記事一覧:大人のための最先端理科269件
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大人のための最先端理科
【数学】 ミクロとマクロの世界を繋ぐ 臨界現象の統一理論の魅力
2018年6月16日号幾つかの異なる分野が交わる場所における成果は、ミステリアスで美しい。それぞれの分野の知見を他分野に移植し、新たな発見をもたらすという恩恵ももちろんあるが、何よりの魅力はそれを可能とした斬新な発想に触れることであろう。
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【生物】 鍵は見た目? 繁殖の可能性? 生物の「種」を分けるものは何か
2018年6月9日号「種」とは何だろうか? スズメとツバメは種が違うというように、簡単に区別できるかのように思うが、種の定義と区別は、実はかなり難しい。
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【地球】 ジルコンが伝える地球創成 “最古の石”の発見競争
2018年6月2日号ジルコンはダイヤモンドにも負けない輝きを持つ宝石だ。身に着けると知恵や富が得られると信じられ、旅の安全のお守りでもあった。白(透明)・黄・青・ピンクなどの色を示すことからヒヤシンス(風信子)石とも呼ばれる。
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【脳科学】 たった一晩の徹夜で蓄積する!? アルツハイマー病の原因物質
2018年5月26日号認知症においては、新たな出来事を覚えること(例えば、会話の内容を覚えておくこと)が困難になったり、昔の思い出や知識が失われたりする記憶障害、自分のいる場所や日時が分からなくなる見当識障害、物事の手順を考え、それに沿ってテキパキと判断し行動するのが難しくなる実行機能障害など、心のさまざまな機能(認知機能)の低下が生じる。
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【宇宙論】 宇宙の始まりの謎を解く 究極理論の有力候補「超弦」
2018年5月19日号この連載では、138億年前のビッグバンから、暗黒時代、星や銀河の形成を経て現在に至る宇宙の歴史、宇宙に満ちているとされるダークマターやダークエネルギーの謎、ブラックホールや太陽系外惑星についての最新の知見、さらには1000京年先の宇宙の姿についてまでを展望してきた。
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【生命科学】 細胞から放出される小さな袋 「エクソソーム」の使い道
2018年5月12日号1665年、英国のロバート・フックは、自ら開発した顕微鏡で見いだしたコルク片の微小な区画に「cell」という呼び名を与えた。もともと「独房」を意味する英単語に新しい概念が与えられたのだが、「細胞」という訳語を生み出したのは宇田川榕庵という日本人である。
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【数学】 検索スピードが飛躍的にアップ 常識外れの量子力学の数学
2018年4月28日号量子力学を初めて学んだときにどのような印象を持たれただろうか? 量子の世界では、二つの状態が同時に成立する。箱を開けてみるまでは、箱の中で半分死んで半分生きているという「シュレーディンガーの猫」などはよく知られているが、私たちの素朴な感覚とは大きくかけ離れている。
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【地球】 隕石衝突説が優勢になっても 話題が尽きない恐竜絶滅
2018年4月21日号日本の恐竜ファンの聖地といえば、何といっても福井だろう。駅前にモニュメントが並び、県立恐竜博物館には年間90万人以上が訪れる。圧巻の展示はもちろんのこと、化石発掘が体験できることも魅力だ。
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【脳科学】 脳の視覚情報処理のヒント 大脳皮質の「細胞の並び方」
2018年4月14日号脳における神経細胞の並び方には一定のルールがある。そのルールを明らかにすることで、情報処理のメカニズムを理解するヒントを得ることができる。それは、見知らぬ部屋に入ったとき、その部屋が何のために使われているのかを、家具の並び方で想像することに似ている。
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【宇宙論】 物理の法則で説明できない 宇宙の“ちょうどいい”バランス
2018年4月7日号科学には、天文学、化学、生物学などのさまざまな分野があるが、私の専門とする物理学は、基本法則を見極め、それを使って自然界の現象を説明しようとする学問である。例えば、19世紀のジェームス・クラーク・マクスウェルは、電気や磁気に関するさまざまな現象が、たった四つの方程式で説明できることを発見した。そして、この方程式を使って、電磁波のような新しい現象を予言した。
