10万円から始める
資産1億円のつくり方
資産1億円をつくる――。個人投資家ならば、誰もが憧れることだろう。だが、現実はそう甘くない。
株式投資でいえば、勝ったり負けたりを繰り返すばかりだったり、損切りした途端に株価が高騰して悔しい思いをしたり、株価が下がり切ったと思って買い増した株がさらに値下がりしてしまったり……。こうした痛い目に遭うばかりで、一向に資産が増えない個人投資家は数知れない。
また、不動産投資はといえば、空室が埋まらず、想定していた賃料が入ってこないために収入よりローンの支払いの方が多くなってしまったり、揚げ句の果てには本業の収入から補塡する羽目になるなど、苦い経験を持つ人も少なくないだろう。
だが、世の中には株式投資や不動産投資でしっかりと財を成し、資産1億円超を達成した猛者たちが複数いるのも事実である。
そうした猛者たち、今や名物投資家として名を上げた面々は、どうやって資産を築いたのか。その手法は千差万別ながらも、学ぶべきところは多い。
そこで、資産1億円超を達成し、その手法を記した書籍がベストセラーとなっている名物投資家たちの投資術を分析し、かつインタビューを通してその投資哲学を詳らかにした。
名物投資家たちの投資術を学ぶ前に、まずは資産づくりに向けた全体像を押さえておこう。資産1億円に到達するには、資産規模に応じた幾つかのステップをクリアしていかなければならない。そのステップごとのポイントをまとめたものが、「1億円達成へのロードマップ」だ。
1年以内に株価が3倍以上になる小型株に集中投資することで、資産1億円超を達成した、個人投資家の遠藤洋氏が記した『小型株集中投資で1億円』から、ポイントを抜き出して作成した。
「億り人」になった
名物投資家たちの思考をトレース
『週刊ダイヤモンド』2月27日号の第一特集は、「資産1億円」です。
資産1億円といえば、一般人にとって縁遠い金額ですが、元手10万円程度から投資を始めて1億円超の資産を築いた「億り人」たちがいます。それら名物投資家たちは、特別な人たちかといえば、必ずしもそうではありません。
元は普通の人々ですが、投資を始めて以降、試行錯誤を繰り返しながら自分なりの投資法を見つけ、それを愚直に磨き続けることで巨額の資産を築いたのです。
では、名物投資家たちは、どうやって現在の資産を築き上げたのでしょうか。本特集では、名物投資家たちが上梓した書籍をひも解き、かつインタビューを通して投資術の秘訣に迫りました。
そこには幼少時からの話や、なぜ投資に向き合うようになったのか、投資術を作り上げるまでの試行錯誤の歴史などもふんだんに盛り込んでいます。名物投資家たちの思考の歴史をトレースすることで、各投資術に対する理解が深まるのではないか、と考えたためです。
リスクを抑えるのであれば、インデックスに分散投資するのがよいのでしょう。ですが、本特集ではあえて、個別株投資や不動産投資といったリスクの高い投資にスポットを当てています。大きな資産を築くためには、やはりリスクを取ることが必要なためです。
もっとも、年齢が高くなればなるほど、リスクの取り方に慎重になるべきなのは言うまでもありません。その点をしっかりと認識していただいた上で、名物投資家たちの投資術を学び、これからの投資の参考にしていただければ幸いです。