記事一覧:コラム2379

  • 【マンガ】現代社会の病理を暴く短編集フランス作家が描くサリン事件

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【マンガ】 現代社会の病理を暴く短編集 フランス作家が描くサリン事件

    2018年8月4日号  

    今年亡くなった『迷走王 ボーダー』などの傑作で知られる狩撫麻礼の短編集『ダークマスター オトナの漫画 完全版』は、独特の反骨精神を発揮して、現代社会の闇をオトナの怪談として描いてみせる。対人関係が極端に苦手な定食屋のマスターが、若者をスカウトして遠隔操作し、店の切り盛りだけでなく、しまいには性生活まで彼に託す「ダークマスター」。

  • 習慣化の法、成功する転職タイトルに偽りなしの3冊

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    習慣化の法、成功する転職 タイトルに偽りなしの3冊

    2018年8月4日号  

    今月は、「タイトルに偽りなし!」の3冊。『イノベーターのジレンマ』(邦題は『イノベーションのジレンマ』)を名著と認めつつも、「説明が舌足らず」と物足りなさを感じた経済学者が、「返歌」として著したのが『「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明』。

  • 10歳で旧ソ連に行った少女が25年ぶりに訪れたロシアの今

    Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
    10歳で旧ソ連に行った少女が 25年ぶりに訪れたロシアの今

    2018年8月4日号  

    昨年、衛星放送のBSフジで「レニングラード 女神(ミューズ)が奏でた交響曲(シンフォニー)」というドキュメンタリー番組が放送された。その企画、プロデュースに関わっていた著者による本書は、まるでドキュメンタリーを文章化したような映像的な作品である。

  • 幕末期思想家の影響力の源泉

    Book Reviews 知を磨く読書
    幕末期思想家の影響力の源泉

    2018年8月4日号  

    小島英記著『評伝 横井小楠』は、幕末期に党派を超えて強い影響を与えた思想家、横井小楠の生涯と思想を読みやすくまとめた優れた作品だ。〈武士道が立つように交渉すれば、死罪になる前に自刃するのが最善の選択になる。しかし、小楠は「武士は棄れた」と開き直ったのです。

  • From Readers From Editors

    From Readers From Editors
    From Readers From Editors

    2018年7月28日号  

    銀行員といえば学歴競争の勝ち組でもあるエリートのはずなのに、時代の先頭に立ち、革新志向で変化を主導していくようなタイプは少ないといわれます。今号の特集の中で、メガバンクを辞めた30代の男性が、その理由として「融資業務自体が、過去10年分の財務諸表の確認から始まる“前例踏襲型”の仕事であること」を挙げています。

  • 欧米列強 血みどろの20世紀

    Book Reviews 知を磨く読書
    欧米列強 血みどろの20世紀

    2018年7月28日号  

    ブルンヒルデ・ポムゼル、トーレ・D・ハンゼン著『ゲッベルスと私』は、ナチス・ドイツのゲッベルス宣伝相の女性秘書だったポムゼル(1911~2017年)103歳での独白録だ。ナチスの戦争犯罪についてポムゼルは、〈自身の罪についての永遠の問いに対しては、私は早い時期に答えを出した。私には、何も罪はない。かけらも罪はない。だって、なんの罪があるというの? いいえ、私は自分に罪があるとは思わないわ。あの政権の実現に加担したという意味で、すべてのドイツ国民に咎があるというのなら、話は別よ。そういう意味では、私も含めみなに罪があった〉との認識を述べる。このような開き直りが本になり、さらに映画化されたこと自体が現下ドイツが病んでいることの証左だ。

  • 【ミステリー】事件の謎を追う人物たちの魅力ヒロイン二人の壮絶アクション

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【ミステリー】 事件の謎を追う人物たちの魅力 ヒロイン二人の壮絶アクション

    2018年7月28日号  

    逸木裕は、『虹を待つ彼女』で第36回横溝正史賞を受賞してデビューした作家だが、第2作の『少女は夜を綴らない』も水準以上の出来で、たちまち注目作家となった。『星空の16進数』はその逸木裕の長編第3作である。果たして今回はどうか。