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【生命科学】 臓器を丸ごと透明化して観察 脳の“地図”を描く最新技術
2018年3月31日号 -
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【数学】 元の場所に戻れるかどうか 活用広がるランダムウォーク
2018年3月24日号コインを投げて表が出たら右に1歩、裏が出たら左に1歩進むゲームがあったとしよう。どうなるかは、数学の言葉で「Z上の対称単純ランダムウォーク」により調べられる。
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【地球】 巨大溶岩ドームが新たに成長? 鬼界カルデラ最新調査で判明
2018年3月17日号最近、日本列島の火山はご機嫌がよろしくないようだ。新年早々、草津白根山の水蒸気噴火で犠牲者が出た。続いて蔵王山でも火山性微動や山体膨張が観測され、噴火警戒レベルが引き上げられた。世界一の火山大国日本には、ひとたび荒ぶると日本喪失を招きかねない「巨大カルデラ火山」が七つもある。このような破局的な超巨大噴火は発生頻度こそ低いが、その危険度(=想定死亡者数×年間発生確率)は自然災害や事故の中でもトップクラスである。
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【脳科学】 虹は何色に見えるか? 色の「知覚と文化」の不思議
2018年3月10日号当たり前だと思い込んでいたことが、何の根拠もなかったり、時には事実でなかったりすることがある。簡単に確かめることができるのに、自分で確認しないままに「常識」として受け入れてしまっているような事柄だ。
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【宇宙論】 ダークマターは存在するか? 科学現場の仮説と検証の方法
2018年3月3日号科学は、仮説を立て、それから検証が可能な予言を導き、その予言を実験や観測の結果と突き合わせ、間違った予言をした仮説を捨て、正しい予言をする仮説を選ぶことで、確かな知識を獲得していく作業だといわれる。
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【生命科学】 老化止める薬も夢じゃない? 長寿遺伝子のエピゲノム調節
2018年2月24日号不老不死は人類の願いの一つである。中国の歴史書『史記』によれば、秦の始皇帝は「東方の三神山に長生不老の霊薬がある」という徐福の言葉を信じ、3000人を探索に投入したが徒労に終わったという。不老不死は無理だとしても、アンチエイジングに有効な物質はあるのだろうか?
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【数学】 ニュートンの微積分学に匹敵 日本数学者が築いた確率解析
2018年2月17日号伊藤清(1915~2008)は、数理ファイナンスに使われる数理基盤「確率解析」を築いたことから「ウォール街で最も有名な数学者」と呼ばれている。しかし、伊藤の確率解析は数理ファイナンスにとどまるものではない。偶然性を含むありとあらゆる現象を記述するための数学理論を構築したのである。
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【地球】 地磁気反転を現代に伝える 地球史に残るチバニアン
2018年2月10日号「チバニアン」という耳慣れない単語が昨年11月、国内を駆け巡った。千葉県市原市にある地層が、地球の歴史の77万~12万6000年前を代表する地質時代として、国際認定の第一関門を突破したのだ。その名称が、ラテン語で「千葉時代」を意味するチバニアンである。メディアでは「地球の磁極が逆転した痕跡を確認できる点が評価された」などと報道されている。しかし、これだけでは多くの人々はよく分からないに違いない。
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【脳科学】 音がする位置はなぜ分かるか 脳が作る聴覚地図の仕組み
2018年2月3日号おしゃべりをしたり音楽を聴いたり、私たちの人生は、音が聞こえることで随分と楽しいものになっている。だが、そもそも音が聞こえる真の恩恵は何だろう。例えば、ものが見えることと比べて何が特別だろうか。おそらくそれは、寝ているときも機能していることや、頭の後ろや物陰の音まで聞こえることで、全方位に、かつ障害物を越えて周りの情報を得られることだ。
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【宇宙論】 「過去から未来へ」の1方向 時間の流れはなぜひとつか
2018年1月27日号アインシュタインの理論の登場によって、物理学者は時空間の構造自体も科学的研究の対象とすることができるようになってきた。宇宙の中の物質が時間や空間の様子にどのような影響を与えるのか、またそのように変化をする時空間の中で物質はどのように運動するのかは、アインシュタインの重力方程式によって決まる。そして、この方程式を解くことで、ビッグバンから現在に至る宇宙の進化が理解されてきた。