記事一覧:大人のための最先端理科269件
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大人のための最先端理科
【生命科学】 オプジーボだけじゃない! 免疫史に残る本庶先生の功績
2018年11月10日号10月初旬、研究者たちが手を止めるひとときがある。筆者も1日午後6時すぎからノーベル財団のライブ配信を聞くために待機モード。読み上げられた「Tasuku Honjo」という名前に、思わずガッツポーズをしてしまった。日本人のノーベル生理学医学賞受賞は2年ぶりだ。
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【気象】 今秋にもエルニーニョ発生か 暖冬なら太平洋側も大雪に注意
2018年11月3日号2018年夏は、7月上旬西日本を中心に220人以上の命を奪った「平成30年7月豪雨」、続いてそれ以上の熱中症死者を出したと見込まれる猛暑、そして毎秒50メートルに及ぶ強風と高潮で関西国際空港に浸水をもたらした台風21号、さらには同等の記録的な強風を東日本にももたらした台風24号と気象災害が相次いだ。
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【数学】 波なのに塊のように振る舞う 不思議な「ソリトン」の数学
2018年10月27日号今年は台風や地震などの自然災害が猛威を振るっている。海に囲まれ、豊かな水に恵まれた日本にとって、波は身近な研究テーマになり得る。これは数学者にも当てはまる。
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大人のための最先端理科
【生物】 クジャクの雄はなぜ美しい? デリケートな雌の選り好み
2018年10月20日号クジャクの雄はなぜ美しい? この質問に答えるには、9月8日号の本欄で紹介した、性淘汰の理論を駆使せねばならない。性淘汰は、生存ではなくて繁殖をめぐる競争の状況が、雄同士の間と雌同士の間で異なるために生じる。
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【地球】 地震と豪雨による複合災害 北海道胆振東部地震の教訓
2018年10月13日号9月1日号の本欄で大阪府北部地震について説明したばかりだというのに、9月6日に北海道胆振東部地震が発生した。マグニチュード6.7、震源の深さ約37キロメートルのこの直下型地震は、北海道で初めて震度7を記録した。なぜこれほどの大地震が北海道内陸部で起き、土砂崩れが多数発生したのだろうか?
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【脳科学】 ネコも人工知能も錯覚する 錯視で分かった脳の情報処理
2018年10月6日号錯視図形は不思議の塊だ。色がない所に色が付いて見えたり、印刷されたものとは違った形が見えたり、描かれているものが消えてしまったりする。わが目を疑うような錯覚に、「おーっ」と声を上げた経験がある人もいるだろう。
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【宇宙】 人類の宇宙観を劇的に変えた アンドロメダ大銀河M31
2018年9月29日号人類の宇宙観を劇的に変えたのが、アンドロメダ大銀河だ。宇宙の構造を知る大きな手がかりになっただけでなく、私たちの住む銀河系が宇宙に唯一の存在ではないことを認識させてくれたのだ。
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【生命科学】 異常を感知し不良品を修復 小胞体のタンパク質品質管理
2018年9月22日号細胞内部の異常を感知して修理する「小胞体ストレス応答」と呼ばれる研究領域の開拓に、日本人研究者が貢献している。
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【数学】 祝!柏原正樹博士チャーン賞 日本で生まれた代数解析学
2018年9月15日号8月にブラジル・リオデジャネイロで開催された国際数学者会議(ICM)で、京都大学名誉教授の柏原正樹博士がチャーン賞を受賞した。4年に1度開かれるICMは、数学の研究者たちにとって最も重要なイベントの一つ。国際数学連合が授与する数学界で最高に名誉な賞の受賞者の発表と、記念講演が目玉である。
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【生物】 キリンの長い首のミステリー 有力説はダーウィンの性淘汰
2018年9月8日号キリンの首はなぜ長い? この問いは、進化を語るときによく引き合いに出される。確かにキリンの首は長い。こんなに首の長い哺乳類はほかにいない。
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【地球】 直下型地震は起こり得る 大阪府北部地震が残した教訓
