記事一覧:大人のための最先端理科269件
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大人のための最先端理科
【数学】 「超越数」は数字で書ける? 数学が哲学になってきた理由
2015年12月26日号筆者の大学生時代、「大学に入ると、物理は数学になり、数学は哲学になる」といわれていた。「数学が哲学になる」とはどういう意味だろうか?高校までに習う数学の問題は、多くの場合、答えを具体的な数字で求める、あるいは式で求めるという問題である。授業でも答えの「求め方」を習う。それに対して大学に入ると、「この問題には答えが存在する」とか「ある種類の問題全体を考えると、それは次のような性質を持っている」といった、哲学っぽいことを習い始める。
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【地球】 瀬戸内海と温泉を生んだ 1400万年前の火山活動
2015年12月19日号3年前に久しぶりに関西へ戻ってきて、僕は瀬戸内の魚にほれ直した。東京では特有の香りが広がる江戸前の煮穴子が主流だが、こちらではうま味が立つ明石の焼穴子が格別である。中ぶりのアナゴはいつでも美味だが、これから冬にかけては大型の「伝助アナゴ」も魅力だ。骨切りした身を炙ると最高である。
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【脳科学】 記憶はどう蓄えられるか? 神経細胞のシナプスの働き
2015年12月12日号「もっと記憶力があればなあ」とため息をつく受験生、言葉を話し始めた幼児を持つ親、物覚えが不確かになってきたことを嘆く中高年者。多くの人が、物事を学ぶこと(学習)、覚えておくこと(記憶)について思いをはせたことがあるに違いない。
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【宇宙論】 アインシュタインにピンチ? 一般相対性理論の発見レース
2015年12月5日号アルベルト・アインシュタインがベルリンのプロイセン科学アカデミーで一般相対性理論を発表して、この11月でちょうど100年になる。今回はこの理論が発見された経緯と、その後の発展について振り返ってみよう。
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【生命科学】 ノーベル化学賞に輝いた DNAのコピーミス対策
2015年11月28日号「色の白いは七難隠す」といわれ、わが国ならずとも「美白」はコスメ業界の最大テーマの一つ。「紫外線に当たると肌の色が黒くなる」ことは経験的に知られているが、紫外線が皮膚の細胞に与える影響は、単にメラニン色素合成の誘導だけではない。強い日差しは細胞の中の「核」まで届き、その中にあるDNAにもダメージを与える。
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【数学】 アインシュタインの大成功と 21世紀数学研究のリアル
2015年11月21日号今回はアルベルト・アインシュタインについて書いてみたい。アインシュタインは量子力学について、「神がサイコロをもてあそぶとは思えない」と言ったという。物理学の基本法則は単純でなければならない、とも主張した。
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【地球】 日本列島の形を決めた 1500万年前の大変動
2015年11月14日号世界の国々はどんな形か。地球科学者がよく耳にする話題だ。わが日本はタツノオトシゴに似ているという意見が多い。確かに日本列島はこの愛くるしい「魚」のように、アジア大陸の東縁部から太平洋へ弓なりにせり出した形をしている。
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【脳科学】 日本人従軍医師が発見した 大脳の中の「視野の地図」
2015年11月7日号目を開けたら眼前の世界が見え、自分を取り囲むさまざまなものがどう配置されているかが分かる。当たり前過ぎて気に留めることもないが、考えてみるとありがたい。もし、この能力を持っていなかったら、世界のレイアウトが分からず、私たちは車の運転やスマートフォンの操作はおろか、日々の生活を送るのはほとんど不可能だろう。脳の中には、目に映った外界世界の位置情報を伝える仕組みがあるはずだ。
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【宇宙論】 日本の理論と実験が解いた 太陽ニュートリノの謎
2015年10月31日号今回の記事の校正中に、今年度のノーベル物理学賞が「ニュートリノが質量を持つことを示すニュートリノ振動の発見」に対して与えられるという、素晴らしいニュースが飛び込んできた。そこで、急きょ予定を変更して、授賞対象となった発見の、宇宙研究における意義について語ることにしよう。この連載の第36回「私たちの身体を作っている元素はどうやって生まれたか?」で、太陽のような恒星の中の核融合の話をした。
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【生命科学】 祝! 大村先生ノーベル賞 10億人救った土壌の細菌
2015年10月24日号毎年9月末から10月頭は、生命科学研究業界がそわそわする時期である。研究者の端くれであれば各人、イチオシの候補者を話題にする。学内の友人とのランチの折に聞いてみると、「線虫業界は『マイクロRNA』の研究者にあげてほしいと皆、言っています♪」とのこと。「線虫の人たちは仲がいいね。『エピジェネティクス』は広過ぎて、誰にあげたらよいか分からないし……」「あれ? まだ取ってなかった?」「『X染色体不活性化』のメアリー・ライオンは亡くなったのよね……」と話に花が咲く。
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【数学】 簡単そうで超難しい整数論 フェルマー最終定理の貢献
2015年10月17日号ベストセラーになった小川洋子の小説『博士の愛した数式』の主人公の専門は整数論だった。高木彬光の推理小説に出てくる名探偵神津恭介が書いた博士論文のテーマも整数論だという。日本では数学者というと整数論のイメージが強い。今回は、筆者の専門ではないのだが、整数論の話をしよう。
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【地球】 地球はいつ誕生したのか? 初期地球で何が起きたのか?
