通貨をめぐる現場ルポ
2018年4月14日号『AI vs.教科書が読めない子どもたち』はきっと、読む人によって多様な感慨を持つ著作だろうと思います。AI(人工知能)に絡むニュースでは、「もうそんなレベルまで来ているのか」と驚かされることが多いのですが、本書は、「AIでできること」と「AIを支える技術」を区別して考えなければならないと言います。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
キューバ移民の第一線学者が 移民政策の得失を冷静に分析
2018年4月14日号現在、外国人労働者が急増している。過去5年間で60万人増加し、労働力人口増加の4割、就業者数増加の3割弱を占める。製造業から小売り、宿泊、飲食、農業などあらゆる業態に広がるが、目立つのは低スキルの技能実習生や留学生の増加だ。人手不足でも賃金の上昇が遅れるのは、外国人労働者の急増が影響しているのかもしれない。
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Book Reviews 知を磨く読書
職場ハラスメントを生む土壌
2018年4月14日号中野円佳著『上司の「いじり」が許せない』は、「いじり」という形で横行している職場や学校でのいじめに鋭くメスを入れている。〈取材した人の中には、「以前はいじりのようなハラスメントをする上司がいたが、そういう人は左遷されていったので、今はそういったカルチャーがない」という優良企業に勤めている事例もあった。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2018年4月7日号「KKO」というネット上のスラングがあります。「キモくてカネのないオッサン」を指すのですが、初めてこの言葉を知ったとき、暗たんたる気持ちになりました。主に、非正規雇用で収入もスキルも上がらないまま40歳前後を迎えた、いわゆる「就職氷河期世代の男性」をやゆした略語だというからです。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【サイエンス】 読む喜びとヒントに満ちた 「生活」「人生」の総合科学
2018年4月7日号今回は私たちの生活にまつわる3冊。『生活の発見』の原著副題は「いかに生きるかについての興味深い歴史」。『生きることの発見』の方が分かりやすいかも。本来は哲学・歴史分野の本だが、ゼネラリストでありたいと願う著者が準備した「魔法の箱(ワンダーボックス)」である12の章題を見れば、心理・民族・環境・文学にも広がる総合科学の書だと分かる。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
AI時代に生き残るための人間ならではの力を高める
2018年4月7日号今情報があふれる割にその実態がつかみにくいAI(人工知能)。『AI vs.教科書が読めない子どもたち』には、AIの能力についての現状が正確に書かれています。「ロボットは東大に入れるかプロジェクト」を主導してきた著者は、AIの能力の限界を知り、翻って人間しか持っていないもの──「基礎的な読解力」の重要性に気が付きます。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
著名ポップミュージシャンが 52歳かつ米国での起業に挑戦
2018年4月7日号“人生100年時代”には何度も学び直しが必要だという。それが分かっていても、実行に踏み切るには勇気が要るし、努力も要る。学ぶためには、何よりもお金が要る。1980年代から90年代にかけて日本のポップミュージック界で一世を風靡した音楽家の大江千里が、人生を100年と考えているかどうか分からないが、思い切った学び直しに挑戦した。
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Book Reviews 知を磨く読書
英EU離脱と北アイルランド
2018年4月7日号藻谷浩介著『世界まちかど地政学』は、地政学書というよりも、優れたエコノミストによる国際政治の考現学だ。例えば、ブレグジット後、EUに残るアイルランドとの間の国境管理をどうするか。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2018年3月31日号現在、奈良市立一条高校の校長を務める藤原和博さんが常々言っていますが、何らかの「正解」に向かって全員で突き進むのが20世紀型社会だとしたら、21世紀は「正解が見えない社会」。価値観の異なる者同士が、議論を通じてお互いの考えを修正しながら「納得解」を探っていかなければなりません。そこでは、知識量に加え、思考力や判断力、表現力といった幅広い能力が求められます。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【子育て・教育】 変革の時代のあるべき教育 数学の面白さが実感できる本
2018年3月31日号2020年の大学入試改革の動きが牧歌的に思えるほど、第4次産業革命の大波は高速で世界を覆い尽くしつつある。数年後には、今ある職業のほとんどが入れ替わるという予測も、説得力を増すばかりである。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
現場が自ら考え行動する 組織文化と目標共有のヒント
2018年3月31日号おかげさまで天狼院書店は少しずつですが業容を拡大し、マーケティングだけでなくマネジメントの構築が必要になってきました。社長としての私が社員に求めるのは「自らの手で」です。そのためにどんな組織文化が必要なのか。その一つの答えを示してくれたのが『トップも知らない星野リゾート』でした。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
裁判所は何のためにあるのか 世間に迎合しない法学入門書
2018年3月31日号「三権」の一つにしては、司法権は日本社会で影が薄い。首相や大臣の動静が毎日ニュースになるのと比べると、馴染みのないことが多い。
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Book Reviews 知を磨く読書
われわれの思考の鋳型
2018年3月31日号マルクス・ガブリエル著、清水一浩訳『なぜ世界は存在しないのか』は、1980年代にポストモダン思想が流行したときの現代哲学の状況を見事に描いている。〈とても奇妙なことに、わたしたちは、今日では自然科学に関するアリストテレスの認識にはほとんど妥当性を認めていないのに、よりによって「魂について」の基底となっている考え方は受け容れてしまっています。結果、わたしたちを取り巻く事物の世界への通路を、いまだにアリストテレスと同じように解釈しているわけです〉というガブリエル氏の指摘はその通りだ。われわれの思考の鋳型は意外と古いのである。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2018年3月24日号神道学者の三橋健氏が今号で「神社界で大切なのは権力よりも権威」と、一部の権力者による疑惑や事件に苦言を呈しています。また、神社本庁の“政治部隊”神道政治連盟は、安倍晋三首相とも距離が近く、もともと権力志向が強いようです。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
睡眠・勉強の術と職場の問題 新たな会社生活のための本
2018年3月24日号ここ数年、食事術や身体強化術など“フィジカル系自己啓発本”が流行りで、睡眠術本もありますが、本書は「ベスト・オブ・睡眠術」といえます。トップアスリートたちを指導してきたスリープコーチが、究極の睡眠をもたらす7つのルールから説き起こし、90分を1こまとする1週間単位の睡眠術などを教授します。そのどれもが論理的でシンプルで、腹に落ち、難しくない。自身の眠りの状況やライフスタイルと照らし合わせながら改善できるのがお勧めの理由。睡眠術本選びで悩んだら、迷うことなく本書を。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【料理・食】 アマゾン料理人の情熱エッセー 笹餅屋おばあちゃんの一代記
2018年3月24日号都会より地方、田舎にこそ魅力ある料理人がいることを教えてくれるのが、『のべおかタパス食べ歩き写真集』と『おかげさまで、注文の多い笹餅屋です』の2冊。