記事一覧:商品市場 透視眼鏡95

  • 目先やや高止まりの原油価格中長期では需給緩和が進む

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    目先やや高止まりの原油価格 中長期では需給緩和が進む

    2015年7月25日号  

    原油の国際指標である欧州北海産のブレント原油は、7月に入って下落幅が拡大し、1バレル当たり60ドルを下回った。ギリシャ情勢の混迷や中国の株安を受けて、投資家のリスク回避の動きが強まり、リスク資産である原油も売られた。もっとも、銅や鉄鉱石が年初来の安値を更新して下落したのに対して、ブレント原油は1月の安値(45.19ドル)に比べて、2割程度高い水準にとどまった。

  • ドル高と高水準の供給継続で原油の上昇ペースは緩やかに

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    ドル高と高水準の供給継続で 原油の上昇ペースは緩やかに

    2015年6月27日号  

    OPEC(石油輸出国機構)は6月5日に開催された定例総会において、事前予想の通り、原油生産量の目標を日量3000万バレルに据え置くことを決定した。総会前には、原油の過剰供給が続くとの見方から、原油相場は下落傾向で推移していた。同日には、米国の雇用統計が発表になり、雇用増加数が予想を上回ったことを受けて、ドル高が進行し、ドル建てで取引される原油の価格押し下げ要因となっていた。しかし、OPECが据え置き決定を行った後、原油相場は上昇した。「うわさで売って、事実で買い戻す」動きになった。

  • 原油需給は引き締まるがドル高などが上昇ペース抑制

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    原油需給は引き締まるが ドル高などが上昇ペース抑制

    2015年5月30日号  

    5月初めにかけて、原油相場はかなり速いペースで上昇してきた。5月6日の終値を3月末と比べると、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で28%高、ブレントで23%高だ。

  • 減速も加速もしない世界景気商品市況の行方はドル相場次第

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    減速も加速もしない世界景気 商品市況の行方はドル相場次第

    2015年4月25日号  

    国際商品市況全般で、相場の方向感がはっきりしない状況が続いている。1月までは、原油安に連動して他の国際商品にも売り圧力が及んだり、世界景気の減速観測によって国際商品全般が売られる相場であった。しかし、原油の急落には歯止めがかかり、世界景気の減速懸念も緩和する中で、相場の焦点を絞りにくくなっている。

  • 原油安は一服、値を戻すも上値を追う材料には乏しい

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    原油安は一服、値を戻すも 上値を追う材料には乏しい

    2015年3月28日号  

    原油相場はいったん下げ止まったものの、上値が重くなっている。昨年6月をピークに今年1月半ばにかけて、原油相場が大幅に下落した背景には、(1)米国のシェールオイルを中心に原油供給が増加したこと、(2)中国や欧州の景気下振れなどに伴って原油需要が鈍化したこと、(3)FRB(米連邦準備制度理事会)の金融政策の変化などを背景としてドル高が進んだこと、(4)OPEC(石油輸出国機構)が需給の調整役としての役割を少なくとも当面、放棄したこと、などによる原油市場におけるセンチメントの悪化があった。

  • 開発下火でも生産減に直結せず油価左右するシェールの動向

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    開発下火でも生産減に直結せず 油価左右するシェールの動向

    2015年2月28日号  

    石油サービス会社ベーカー・ヒューズが毎週金曜日に公表している米国の石油掘削設備(リグ)の稼働数の統計が、原油相場を変動させる材料になっている。この統計が注目されるのは、シェールオイルの生産動向を探る手掛かりになるからだ。世界の原油需給を考える上で、米国のシェールオイルの生産動向が重要視されている。

  • シェール減産が確認できる年央から原油相場は持ち直す

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    シェール減産が確認できる 年央から原油相場は持ち直す

    2015年1月31日号  

    原油相場は、12月後半にいったん横ばいで推移し、ある程度の底堅さを見せる局面もあった。しかし、ギリシャ問題などから世界景気の先行き不安が強まる中、年末以降、再び下落ペースが速まった。1月に入ってからの下落率は、国際指標であるブレント原油で21%、米国産のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油で17%まで拡大した。

  • 需給緩和要因が相次ぐ原油下値模索が当面続く

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    需給緩和要因が相次ぐ原油 下値模索が当面続く

    2014年12月27日号  

    原油相場の下落が続いている。国際指標であるブレント原油価格は、6月に1バレル当たり115ドル台の高値を付けた後、11月27日のOPEC(石油輸出国機構)総会の前日26日には78ドルを割った。総会後もさらに原油相場の下落は続き、12月12日の終値は62ドルを下回った。米国産のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油は58ドルを割り込んだ。

  • 景気拡大も原油需給締まらずOPEC減産でも残る下げ圧力

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    景気拡大も原油需給締まらず OPEC減産でも残る下げ圧力

    2014年11月29日号  

    国際指標である北海ブレント原油は、4年2カ月ぶりの安値となる77ドル台に下落した。原油需給が緩和する中で、OPEC(石油輸出国機構)は減産に向けた動きを見せないとの見方が根強く、原油価格の下落に歯止めがかからない状況だ。

  • 原油価格下落も減産には消極的シェール生産減退待つOPEC

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    原油価格下落も減産には消極的 シェール生産減退待つOPEC

