記事一覧:新日本酒紀行166

  • 雨後の月(UGONOTSUKI)/広島県呉市仁方

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    雨後の月(UGONOTSUKI)/広島県呉市仁方

    2018年10月27日号  

    呉は戦艦大和を建造した呉海軍工廠(こうしょう)があり、東洋一の軍港と呼ばれた。北前船の寄港地で海運に恵まれ、100年かけて湧く野呂山の名水があり、醸造が盛んになった。

  • 刈穂(KARIHO)/秋田県大仙市神宮寺

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    刈穂(KARIHO)/秋田県大仙市神宮寺

    2018年10月20日号  

    「辛口の酒をくれ」。居酒屋でよく聞く言葉だ。そもそも日本酒の辛口とは何か? 目安となるのが日本酒度だ。

  • 楯野川(TATENOKAWA)/山形県酒田市山楯

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    楯野川(TATENOKAWA)/山形県酒田市山楯

    2018年10月13日号  

    山形県の庄内平野で育まれた出羽燦々と美山錦を中心に、純米大吟醸酒だけの酒造りをする楯の川酒造。海外輸出も多い人気銘柄だ。「米をぜいたくに使った日本酒を醸造することで、地元の農業に貢献できる」と6代目蔵元の佐藤淳平さんが、2010年から全量を純米大吟醸に切り替えた。

  • 天青(TENSEI)/神奈川県茅ケ崎市

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    天青(TENSEI)/神奈川県茅ケ崎市

    2018年10月6日号  

    「かっぱ徳利」は、いくら飲んでも中身の減らない徳利が登場する茅ケ崎に伝わる民話だ。小出川にすむかっぱが働き者の五郎兵衛じいさんに恩返しで徳利を渡したところ、飲み過ぎて怠け者になり…。その話を基にした酒が、民話の舞台、茅ケ崎の熊澤酒造の「天青 かっぱの純米吟醸」だ。

  • 神亀 ひこ孫(SHINKAME HIKOMAGO)/埼玉県蓮田市

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    神亀 ひこ孫(SHINKAME HIKOMAGO)/埼玉県蓮田市

    2018年9月29日号  

    第二次世界大戦中に米不足から生み出された添加酒に押され、戦後、1本も醸造されていなかった純米酒を、数多の障害を乗り越え復活させた蔵元の熟成純米酒。

  • 十六代九郎右衛門(JYUROKUDAI KUROUEMON)/長野県木曽郡木祖村

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    十六代九郎右衛門(JYUROKUDAI KUROUEMON)/長野県木曽郡木祖村

    2018年9月22日号  

    標高936mという高地・木祖村藪原宿で、1650年から酒造りをする湯川酒造店。契約栽培田の米や山田錦、愛山を源流水と環境で醸す

  • 一白水成(IPPAKUSUISEI)/秋田県南秋田郡五城目町

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    一白水成(IPPAKUSUISEI)/秋田県南秋田郡五城目町

    2018年9月15日号  

    500年続く朝市が名物の秋田県五城目町。朝市通りの入り口にあるのが福禄寿酒造だ。1688年の創業で、白壁造りの蔵で地酒を醸す。現当主は16代目の渡邉康衛さん。朝市では山菜やきのこなど地物が並ぶ。

  • 残草蓬莱(ZARUSOUHOURAI)/神奈川県愛甲郡愛川町

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    残草蓬莱(ZARUSOUHOURAI)/神奈川県愛甲郡愛川町

    2018年9月8日号  

    大矢孝酒造が立つ愛川町は、神奈川県といっても山間の自然豊かな田舎町。「最寄り駅は14km離れた本厚木駅でバスは1時間に1本」と、8代目蔵元の大矢俊介さん。なぜこの地で酒造りを? 不思議に思って尋ねると、祖先は武士。戦国時代の最大の山岳戦、武田信玄と北条氏康が戦った三増峠の戦いで、北条方の騎馬隊長として出陣。戦後、戦場近くに住んだという。

  • 初亀(HATSUKAME)/静岡県藤枝市岡部町

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    初亀(HATSUKAME)/静岡県藤枝市岡部町

    2018年9月1日号  

    静岡で最古の酒蔵が初亀醸造。3代将軍徳川家光の時代、1636年に駿府で創業した。明治期に東海道五十三次の宿場町、岡部の地へ移転し、今に至る。山あり、川ありの豊かな自然環境に恵まれ、上質な玉露の産地で玉露の里を名乗る。

