記事一覧:特集10409

  • 特集
    東京電力 救済で笑うのは誰か

    2013年12月21日号  

    福島第1原子力発電所の事故からまもなく3年。復興から取り残された形の福島では、「もう戻るのは諦めた」との声が多く聞かれる。だが、事故を起こした東京電力は、さまざまな思惑の中で“救済”されようとしているばかりか、“復活”まで虎視眈々と狙っている。「復興の加速」という美辞麗句の陰で──。

  • 特集 Part2
    【Column】 火事場の汚染水処理で発生 超高濃度廃棄物の後始末

    2013年12月21日号  

    「廃スラッジ597立方メートル」。東京電力の資料には、こんな見慣れない項目が記されている。実は、25メートルプール1.5杯分くらいの、この廃スラッジが、東電の悩みの種となっている。

  • 特集 Part2
    費用も必要年数も未知数 疲弊する原発事故処理の現場

    2013年12月21日号  

    巨大津波による全電源喪失がメルトダウンを引き起こした福島第1原発事故から2年9カ月。原子炉の後始末や除染、さらには被害者への賠償など問題は山積で、行く先は見通せない。

  • 特集 Part3
    【Column】 あの豪腕経営者が復活か!? 東電拠点に姿見せる勝俣氏

    2013年12月21日号  

    「あの、元会長の勝俣さんはいらっしゃいますか」「はい、少々お待ちください」東京・有楽町にある雑居ビルの最上階。東京電力と掲げられたドア横にあるインターホンを鳴らすと、こう返事が返ってきた。勝俣さんとは、東京電力の前会長の勝俣恒久氏のこと。福島第1原子力発電所事故後の対応で、豪腕経営者として、東電側の言い分を悪びれずに主張していた姿をご記憶の方も多いだろう。よくも悪くも東電を象徴する存在だった。

  • 特集 Part3
    改革派と守旧派の対立が激化 骨抜きにされる東電“解体”案

    2013年12月21日号  

    国による支援が決まったことで、東電は再建計画である「総合特別事業計画」の取りまとめを急いでいる。さらなるリストラが盛り込まれる一方、巻き返しの道筋も固まりつつある。

  • 特集 Part2
    税金でも結局すべて国民負担! 電気代値上げシミュレーション

    2013年12月21日号  

    原発事故に伴う費用の国費負担をどうするか、政府内での議論が本格化してきた。最終的にどれくらいの国民負担になるのか。電気料金の値上げで計算してみた。

  • 特集 Part3
    【Column】 “ヤメ東電”は買いなのか? 人材市場に溢れる社員たち

    2013年12月21日号  

    揺りかごから墓場まで面倒を見てくれる──。会社に忠誠さえ誓えば、「超安泰」が約束されてきた東京電力。それが、原子力発電所事故後に状況は一変し、将来を悲観した社員たちはわれ先にと転職活動に走った。2009年度に120人、10年度に134人だった退職者数は、11年度には465人、12年度には712人と約6倍に膨れ上がった。

  • 特集 Part3
    誰にも言えなかった 東電現場社員の胸の内

    2013年12月21日号  

    東京電力の現場社員として北関東で働く田沢誠一さん(40代)は、まだ高校生だったころに東電のテレビコマーシャル(CM)を見て、どうしてもこの会社で働きたいと思うようになった。田沢さんの記憶をたどると、1980年から翌年にかけて流されたそのCMは、真夜中に赤い回転灯を付けたクルマが、停電で真っ暗になった民家に向かうシーンから始まる。電柱の上で作業員が復旧作業を終えてスイッチを入れると、パッと窓に温かい光がともってナレーションが流れる。

  • 特集 Part3
    【Column】東電改革の明と暗 [暗]3000億円プロジェクト 東電改革の柱が存続の危機

    2013年12月21日号  

    東京電力改革の柱である巨大プロジェクトが、期待とは裏腹に苦難に陥っている。東電の抵抗を制し、経済産業省が主導する重要案件でいったい何が起きているのか。

  • 特集 Part3
    【Column】東電改革の明と暗 [明]世界級の火力会社が誕生!? 中部電を引き込む“合併劇”

    2013年12月21日号  

    東電が描く改革案で一番注目されるのが火力発電の扱いだ。競争環境の激化を見据え、東電は外部との大規模提携を目指しており、うまくいけば巨大火力発電会社が誕生しそうな気配だ。

  • 特集 Part3
    泉田裕彦(新潟県知事)インタビュー

    2013年12月21日号  

    東電に言いたいことがある。まず、原発部門を分離すべきということ。3・11以前は東電も、県の安全対策要請に前向きでした。それが今は懐事情が優先で先送りやあいまいな対応。県民の安全を守る知事としてこれでは困ります。

  • 特集 Part2
    若杉 冽(『原発ホワイトアウト』著者)インタビュー

    2013年12月21日号  

    ──電力会社・政治家・官庁の癒着を描いた「内部告発小説」が、現役キャリア官僚による著作として話題に上っています。どれくらい事実に基づいているものなのですか。

  • 特集 Part3
    終わりが見えぬ泥沼経営 金融機関と原発が握る命運

    2013年12月21日号  

    東京電力の「総合特別事業計画」をめぐり、東電と原子力損害賠償支援機構、金融機関がギリギリの折衝を続けている。融資をめぐって調整を続けるが、結局行き着く先は原発再稼働だ。

  • 特集 Part2
    【Column】 東電株売却で除染費用捻出 矛盾抱える経産省の皮算用

    2013年12月21日号  

    除染にかかる費用は最大約2兆円、その財源確保のために必要な株価は900円──。今、経済産業省がこんなそろばんをはじき始めている。原子力損害賠償支援機構が保有する東京電力株(取得価格200円)の売却益によって、除染費用を捻出しようというのだ。

  • 特集 Part4
    東京で電力対ガスの戦争勃発 ポスト東電の“覇者”は誰だ!