    2014年11月1日号  

    原油価格が大幅に下落している。10月16日には国際指標である北海ブレント原油は、4年ぶり安値となる82ドル台に下落した。6月の高値に比べると、3割近い下落になっている。米国産のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油も節目となる80ドルを下回った。

  • 欧州経済減速がもたらすドル高原油・金価格の連動性を強める

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    欧州経済減速がもたらすドル高 原油・金価格の連動性を強める

    2014年10月4日号  

    今年に入って、各商品の市況が、独自の要因でまちまちの方向に動く状況が続いてきたが、足元では、総じて下落している。特に、原油と金の連動性が高まっていることが目を引く。原油は、需給緩和が懸念されている。9月のOPEC(石油輸出国機構)の月報を見ると、2014年の原油需要の見通しは前年比105万バレル増と前月時点(110万バレル増)から下方修正され、15年についても119万バレル増と前月(121万バレル増)から下方修正された。

  • 需給緩む原油 締まるアルミばらつき目立つ国際商品市場

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    需給緩む原油 締まるアルミ ばらつき目立つ国際商品市場

    2014年9月6日号  

    8月に入り、イラクでは、イスラム教スンニ派の過激派組織「イスラム国」が北部のクルド人自治区へ攻め込む動きを見せた。こうした事態を受けて、8日に米政府は軍事介入に踏み切った。

  • 地政学的リスクが落ち着けば再び原油価格は下落基調に

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    地政学的リスクが落ち着けば 再び原油価格は下落基調に

    2014年8月2日号  

    17日にウクライナ東部でマレーシア航空機が撃墜されたことや、イスラエル軍がパレスチナ自治区ガザに地上侵攻したことを受けて、地政学的なリスクへの懸念が強まり、原油相場は上昇した。16日には米国がロシアの金融・エネルギー・防衛関連企業を対象に新たな追加制裁を発動したことも地政学的な懸念材料となった。

  • 需給逼迫の観測が強まる中で油価はイラク情勢に敏感に反応

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    需給逼迫の観測が強まる中で 油価はイラク情勢に敏感に反応

    2014年7月5日号  

    イラク情勢の緊迫化を背景に原油相場が昨年9月以来の高値水準に上昇してきている。イラクでは、イスラム教スンニ派の過激派「イラク・シリアのイスラム国(ISIS)」による攻勢が続いており、今後、首都バグダッドや同国南部の産油地帯に迫るとの懸念がある。

  • シェールオイル増産で需給緩和原油価格夏すぎには低下の公算

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    シェールオイル増産で需給緩和 原油価格夏すぎには低下の公算

    2014年6月7日号  

    米国産のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油は、5月初めに1バレル当たり99ドル前後まで下落していたが、その後は上昇傾向で推移し、105ドルに近づいている。

  • 景気回復を映し米国WTIの北海ブレント上回る上昇続く

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    景気回復を映し米国WTIの 北海ブレント上回る上昇続く

    2014年5月3日号  

    原油相場は、ロシアによるクリミア半島への軍事介入が行われた3月初めに高値を付けた後、下落傾向で推移していたが、4月に入って徐々に上値を切り上げている。

  • ウクライナ情勢と中国減速懸念生じるスタグフレーションの芽

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    ウクライナ情勢と中国減速懸念 生じるスタグフレーションの芽

    2014年4月5日号  

    3月に入って、国際商品市況は荒れた展開となっている。まず、世界景気の先行指標である銅の市況が急落し、目を引いた。その背景には、銅の最大消費国である中国における「影の銀行」の問題がある。換金性の高い銅はさまざまな形で「影の銀行」に絡んだ取引があり、例えば、銅輸入に際して資金をドル建てで借り入れ、人民元建ての「信託商品」や「理財商品」で運用して利鞘を稼ぐ取引が行われていたとされる。こうした取引に活用できるため、銅需要は実需以上に膨らんでいたとの見方もある。

  • FRB量的緩和縮小加速懸念で米景気回復でも原油下落の公算

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    FRB量的緩和縮小加速懸念で 米景気回復でも原油下落の公算

    2014年3月8日号  

    米国では、寒波の影響がエネルギー市場や経済全般に及んでいる。米国の寒冷度合いを見る際に便利な指標として、NOAA(米国海洋大気局)が作成している暖房度日(HDD:Heating Degree Days)がある。

  • 原油と金の値動きが相似形に米量的緩和縮小が上昇抑制

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    原油と金の値動きが相似形に 米量的緩和縮小が上昇抑制

    2014年2月8日号  

    先進国を中心に、世界景気は回復を続けているが、そのモメンタムは力強さを欠いており、足元では、新興国経済への不安が再び強まっている。国際商品の市況を見ると、中国景気への期待感を反映しやすい鉄鉱石や石炭の市況が1月に入って下落基調で推移している。

  • 2014年も原油価格下落と天然ガス市況の回復が続く

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    2014年も原油価格下落と 天然ガス市況の回復が続く

    2014年1月11日号  

    最近数カ月、米国のエネルギー市場では、原油安と天然ガス高が進んできた。2014年も、この傾向が続くことになりそうだ。米国の天然ガス市況は過去の水準から見ると低迷の域にとどまっている。

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記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

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表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…