2018年9月1日号大阪出身の私は、幼稚園のころに祖母から聞いた「怖い話」をよく覚えている。家の裏にそびえる生駒山地は、大地震で盛り上がってできたというのだ。その後、叔父にもらった地球の図鑑に「断層」の記載があり、きっと生駒山地が高くなったときにはこんなことが起こったのだろう、と想像していた。
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【脳科学】 バージョンアップで急進展 ヒトの脳の機能地図作り
2018年8月25日号首を傾ける、握った手を開く、足の指を曲げるなど、体のあちらこちらの部位を個別に動かすことは簡単である。一方、「右脳の前方下部分だけを働かせて」と言われても、どうしたらよいのか分からない。そのようなことができるとも思えない。しかし実は、脳もまた体と同じように、異なった働きを果たす部品が集まってできている。
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【宇宙】 夏休みの子どもと共に眺めたい 15年ぶり大接近の火星に注目
2018年8月11日号火星が近づいてきた。7月31日には15年ぶりの大接近を迎えた。夜空ではとても明るく、赤く輝いているので、ニュースになる前から、お気付きの読者も多いだろう。
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【生命科学】 超音波で認知症を予防!? 神経細胞を支える脳の血管
2018年8月4日号神経細胞はデリケートな細胞だ。脳の血管が詰まって酸素や栄養が補給されないと、数分のうちに壊死を起こす。脳の血管が破裂して出血することでも、神経細胞は死んでしまう。このような脳梗塞、脳出血などを脳卒中と呼び、現在でも全死因の1割を占める。
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【数学】 驚くべき方程式が生み出す 生き物の世界の多様と複雑
2018年7月28日号部屋の中にストーブを置くと、熱が部屋の中に広がり、やがて室内が一定の温度で安定する。このように広がっていく現象を「拡散」という。拡散には水中に垂らしたインクが広がる、空気中に匂いが広がる、などさまざまな現象がある。感染症の拡散などもそうだ。こうした拡散現象は、やがて一様な状態に落ち着くというのが常識だった。
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【生物】 別れ、出会い、交配の繰り返し 人類進化700万年の歴史
2018年7月21日号私たちヒトは、ホモ・サピエンスと呼ばれる種である。ヒトはどんな生物から進化してきたのだろう? 最近、人類進化学では幾つもの新発見があった。現生のヒトと他の動物の遺伝子を比較すると、私たちに最も近縁なのはアフリカに住むチンパンジーであり、遺伝子の違いから推定して、両者が分かれたのはおよそ600万~700万年前らしいということが分かっている。
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【地球】 噴火の危険は活火山だけ? 日本に300ある「待機」火山
2018年7月14日号日本列島には111、地球上の約7%の「活火山」が密集している。日本の国土の面積は世界の1%にも満たないのだから、この国は間違いなく世界一の火山大国だ。実際、今年だけでも、草津白根山、桜島、新燃岳、硫黄山(霧島)が噴火を繰り返している。
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【脳科学】 大きくてスッキリしている? 「頭が良い人」の脳の構造
2018年7月7日号すらりとした肢体に小さな顔と頭。日本人の体形が変わりつつあるのだろうか。近頃は、8頭身どころか10頭身の若者も多く、実にカッコいい。その反面、頭でっかちをさえないことのように思っている人もいるかもしれない。しかし、そんなことはないのだ。
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【宇宙】 星の灰が生み出す色鮮やか 七夕の夜空に思う星の生涯
2018年6月30日号夏の夜の夕涼み。蛍の飛び交う田舎の道を久しぶりに歩いてみると、見上げた夜空に輝く満天の星々。そして雲のように流れる天の川。そんな夏の夜の星空は、今ではかなりの田舎でないと眺めることができなくなってしまった。
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【生命科学】 ブレーク寸前の新技術 培養皿で“ミニ脳”を作る
2018年6月23日号奈良の大仏殿の近く、鹿がのどかに草を食む公園の奥に、実は国際会議場がある。能舞台を備えたこの奈良春日野国際フォーラムで5月下旬、「国際発生神経科学学会」が開催され、世界各国から400人を超える研究者が集まった。