  • 読めば勇気が湧く再建物語煎餅工場4代目兄弟の挑戦

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    読めば勇気が湧く再建物語 煎餅工場4代目兄弟の挑戦

    2018年7月28日号  

    新しい働き方を示そうとする著作が相次いでいますが、インテリアショップの創業者の手による『LIFE STYLE DESIGN』は、家具の在り方と人生を重ねて考えているのがユニーク。

  • 左派復権の鍵を握るのは経済鼎談方式で進められる入門書

    Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
    左派復権の鍵を握るのは経済 鼎談方式で進められる入門書

    2018年7月28日号  

    米国でのトランプ現象や、ブレグジット(英国のEU(欧州連合)離脱)、極右政党の台頭などに対する欧州の左派の最優先課題が「経済」となる中で、日本の左派の経済への関心は低い。

  • ギフトパッド

    This is.
    ギフトパッド

    2018年7月28日号  

    SNSの普及で、「お互いに住所を知らない友人」が増えた。言葉のやりとりには不自由しないが、困るのはプレゼントなどを届けたいときだろう。そこで新しいプレゼントの仕組みを生み出した会社が、ギフトパッド。ギフトカードを受け取った人は、印字された商品交換ページの専用URL(もしくはQRコード)にアクセスし、商品リストの中から欲しいものを選んで注文する。

  • マツダ アテンザ

    This is.
    マツダ アテンザ

    2018年7月21日号  

    「マツダブランドを体現するフラッグシップモデルであり、ブランド全体をグローバルにけん引するクルマ」と、マツダの小飼雅道・代表取締役兼CEOが語る『アテンザ』が、大幅に改良されて新登場した。

  • From Readers From Editors

    From Readers From Editors
    From Readers From Editors

    2018年7月21日号  

    既存の産業にテクノロジーを結び付けて新市場を創り出す「X-Tech(クロステック)」。その一つであるヘルステックが引き起こす医療産業の激変を、今号の特集では描いています。

  • 【音楽・演劇・演芸】ビートルズ来日公演を支えたサムライビジネスマンの物語

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【音楽・演劇・演芸】 ビートルズ来日公演を支えた サムライビジネスマンの物語

    2018年7月21日号  

    日本の音楽シーンのその後を大きく変えた出来事「ビートルズ来日公演」。結果的に最初で最後となったあの公演の成功の陰には、表に出ることを好まない“サムライ”のようなビジネスマンたちの活躍があったのだ。

  • W杯西野監督流の人材活用術地方のバンカーへのエール

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    W杯西野監督流の人材活用術 地方のバンカーへのエール

    2018年7月21日号  

    W杯で西野ジャパンは悔しい結果でしたが、「これは西野監督の組織づくりや人材活用の神髄そのものだ」と膝を打ったのが『ストレッチ』。私たちは、資本や人材などの経営リソースが豊富であれば良い成果を出せると考えがちです。

  • 60人以上の肉声を丹念に紡ぐ天安門事件の真実に迫るルポ

    Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
    60人以上の肉声を丹念に紡ぐ 天安門事件の真実に迫るルポ

    2018年7月21日号  

    あの年、世界は、光と闇に分かれたように見えた。1989年、旧ソ連の衛星国ポーランドで実施された初の自由選挙で野党が圧勝したのを皮切りに、年末までに東欧のほとんどで共産政権が倒れた。自由と民主主義の勝利を、皆が祝った。

  • 「日中関係が好転」の理由

    Book Reviews 知を磨く読書
    「日中関係が好転」の理由

    2018年7月21日号  

    近藤大介著『未来の中国年表』には、信ぴょう性の高い公開情報に基づく優れたオシント(公開情報インテリジェンス)が満載されている。例えば2017年の中国共産党第19回全国代表大会に関する分析だ。〈習近平主席は、2035年まで自らの政権を続けるつもりなのだろう。

  • From Readers From Editors

    From Readers From Editors
    From Readers From Editors

    2018年7月14日号  

    1986年に高年齢者雇用安定法が改正されるまで、日本企業の多くは55歳定年制を採用していました。今の感覚だと、55歳なんてまだまだこれから。むしろ、この年で仕事人生を終えなければならないのだとしたら、達成感など得られないのではと心配してしまいます。

