記事一覧:Book Reviews 知を磨く読書292件
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Book Reviews 知を磨く読書
資本主義体制下での自己実現
2019年4月13日号橋本卓典著『未来の金融』を読むと現下日本の金融業界が抱えている構造的危機がよく分かる。〈確率と計測は、常に過去に引っ張られる。何度でもしつこく述べるが過去と異なるパラダイムシフトが始まる時、過去の確率と計測は意味を失う。未来が過去の延長線上にあると思い込むこと自体が危うい。
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愚行権を尊重する社会
2019年4月6日号山口揚平著『1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法』で著者は、〈お金は誰でもわかるというその汎用性の強さをもって社会性を拡張した。だが人間は社会性だけでは生き残れない。お金の持つ強すぎる汎用力は、個性や心を犠牲にした。それが私たちが潜在的にお金を嫌う理由である。個性の喪失はアイデンティティの喪失につながると恐れるからだ〉と指摘する。
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30代で35年ローンを組む異常
2019年3月30日号朝日新聞取材班著『負動産時代』は、日本の不動産ビジネスが抱える問題を構造的に解明した優れたノンフィクションだ。
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中国を支配する秘密結社
2019年3月23日号楊海英著『独裁の中国現代史』は、中国について知るための必読書だ。
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短期的利益にしか関心がない人
2019年3月16日号ヤニス・バルファキス著(関美和訳)『父が娘に語る美しく、深く、壮大で、とんでもなくわかりやすい経済の話。』は、ギリシャで財務大臣を務めたことがある著者が現代経済について分かりやすく解説した好著だ。
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安倍長期政権を維持する鍵
2019年3月9日号瀧澤弘和著『現代経済学』は、現下の経済学の潮流を分かりやすく解説した好著だ。
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少しだけしか成長しない時代
2019年3月2日号村松剛著『新版 ナチズムとユダヤ人』を読むと凡庸で出世にしか関心がない人が、巨悪に手を染める構造がよく見えてくる。〈アイヒマンは自分の階級が上がった日付は、じつによくおぼえています。彼は万年課長でいることに不満をもち、大佐になりたくて仕方がなかった。
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最良の小中学生向け理科入門書
2019年2月23日号松岡正剛著『理科の教室』における1861年に原著が刊行されたファラデーの『ロウソクの科学』に関する記述が興味深い。
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人生設計と価値観の転換
2019年2月16日号大江英樹著『定年前』は、定年後の人生設計の心構えについて説いた良書だ。〈多くの会社では「役職定年」という制度があります。
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良い情報を手に入れる早道
2019年2月9日号佐藤卓己著『テレビ的教養』は、テレビというメディアが民主主義にとって重要であることを解明した好著だ。
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旧海軍将校たちが語った特攻
2019年2月2日号戸髙一成編『特攻 知られざる内幕』は、旧海軍将校たちが戦後、太平洋戦争における日本の過ちについて率直な意見を交わした「海軍反省会」の記録から、特別攻撃隊に関する発言をまとめたものだ。
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フェイクニュースへの耐性
2019年1月26日号中谷巌著『「AI資本主義」は人類を救えるか』は、一級の経済学者が文明論的視座から現代資本主義を読み解いた名著だ。中谷氏は、健全な資本主義のためには他者を包摂する思想が重要であると説く。
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職場にもやもやしている人
2019年1月19日号髙良毅著『がんの町医者』からは、がんに取り組む開業医の真摯な姿勢が伝わってくる。
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再び革命運動が起きる可能性
2019年1月12日号藤井厳喜、石平著『米中「冷戦」から「熱戦」へ』では、2018年10月4日に米国のハドソン研究所でマイク・ペンス米副大統領が行った演説を詳細に分析することを通じ、米中関係の位相が変化したとの見方が示されている。
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補助科学としての数学の活用
2018年12月22日号ドイツのメルケル首相が旧東ドイツの牧師の娘だったということは有名だ。アンゲラ・メルケル著『わたしの信仰』を読むと、彼女のキリスト教に関する知識と霊性が、プロテスタント教会の牧師としても通用するレベルの高さであることが分かる。
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元防衛事務次官の憲兵隊構想
2018年12月15日号久保田勇夫著『新装版 役人道入門』では、官僚の技法が見事に伝授されている。特に興味深いのが上司との接し方だ。
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宗教の危険性に対する警鐘
2018年12月8日号小笠原喜康著『最新版 大学生のためのレポート・論文術』は、技法のみならず思考を深める観点からも有益だ。批判する際には、先行研究の内在的論理を正確に捉えることが何よりも重要である。
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米軍の教本に基づく意思決定
2018年12月1日号木村草太、佐藤優、山川宏著『AI時代の憲法論』において、木村氏は、〈この本の発端となった私の着想は、トランプの行動は、「得票最大化のための特化型AI」のように見えるというものでした……〉と述べる。
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社内試験に使える究極の実用書
2018年11月24日号『文藝春秋オピニオン 2019年の論点』には、このムックを大学入試にどう活用したらよいかというユニークな論考が収録されている。執筆者は、東進ハイスクールのカリスマ講師、樋口裕一氏だ。
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少年少女期をどう振り返るか
2018年11月17日号小原克博著『世界を読み解く「宗教」入門』においては、宗教について網羅的に取り扱われている。特に興味深いのは、新宗教に対するアプローチだ。