    2013年12月21日号  

    東京電力が、“復活”を狙って画策を続ける中、すでに東電の足元では業界再編に向けた動きが噴出している。電力業界のピラミッドが崩れる中、次の覇者になるのはいったい誰なのか。

  • 特集 Part4
    小泉「原発即ゼロ」発言の波紋 原発問題の底知れぬ根深さ

    2013年12月21日号  

    小泉純一郎元首相が安倍政権に「原発即ゼロ」の決断を迫り、波紋を呼んでいる。核の“ゴミ捨て場”がないという問題提起はまっとうだが、原発を止めただけで済む単純な話でもない。

  • 特集
    親と子の介護 「医療」「住まい」「食事」の不安を解消

    2013年12月14日号  

    「まだまだ親は元気だし、介護の心配はない」──。そう考える子は多いだろう。しかし、介護は突然やって来る。いざ介護が始まれば、「誰が面倒を見るのか」「費用は誰が負担するのか」「どこで介護をするのか」など、さまざまな問題で親族がもめるケースは多い。事前の準備や心構えができていれば、将来“その時”が来ても、「何をしたらいいのかわからない」という事態は避けられる。まずは、しっかり親を観察し、介護の話をするところから始めよう。

  • 特集 Part1
    【Column】 安いのには訳がある 保険料の地域格差の秘密

    2013年12月14日号  

    介護の力量格差が懸念されているが、すでに介護保険料の面(第1号被保険者)では、地域格差がついている。最も安いところは2800円、高いところは6680円である。ただ、介護保険料は「安ければいい」というものでもない。

  • 特集 Part1
    年金280万円以上は負担が倍 地域ごとの介護力格差に懸念も

    2013年12月14日号  

    来年の通常国会に提出される、介護保険法の改正案の内容が見えてきた。医療や年金と同様、高齢化に伴う給付の増加で、大幅な改革が避けられない状況だ。負担はどこまで増えるのか。

  • 特集 Part1
    親子で介護の話をしよう

    2013年12月14日号  

    「めっきり老けたなあ」──。久しぶりに会った親を見て、そう感じたことはないだろうか。今度の年末年始に帰郷して、実家で親と正月を過ごす人も少なくないだろう。あなたの親が70代半ばを過ぎているなら、以前に比べて、何か変わったことがないか、じっくり観察してみることをお勧めする。

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記者の目

  • 副編集長 千本木啓文

    ホンダと日産は「普通の会社」になってよいのか?

     ホンダと日産自動車の社風は対照的です。
     日産は政治的な会社で、創業者の鮎川義介氏は満州の発展を政府から任された産業界のリーダーでした。日産の源流、久原財閥を率いた久原房之助氏(鮎川氏の義弟)は政治家に転身後、政界にカネをばらまいたり、二・二六事件に関わったりし、「昭和史の怪物」と称されました。一方、たたき上げのエンジニアである本田宗一郎氏が戦後創設したホンダは、政府と裏で手を握る政界工作が不得手です。
     近年、両極にあった2社の個性は薄まり中道に寄ってきていました。統合してさらに普通の社風の会社になってしまうのは残念ですし、それで創業家が統べるトヨタやモーレツ主義のBYDに勝つのは難しい気がします。

  • 編集部 重石岳史

    「年賀状仕舞い」に募る心配事

    「時代の流れもあり本年をもちまして年賀状仕舞いをさせていただきます」。今年の正月も、そんなあいさつを記した年賀状が友人から届きました。日本郵便によれば、今年の元日に全国で配達した年賀状は前年比34%減の4億9100万通。「年賀状仕舞い」が各家庭で起きているとみられます。
     日本郵便といえば、宅配便の配達で苦情が出た際などに、委託業者から不当に高額の違約金を徴収したことが明るみに出ました。協業先のヤマト運輸とも、委託業務の見直しを巡りもめているようです。「時代の流れ」に取り残され、経営に余裕がなくなっているのだとすれば心配になります。配達員へのエールも込めて、私は年賀状仕舞いを当面しないつもりです。

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表紙

特集ホンダ・日産の命運

急転直下の婚約劇ーー。ホンダと日産自動車が経営統合に向けた検討に関する基本合意書を締結した。昨年、両社に三菱自動車を加えた3社は「自動車の知能化・電動化」領域において提携しており、協業を深化させることになった。3社の販売台数は837万台とな…

特集2半導体の覇者

生成AI(人工知能)と地政学リスクという二大ファクターが半導体バブルを膨張させている。AI半導体市場の拡大で、米エヌビディアと台湾積体電路製造(TSMC)が業界の頂点に立ち、これまでの盟主だった米インテルと韓国サムスン電子が凋落する構造変化…