  • 【子育て・教育】子の成長を阻むものは何か鍵となる夫婦の問題と克服法

    Book Reviews オフタイムの楽しみ
    【子育て・教育】 子の成長を阻むものは何か 鍵となる夫婦の問題と克服法

    2018年7月14日号  

    四半世紀にも及ぶ教育現場生活で、子どもの健やかな成長や学力増進には家庭の安定が大切で、煎じ詰めると「母の安心」が一番大事であり、それを阻害するストレス因子のトップは「気持ちを理解してくれない夫」だと分かった。

  • 奇才マスクの真意と影響力メールで論理思考を育てる法

    Book Reviews 目利きのお気に入り
    奇才マスクの真意と影響力 メールで論理思考を育てる法

    2018年7月14日号  

    EV(電気自動車)、ロケット、ロボット、EV地下鉄など次々と未来型事業への挑戦を続けるイーロン・マスク。彼の一種狂気じみた事業意欲が、既存の産業や企業に及ぼす“影響力と余波”を報告するのが『イーロン・マスクの世紀』。

  • AIとの共存はナンセンス?子どもの読解力から見る将来

    Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
    AIとの共存はナンセンス? 子どもの読解力から見る将来

    2018年7月14日号  

    著者は「現在の延長線上ではAI(人工知能)のシンギュラリティは来ない」と考える一派の論客で、ロボットに東京大学の入学試験問題に挑戦させる「東ロボくん」プロジェクトのリーダーを務める。シンギュラリティとは、AIが人間を上回る技術的な転換点を指す。

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記者の目

  • 編集部 鈴木洋子

    〆切で積んでるエルデンリングDLC、早くクリアしなくちゃ

     大人になりゲームから離れていた私の元に結婚祝いとしてWiiが来たのは2008年のこと。「ゼルダの伝説 トワイライトプリンセス」のとりこになり、エンディングでは床に崩れて大泣きし、それからずっとゲームが大好きです。今回「ゲーマーの平均年齢は37歳」と知って安堵したのは内緒です。
     生まれた子どもは知育ゲームとマインクラフト、Robloxに夢中。わが家の娯楽の真ん中にゲームはいます。
     今号の特集では、依存症の問題は取り上げませんでしたが、産業・文化・社会の中で重要性を増すゲームと、どう付き合うかを、多くの方が考えるきっかけになれば幸いです。さて、〆切終わったしそろそろエルデンリングDLCクリアしなくちゃ。

  • 編集部 片田江康男

    寒さに負けないゲームのコンテンツ力

     自宅近くの公園を通りかかった際に、小中学生5~6人が公園のベンチに下を向いて座っていました。手にしていたのはNintendo Switch。お菓子や飲み物まで用意して、寒空の下で没頭していました。
     私が子どもの頃は、ゲームを持っていて、家に上がっていい友人宅に集合したものでしたが、新型コロナウイルスのまん延を経て、そんな遊び方はなかなか実現しなくなったようです。
     それにしても、寒風吹きすさぶ中でも、子どもたちを夢中にさせるゲームのコンテンツ力には脱帽です。私も読者の皆さまが夢中になる特集をお届けできるよう、精進してまいります。2025年もよろしくお願いいたします。

最新号の案内2025年1月18日号

表紙

特集日本のゲーム

半導体や鉄鋼並みの外貨獲得力を持つ日本のコンテンツ産業。その中で最大規模を持ち、成長を続けるのがゲームだ。世界市場は2028年には50兆円にも届くといわれており、外貨獲得産業として国も支援に乗り出した。一方、業界の「ゲームシステム」は急速に…

特集2役所&日銀出身の社外取締役報酬ランキング

社外の客観的な目が企業経営にとって重みを増す中、社外取締役が役人の有望な再就職先となっている。「行政経験を積み、企業経営にも一定の理解がある官僚OB・OGは貴重」との見方がある一方、「形を変えた天下り」といった否定論も。彼らが高額報酬に見合…