2015年10月10日号太陽系創成期のころ、原始太陽の周りにはミクロンサイズの固体微粒子やガスが円盤状に集まっていた。太陽系円盤の比較的真ん中付近、現在の火星~木星間より内側では、ダストは岩石や金属が、外側では氷が主成分だった。
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【脳科学】 物の大きさはなぜ分かるか? プトレマイオス以来の謎解明
2015年10月3日号物を見てその大きさが分かるという機能ほどありふれた心の働きはないように思える。紙の上で広い面積を占める図形が狭い面積の図形より大きく見えるのと同様に、網膜に映った像の面積の大小が対象物の大きさの見え方を決めているにすぎないと思えるからだ。しかし、事はそう単純ではない。
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【宇宙論】 私たちの身体を作っている 元素はどうやって生まれたか?
2015年9月26日号私たちの身の回りのものは、さまざまな元素からできている。例えば、私たちの身体は、質量にして、6割が酸素、2割が炭素だ。今回は、このような元素が、宇宙の中に、どのように誕生したかを考えてみよう。
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【生命科学】 ノーベル賞の有力候補!? 細胞内のリサイクル機構
2015年9月19日号このコラムの掲載から数週間で、今年のノーベル賞が発表になる。今回はここ数年、ノーベル生理学・医学賞の候補の一つと目されてもいる、筆者イチオシの研究を取り上げたい。それは「オートファジー」という、細胞内のリサイクルに関わる重要な現象についてである。
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【数学】 私たちの世界は「微分方程式」 という言葉で書かれているか?
2015年9月12日号宇宙は数学という言葉で書かれている、というのは16世紀の物理学者ガリレオ・ガリレイの言葉である。ガリレオの有名な発見に物が落下するときの運動の法則がある。ガリレオは、空気抵抗がなければ物体は一定の加速度で落下することを発見した。加速度は位置の2回微分である。位置の1回微分は速度、すなわち位置が変化する割合だ。加速度は速度の変化する割合である。ガリレオの法則は、位置を表す関数の2回微分が一定であると書き換えられる。
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【地球】 日本列島を灰で覆い尽くす 巨大カルデラ噴火の脅威
2015年9月5日号列島最高峰でバリバリの活火山である富士山が最後に火を噴いたのは1707年の宝永噴火だ。東京ドーム1000杯分近いマグマを噴き出し、江戸でも数センチメートルの火山灰が降り積もった。この噴火や、1914年に桜島を大隅半島と地続きにした桜島大正噴火などが日本史上最大級の噴火である。だから、私たちは「大噴火」というと、この規模の噴火をイメージする。しかし実は、日本列島でははるかに超ド級の噴火が何度も起こってきたのである。
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【脳科学】 人々を救った脳科学の恩人 30秒しか記憶できない患者
2015年8月29日号HMと聞いて、皆さんは何を思い浮かべるだろう。スウェーデンのファッションブランドとか米国のハードロック雑誌だろうか、それともホットケーキミックスか。私を含め多くの脳科学者にとってHMといえば、脳に損傷を受けたある一人の患者さんである。HMは少年時代から重度のてんかんを患っていた。この病気では、時折、脳の1カ所で多数の神経細胞が一斉に電気活動(てんかん放電)を始め、それが広い領域へと伝搬するため、けいれんなどの意図しない激しい体の動きが起きたり、意識を失ったりする。
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【宇宙論】 アインシュタインが間違えた 一般相対論の予言「重力波」
2015年8月22日号前回は、1915年にアルベルト・アインシュタインが一般相対性理論を発表したところから話を始め、この理論の予言するブラックホールの不思議な性質を考えた。今回は、一般相対論のもう一つの予言である「重力波」について解説しよう。物理学の理論は、さまざまな自然現象を、一組の方程式で記述するというかたちを取ることが多い。例えば、アイザック・ニュートンの力学には運動方程式というものがあり、物体の場所と速度が分かると、その後の運動の様子は方程式を解くことで決まっていく。また、電気や磁気の現象も、19世紀の物理学者ジェームズ・クラーク・マクスウェルが発見した方程式に従う。
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【生命科学】 ヒトの初期状態は男か女か 性を決める仕組みは何か
2015年8月8日号「人は女に生まれるのではない。女になるのだ」と、フランスの哲学者、シモーヌ・ド・ボーヴォワールは『第二の性』に書いた。だが、生命科学的には間違っている。人間を含む哺乳類の「デフォルト」は雌であり、後から「雄化」するからだ。