  • 月の井 彦市(TSUKINOI HIKOICHI)/茨城県東茨城郡大洗町

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    月の井 彦市(TSUKINOI HIKOICHI)/茨城県東茨城郡大洗町

    2018年8月11日号  

    大洗の海は環境省の快水浴場百選、日本の渚百選に選ばれ、勢いのある波が評判でサーファーも多い。その海から近い、町で一軒の酒蔵が月の井酒造店だ。8代目の坂本直彦さんは、毎朝4時に波乗りをするほど海好き。

  • 乾坤一(KENKONICHI)/宮城県柴田郡村田町

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    乾坤一(KENKONICHI)/宮城県柴田郡村田町

    2018年8月4日号  

    乾坤とは陰と陽、天と地を表す。そこに一を付けて「天下一に!」と願いを込めた酒が「乾坤一」だ。醸造元は創業1712年の老舗、大沼酒造店。「米の8割が宮城産の飯米で、7割がササニシキ」と17代目蔵元の大沼健さん。酒造好適米よりも地元の飯米を多く使うのが特徴。

  • 風の森(KAZENOMORI)/奈良県御所市

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    風の森(KAZENOMORI)/奈良県御所市

    2018年7月28日号  

    魏志倭人伝に「日本人は酒を好む」と記されるほど卑弥呼の時代から続く酒の歴史。酒は各地で自然発祥したとされるが、島根と奈良、兵庫がそれぞれの理由で発祥の地を名乗る。「生産量を増やし、遠地への流通を可能にしたのが奈良の菩提山正暦寺(ぼだいせんしょうりゃくじ)」と、油長酒造13代目蔵元の山本嘉彦さん。

  • 早瀬浦(HAYASEURA)/福井県三方郡美浜町早瀬

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    早瀬浦(HAYASEURA)/福井県三方郡美浜町早瀬

    2018年7月14日号  

    若狭湾国定公園、三方五湖(みかたごこ)の久々子湖(くぐしこ)と早瀬漁港に挟まれたわずか300メートルほどの地峡に立つ酒蔵、それが三宅彦右衛門酒造だ。漁港を目の前に酒を醸し続け、今年で創業300年を迎える。現蔵元は醸造責任者も務める12代目の三宅範彦さん。家業を継いだとき、酒の銘柄を全て早瀬浦に改名した。それまでは、ほぼ全量が地元消費の普通酒の蔵だったが、純米や大吟醸など特定名称酒の蔵へと大きくかじを切った。地元では昔からここを早瀬浦と呼んできた。今までもこれからも、ここで醸し続ける誇りと決意をブランド名にしたのだ。

  • 七本鎗(SHICHIHONYARI)/滋賀県長浜市木之本町

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    七本鎗(SHICHIHONYARI)/滋賀県長浜市木之本町

    2018年7月7日号  

    羽柴秀吉が、柴田勝家を破って天下人への大きな一歩となった賤ヶ岳の戦い。この戦いで功名を立てた武将たちが、七本槍とたたえられた。名将にちなんだ「七本鎗」の酒を醸すのが、賤ヶ岳の麓、琵琶湖の東北端、北国街道に立つ冨田酒造だ。

  • 梅ちゃん(UMECHAN)/鳥取県東伯郡北栄町

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    梅ちゃん(UMECHAN)/鳥取県東伯郡北栄町

    2018年6月30日号  

    その名も「梅ちゃん」だ。全国でも数蔵しか造っていない米と米麹だけの梅酒用清酒、醸造元は鳥取県の梅津酒造。家庭で梅酒を造る場合、酒税法でアルコール分は20度以上の酒という規定がある。甲類焼酎のホワイトリカーを使うのが一般的だ。日本酒で漬ける場合は20度以上なら問題がない。

  • 月山(GASSAN)/島根県安来市

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    月山(GASSAN)/島根県安来市

    2018年6月16日号  

    戦国時代、尼子と毛利、織田が争奪戦を繰り広げた月山富田城(がっさんとだじょう)。尼子家再興のため「われに七難八苦を与えよ」と月に願掛けをして戦った山中鹿介。悲運の物語の舞台は200年にわたり山陰の都だった。その地から歩いて10分、月山醸造元の吉田酒造がある。蔵元の吉田智則さんと杜氏の足立孝一朗さんの若き二人がタッグを組み、酒の品質向上に取り組む。今、酒蔵が減り続ける中、出荷量が毎年10%増という。このコンビで全国新酒鑑評会は5年連続で金賞受賞という実力派だ。

