頭取ランキングで
逃げ切り頭取にくぎを刺す
『週刊ダイヤモンド』9月19日号の第1特集は「頭取ランキング 銀行の絶対権力者を丸裸」です。
かつて、歴代首相と気脈を通じて、日本の産業界を揺るがす巨大再編を幾度となく裏で演出した頭取がいました。一方で、強引な地上げによって、バブルをつくった張本人と批判され、日本経済をゆがめたとまでいわれた頭取もいます。功罪ありますが、頭取とはそれほどまでに大きな存在でした。
そもそも、会社の経営トップの肩書といえば、一般的には「社長」ですが、なぜ、銀行だけが「頭取」と呼ばれるのでしょうか。「銀行は特別」という権威主義の名残にも思えますが、雅楽を演奏する際、最初に音を出す人のことを「音頭取」と呼んだのが始まりだという説が有力だそうです。
それが転じた頭取には、組織の先頭に立って物事を進める「代表者」という意味合いがあります。
しかし、大手銀行か地方銀行かでも分かれるところですが、地銀の頭取たちは先頭に立つというよりはむしろ、部下がお膳立てしたみこしに担がれた〝お殿様〟であることの方が多いのが実情です。
経済が右肩上がりで天下泰平の世ならそれでもよかったのでしょうが、そんな時代はとうに終わりを迎えており、みこしの下では、地殻変動が起きています。
例えば、国内人口が激減していくせいで、かねて数が多過ぎると指摘されてきた地銀業界では、再編が必至の情勢です。また金利低下が銀行の運用難に拍車を掛けており、収益悪化の要因となってきました。
さらに、金融とITを融合させた新型の金融サービス、フィンテックが台頭しており、グーグルやアップルなど米国のITの巨人たちも金融業への参入を果たしています。今後、異業種とも競争していかなければならず、数年後には彼らが大きなシェアを占めている可能性すらあります。まさに、銀行の経営環境が激変している過渡期にあるのです。
だからこそ、今の時代には、演奏にハーモニーをもたらす調和型よりも、自らの力で部下を引っ張っていくリーダー型の頭取こそがふさわしいでしょう。
にもかかわらず、「自分が頭取の間に銀行がつぶれるわけじゃないのだから、誰も面倒なことはしたがらない」──。銀行取材の現場で頭取に対する諦めの言葉を聞く回数が自然と増えてきた。そんな"逃げ切り頭取"にくぎを刺すと同時に、あえて火中のクリを拾う頭取をもり立てられないか。今回本誌が独自に作成した「頭取ランキング」はそんな使命も帯びています。
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週刊ダイヤモンド2015年9月19日号
「頭取ランキング 銀行の絶対権力者を丸裸」
◆Part1 本邦初!頭取ランキング
◆Part2 メガバンクの絶対権力者たち
◆Part3 地銀再編列島 鍵を握る頭取人脈
◆Part4 地銀だけじゃない
信金・信組生き残りランキング
◆Part5 頭取独自アンケート完全版
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