記事一覧:大人のための最先端理科269件
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大人のための最先端理科
【数学】 世界の“ルール”を探究する 数学と物理、二人三脚の発展
2019年9月14日号数学は「自然科学の基礎」と呼ばれることがある。だから、数学の発展があって初めて、諸学が発展すると思っている人は多いかもしれない。しかし、実際の歴史をひもとくと、経緯はかなり異なる。
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【生物】 「雄」と「雌」はなぜあるのか? シビアな「軍拡競争」の結末
2019年9月7日号多くの動物には、雄と雌という二つの性がある。雄と雌が遺伝子を混ぜ合わせて次の世代をつくる繁殖様式を、有性生殖と呼ぶ。人間の目に見えるような生物の多くは有性なので、それが当然のように思えるかもしれないが、「増える」「次世代をつくる」という点では、有性である必然性はない。
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【地球】 地球深部の熱源は移動するか ホットスポットの“熱い”議論
2019年8月31日号世界一高い山は、標高8848メートルのエベレストだ。ただしこれは海水面からの高さである。山の麓から、つまり正味の山の高さの世界一はハワイ島のマウナケア(標高4205メートル)だ。なんと海底から1万0203メートルもそびえ立っている。
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【脳科学】 大ざっぱと丁寧を使い分ける 私たちの脳の情報処理システム
2019年8月24日号脳はつまるところ情報を処理する生体器官である。その情報は外界由来のものであったり、体の中からくるものであったりする。従って、脳の働きを理解するためには、脳そのものだけではなく、それが取り扱う情報の性質についても理解する必要がある。
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大人のための最先端理科
【天文】 月面に文字や光が見える? 望遠鏡で広がる月の楽しみ方
2019年8月10日号今年の7月は何かと月が話題であった。というのも、月が引き起こす天文現象である皆既日食が南米で見られたり、アポロ宇宙船の月面着陸から50年の節目の日を迎えたりしたからだ。
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【生命科学】 遺伝子解析の進歩で判明した がんの進化と多剤療法の根拠
2019年8月3日号2005年6月12日、米スタンフォード大学の卒業式。後に“伝説”と呼ばれるスティーブ・ジョブズのスピーチは、「Stay hungry. Stay foolish.」という有名な言葉で締めくくられた。この15分間のスピーチで、ジョブズは自身が膵臓がんにかかっていることに触れた。
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【気象】 現在は氷期のはざまの温暖期 地球気温500万年の歴史
2019年7月27日号今年は冷夏気味のようだ。雨も多めのようなので、ご注意願いたい。冷夏気味とはいっても、温暖化も都市化も進む中、晴れた日には猛暑レベルになってもおかしくはないので、熱中症にもご注意願いたい。というわけで、今回は盛夏に涼しげな氷河期のお話をしようかと思う。
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【数学】 登場頻度は気まぐれなのに 意外な法則がある素数の魅力
2019年7月20日号数学者は数学で間違うことはないと、多くの人は思うかもしれない。しかし、人間誰しもミスはある。
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【生物】 生物の種はなぜ分かれるのか 注目集まる分化のメカニズム
2019年7月13日号「種」の定義は非常に厄介だ。1940年代に成立した進化の現代総合説で、生物学的種とは、「互いに交配可能な個体の集まりで、別のそのような集まりとは交配しないもの」と定義された。
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【地球】 1年以内の発生確率は5% 首都直下型地震を忘れるな
2019年7月6日号2020年の東京五輪まであと1年。チケット販売が始まり、聖火リレーの概要が発表されるなど、高揚感が日本を包んでいる。
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【脳科学】 脳のネットワークの全貌解明 挑戦はどこまで進んでいるか
