ガラス張りのロビーラウンジや、ジャズ演奏も楽しめるグリル&バー、館内を彩る芸術品の数々、そしてスタンダードでも45㎡という広々とした客室──。
ラグジュアリーでありながら、どこかセンスの良い自宅にいるようなリラックス感を味わえる空間。パーク ハイアット 東京は、まさに「大都会の隠れ家」だ。
新宿副都心の外れに誕生したのは今から21年前。しかし、そうした魅力は色あせることなく、むしろ存在感を増している。「自宅のようなくつろぎと安らぎ」をコンセプトに「変えない美学」を徹底して貫いているからだ。
開業以来、グリル&バーを3億円掛けて一度だけ改装したが、常連客から「何が変わったのか」と不思議がられたほどだ。
「35軒ある世界のパーク ハイアットの中でも東京はフラッグシップ」と阿部博秀・日本ハイアット社長が言うように、多くのライバルホテルも「日本を代表するホテル」と口をそろえる。
とはいえ、時代に合わせ、接客スタイルや料理、プランは見直している。総支配人と現場責任者が全ての口コミに目を通し、客の要望をサービス向上に生かすなど、ソフト面は進化させているのだ。
今回、ホテル通33人にアンケートを実施、さまざまなテーマでお薦めしたいホテルを選んでもらった。その中で、パーク ハイアットは「一生に一度は泊まりたい憧れのホテル」の栄えある1位に輝いた。
2位にランクインしたのは、変わらないパーク ハイアットとは対照的に、それまでにない新たな形で、昨年末、東京・大手町に誕生したアマン東京だ。
アマンといえば、世界中に熱狂的なファンを持つ高級リゾートホテル。しかし日本で開業したのはグループ初となる都市型ホテルだ。
特徴は何といってもその造り。館内は石や木、和紙を多用し、四季を表現したアートや荘厳な生け花が訪れた客の目を引く。「その土地の文化を取り入れつつ、土着の文化そのものではないアマンのコンセプトを踏襲している」(旅行作家の山口由美氏)とアマン通をうならせる。
アマンといえば痒い所にそっと手が届くようなホスピタリティで有名。都市型の東京は多くの人が出入りするなど、リゾートとは勝手が違うと思いきや、モバイル端末からゲストの動向をつぶさに投稿、スタッフ間で共有してきめ細かいサービスにつなげている。
リゾートで好評なアクティビティの提案も都市型だ。オリジナル人力車での皇居~銀座散策や、早朝の築地市場にすし職人と買い付けに行き、夜にすしを堪能するツアーが人気を博している。