記事一覧:新日本酒紀行166

  • 竹泉(CHIKUSEN)/兵庫県朝来市

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    竹泉(CHIKUSEN)/兵庫県朝来市

    2016年9月17日号  

    「幸の鳥」コウノトリは、吉兆の鳥。赤ん坊を運んでくるという伝説もある。日本最大の野鳥で背丈は人より少し低いが、翼を広げると2メートルを超える。江戸時代まで全国にいたものの、乱獲と環境悪化により、昭和40年代に野生種は絶滅。最後の1羽が生息していた兵庫県豊岡市は、その後野生コウノトリ復帰活動をスタートした。

  • 富久長(FUKUCHO)/広島県安芸津町

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    富久長(FUKUCHO)/広島県安芸津町

    2016年9月10日号  

    「富久長」を醸す今田美穂杜氏は、蔵の5人姉弟の長女。東京で「能」の仕事に携わっていたが、22年前に帰蔵し、以来、酒造り一筋。女性杜氏の先駆けだ。兵庫の山田錦や広島の八反錦等、さまざまな酒米に惹かれ酒造りをする中、八反草に出合う。

  • 秋鹿(AKISHIKA)/大阪府能勢町

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    秋鹿(AKISHIKA)/大阪府能勢町

    2016年9月3日号  

    土作りから始まる酒造り、名付けて「農醸一貫造り」。「秋鹿」の蔵元杜氏・奥裕明さんが30年前に命名した言葉だ。蔵は大阪府北端の能勢町に立つ。山中の高原で、寒暖差があり、山の麓まで棚田が連なる米どころ。

  • 東一(AZUMAICHI)/佐賀県嬉野市

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    東一(AZUMAICHI)/佐賀県嬉野市

    2016年8月27日号  

    九州は焼酎文化圏だと思いがちだが、九州の中で唯一、焼酎よりも日本酒の製造量が上回るのが佐賀県だ。酒造りの常識は、「寒造り」が適し、寒い地方が有利だとされるが、「東一」を醸す五町田酒造は気温のハンディを物ともしない。低温でじっくり醸す吟醸造りがモットーで、洗練された美しい味への評価が高い。

  • 白隠正宗(HAKUINMASAMUNE)/静岡県沼津市

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    白隠正宗(HAKUINMASAMUNE)/静岡県沼津市

    2016年8月13日号  

    「なぜ日本酒に“ナントカ正宗”が多いか、知ってますか?」と、白隠正宗の蔵元であり杜氏でもある、高嶋一孝さん。「正宗は音読みで“セイシュウ”、清酒にかけてるんです」。臨済宗の名僧、白隠禅師の名を冠した酒銘だけに、禅にも明るい、元柔道家の蔵元だ。

  • 天の戸(AMANOTO)/秋田県横手市

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    天の戸(AMANOTO)/秋田県横手市

    2016年8月6日号  

    ワインでいう「テロワール」とはブドウに凝縮された土地力のこと。日本酒の場合なら、原料は米と水になる。ただし、日本酒の米とワインのブドウの大きな違いは移動できるか否か。日本酒の場合、遠く離れた土地で育った米で、出品酒や蔵一番の高級酒を醸す蔵が多い。移動に強い乾物の米だからこそ可能な、米の産地と醸す地域が分かれる酒造りが行われてきた。これが日本酒の今までの形。だが、今年の新酒鑑評会などでは、地元の米を使う蔵が増えた。

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記者の目

  • 編集委員 深澤 献

    老人ホームのことを「寮」と呼ぶ母のプライド

     3月に、80代の母親が介護付き有料老人ホームに入居しました。認知症や足腰の不安はないのですが、車で1時間強かかる街で1人暮らしをしていたため、安心・安全な場所で暮らしてほしいと考えたからです。
     何カ所か見学し、施設ごとに設備もサービス体制も千差万別であることを実感。最終的には「ここなら自分が入ってもよいかな」と思えるところを選びました。私の自宅からも徒歩圏内。外出も外泊も自由なので、毎週末に訪ねては外に連れ出しています。
     ただ、本人はいまだに抵抗があるようで、「施設」や「ホーム」という言葉はかたくなに使いません。先日は「寮」と言っていました。なるほど。母の納得する表現を受け入れてやろうと思います。

  • 副編集長 大矢博之

    生成AIは数学の未解決問題を「証明」した大論文を読めるのか?

     生成AIの“時短術”として、英文レポートの要約をよく使います。本号の科学連載の題材に、数学の未解決問題の「証明」論文が登場しました。編集の参考のために原著論文を読んでもさっぱり分からない……。そこでAIに読解を頼みました。
     シンプルな要約は変わらず難解なので、「中高生に説明して」と頼むと変化が。論文は数学の美しさを映し出すさまざまな宝石をつなぐ地図のようなもので、数学者にとって宝の山だ、というおしゃれな表現が飛び出してきました。
     ならば、「証明が正しいかどうか検証して」と聞くと、「専門家に相談することをお勧めします」と優等生の答え。超難問の証明の検証にAIは貢献できるのか。AIの進化の行方が気になります。

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表紙

特集自分と親の終の住み家

50代後半は、定年を間近に老後の暮らし方を考えると同時に、 老親の看取りまで見据えた住まいの在り方についても思い悩む年頃。 老後をどこでどう過ごすかは、これまで培った人生観によって千差万別だ。住み替え、リフォームから老人ホームの選び方まで、…

特集2デジタル貧国の巨人 NTT人事の波乱

NTTグループの経営トップ交代が進んでいる。グループ再編を主導してきた澤田純会長は代表権を返上して一線から退き、名実共にグループの頂点に立った島田明社長の下で、完全子会社化したNTTドコモでサプライズ人事が発生。「年功序列の崩壊」にとどまら…