市場関係者の多くは、中国の実体経済がどこまで悪化しているのか、さらには当局の政策が効かなくなってきたのではとの疑念を強めており、こうした疑心暗鬼はしばらく続きそうだ。

 米国が利上げするかを判断する米連邦公開市場委員会も16日に迫っている。

 市場をじゅうりんする台風はいつ再上陸するのか──。市場関係者は神経を尖らせている。

厳しい試練に直面する新興国
日本はマイナス成長の可能性も

 リーマンショックの際、世界同時不況から世界経済を救ったのは中国経済でした。4兆元という桁外れの景気対策によって中国経済はV字回復を遂げ、その旺盛な消費と資源需要が新興国を潤しました。

 世界的金融緩和による余剰マネーは、いち早く立ち直った中国や新興国へと向かいました。こうして金融緩和バブルが生成されたのです。

 いま、米国の利上げと中国経済の失速によって、バブル生成の過程が「逆回転」し始めました。米中を発火点としたバブル崩壊の始まりです。

 果たして世界はこの危機を乗り切ることができるのでしょうか。

『週刊ダイヤモンド』9月12日号第1特集「米中発!金融パニック」では、世界的金融緩和バブルの崩壊で何が起きるのか、世界は、日本は、どんなリスクにさらされるのかをわかりやすくまとめました。

 利上げを控える米国で進行する信用バブルの崩壊リスク、景気対策が効かない中国経済の真相に迫るとともに、利上げによる資金流出で通貨危機にさらされる新興国をリストアップ、主要通貨の為替予測もまとめました。

 もちろん、日本も米中発の金融パニックと無関係ではいられません。4〜6月期にマイナス成長となった経済は、7〜9月期も低空飛行が続く見込みで、通年のマイナス成長を懸念する声もあり、日経平均株価は乱高下を繰り返しています。

 そんな相場環境でも、「押し目買い」に出る個人投資家も少なくありません。そこで、本誌恒例の「買っていい株、買ってはいけない株」のリストも掲載しました。

 米国の利上げ時期、中国経済の底打ちが見えてくるまでは、現在の混乱は続くでしょう。そんな局面を乗り切るために、ぜひ本特集をご活用ください。

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週刊ダイヤモンド2015年9月12日号「米中発!金融パニック」

◆Part1 中国減速と米国利上げ
新金融パニック全深層

◆Part2 米中二大市場リスクから
読み解く危機の金融市場

◆Part3 世界緩和バブル終焉で
新興国経済を待つ試練

◆Part4 米利上げで荒れる市場
日本経済は乗り切れるか

 

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