2019年6月29日号宇宙で一番複雑な物体は何だろう。私たちは宇宙のほんの一部しか知らないのだから、この問いに確かな答えを出すことは誰にもできないはずだ。それでも、「ヒトの脳ほど複雑な構造物はない」と言い切る研究者もいる。
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【天文】 圧倒的なエネルギーを放射 母なる恒星「太陽」の素顔
2019年6月22日号夏至も近くなり、太陽の威力を感じる季節になった。昨今の異常な暑さは気象学が扱う範疇ではあるが、少なくとも太陽が大本のエネルギー源であることは間違いない。われわれに恵みを与えてくれる母なる恒星だが、毎日のようにお付き合いしているせいか、当たり前過ぎて、気付かないことも多い。今回はそんな太陽の素顔を紹介しよう。
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【生命科学】 うつ病とセロトニンに新説 “DNAスイッチ”という新機能
2019年6月15日号超大型連休の間に、平成から令和に時代が移った。お祝いムードで、幸福な気持ちに浸った人も多かったのではないだろうか。
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【気象】 今年もどうなるか気掛かり 進化している台風の予測
2019年6月8日号今年も台風シーズンを迎える。昨年9月、25年ぶりに最大風速毎秒45メートルの「非常に強い」勢力を保ったまま上陸した台風21号が、3メートルを超える高潮を伴って、海に囲まれた関西国際空港を浸水させ、また、強風に煽られたタンカーが空港への連絡橋に衝突したため、一時8000人を超える人々を孤立させたことは記憶に新しい。
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【数学】 純粋と応用の“いい関係” 「数理資本主義」時代の到来
2019年6月1日号私はツイッターで数学に関することを本名でつぶやいているので、さまざまな方から多彩な反応を頂くが、先日、経済産業省の方から連絡があったことには驚いた。
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【生物】 いつどこで家畜化されたか 謎が多いイヌの起源と歩み
2019年5月25日号私事で恐縮だが、先月、長らく一緒に暮らしたわが家のイヌのキクマルが死んだ。スタンダードプードルの雄で、14歳11カ月生き、老衰で眠るような最期だった。キクマルは、夫のグループの研究に実験犬として何度も参加し、その結果は多くの論文として結実した。今回は、その大往生を記念して、イヌの起源について述べたい。
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【地球】 香川県にも大河があった! 吉野川を"曲げた"中央構造線
2019年5月18日号日本列島は雨が多い。たっぷりと水分を含んだ南風が吹き付ける高知県は降水量が年間3000ミリメートルを超え、日本トップクラスの“降雨県”だ。
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【脳科学】 ヒトや動物が生まれつき持つ 光の点から動きを検出する力
2019年5月11日号面接などにおいて相手の顔を見て話すことは重要であるとよくいわれる。目と目のコンタクトをしっかり取ることが有能さや誠実さといった好印象を与えるからだ。これに加えて、あまり語られることのない注意点がもう一つあるようだ。
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【天文】 ついにその姿が直接見えた! 銀河中心の巨大ブラックホール
2019年4月27日号ブラックホール。どんなものでも強力な重力でのみ込んでしまう、モンスター天体として、その知名度は抜群だ。もともとアインシュタインの一般相対性理論が発表されたのを契機に、理論的に質量が極めて狭い範囲に集中した場合にどうなるか、という視点で研究が進み、ドイツの天文学者シュヴァルツシルトが、アインシュタイン方程式の特殊な解として導いた。さらにインド出身の物理学者チャンドラセカールが、ぎゅうぎゅうに詰まった星(後述)の質量には上限があることを理論的に導き、実在する可能性を予言した。1930年のことである。
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【生命科学】 人体の"修理屋"の血小板 乱流の活用で大量産生に光
2019年4月20日号細胞を擬人化したアニメ「はたらく細胞」は、体内で活躍する細胞の役割を分かりやすく伝える好作品だ。数あるキャラクターの中で筆者が一番好きなのは、かわいらしい「血小板ちゃん」たちである。幼稚園児の姿でありながら、多数が一斉に協力して傷口の修復現場で働いている様子がほほ笑ましい。