  • 髙清水(TAKASHIMIZU)/秋田県秋田市

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    髙清水(TAKASHIMIZU)/秋田県秋田市

    2018年6月9日号  

    毎年春に開催される全国新酒鑑評会は、独立行政法人酒類総合研究所が主催しており、今年で107年目。全国から850蔵が参加し、最大規模かつ最古の歴史を誇る。今年、金賞連続受賞15年と記録を更新したのが、宮城の「黄金澤」と、秋田酒類製造御所野蔵の「◎清水(たかしみず)」だ。

  • 小嶋屋(KOJIMAYA)/山形県米沢市

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    小嶋屋(KOJIMAYA)/山形県米沢市

    2018年6月2日号  

    直江兼続、上杉鷹山ゆかりの城下町米沢は、武家屋敷など往時の風情を色濃く残す。この地で1597年に創業した小嶋総本店は、安土桃山時代から酒造業を営む老舗蔵だ。

  • 正雪(SHOSETSU)/静岡県静岡市清水区由比

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    正雪(SHOSETSU)/静岡県静岡市清水区由比

    2018年5月19日号  

    桜エビが取れるのは世界でも静岡県の駿河湾と台湾だけ。国内で漁を行うのは静岡のみで春と秋の年2回。春漁は4月から6月初旬で資源保護を考慮したエコ漁業を行う。水揚げ量日本一は東海道16番目の宿場町、由比漁港だ。その港に最も近い酒蔵が神沢川(かんざわがわ)酒造場。

  • 渡舟(WATARIBUNE)/茨城県石岡市国府

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    渡舟(WATARIBUNE)/茨城県石岡市国府

    2018年5月12日号  

    平安時代に平将門が新皇を名乗り、東国独立を図った常陸の国。その国府=府中を蔵元名にした酒蔵が府中誉だ。創業1854年の老舗で、現蔵元の山内孝明さんが古い品種の米、短稈渡船(たんかんわたりぶね)を復活栽培して酒を醸し、称賛の的となっている。

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記者の目

  • 編集委員 深澤 献

    老人ホームのことを「寮」と呼ぶ母のプライド

     3月に、80代の母親が介護付き有料老人ホームに入居しました。認知症や足腰の不安はないのですが、車で1時間強かかる街で1人暮らしをしていたため、安心・安全な場所で暮らしてほしいと考えたからです。
     何カ所か見学し、施設ごとに設備もサービス体制も千差万別であることを実感。最終的には「ここなら自分が入ってもよいかな」と思えるところを選びました。私の自宅からも徒歩圏内。外出も外泊も自由なので、毎週末に訪ねては外に連れ出しています。
     ただ、本人はいまだに抵抗があるようで、「施設」や「ホーム」という言葉はかたくなに使いません。先日は「寮」と言っていました。なるほど。母の納得する表現を受け入れてやろうと思います。

  • 副編集長 大矢博之

    生成AIは数学の未解決問題を「証明」した大論文を読めるのか?

     生成AIの“時短術”として、英文レポートの要約をよく使います。本号の科学連載の題材に、数学の未解決問題の「証明」論文が登場しました。編集の参考のために原著論文を読んでもさっぱり分からない……。そこでAIに読解を頼みました。
     シンプルな要約は変わらず難解なので、「中高生に説明して」と頼むと変化が。論文は数学の美しさを映し出すさまざまな宝石をつなぐ地図のようなもので、数学者にとって宝の山だ、というおしゃれな表現が飛び出してきました。
     ならば、「証明が正しいかどうか検証して」と聞くと、「専門家に相談することをお勧めします」と優等生の答え。超難問の証明の検証にAIは貢献できるのか。AIの進化の行方が気になります。

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表紙

特集自分と親の終の住み家

50代後半は、定年を間近に老後の暮らし方を考えると同時に、 老親の看取りまで見据えた住まいの在り方についても思い悩む年頃。 老後をどこでどう過ごすかは、これまで培った人生観によって千差万別だ。住み替え、リフォームから老人ホームの選び方まで、…

特集2デジタル貧国の巨人 NTT人事の波乱

NTTグループの経営トップ交代が進んでいる。グループ再編を主導してきた澤田純会長は代表権を返上して一線から退き、名実共にグループの頂点に立った島田明社長の下で、完全子会社化したNTTドコモでサプライズ人事が発生。「年功序列の崩壊」にとどまら…