記事一覧:マーケット・人物2504件
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World Scope ワールドスコープ
【from 欧州】 総選挙で大勝利した キャメロン英首相 EU離脱の本音と建前
2015年6月6日号一番驚いたのは保守党党首のキャメロン首相自身ではなかっただろうか。先に行われた英国の総選挙はまれに見る接戦と当初予想されたが、ふたを開けてみると保守党がまさかの大勝利、23年ぶりの単独政権を樹立した。
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数字は語る
NISA初年度は好成績 銘柄分散・時間分散の 投資が奏功か
2015年6月6日号4月24日に金融庁は、「NISA口座の利用状況について」を発表した。この統計によると、2014年のNISA口座での総購入額2兆9770億円に対し、年末の残高や受取配当等の総額は3兆3230億円となった。つまり、NISAで投資をした個人投資家の資産は時価で3460億円増えた計算だ。
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金融市場 異論百出
実はアベノミクスが手本? 株価上昇でリスク先送りの中国
2015年6月6日号中国政府は、9月3日に抗日戦争勝利70周年式典を開催し、その日を祝日にすると発表した。9月3日は木曜日だが、翌金曜日も休めるなら4連休となる。このため中国人の間では「連休になるなら日本に買い物に行こう」と相談し合っている人が少なくないという。今、この原稿は中国で書いているのだが、北京でも上海でも、「日本での買い物は安いし、楽しい」と何度も言われた。個人の実体験が口コミで広がる中で2国間の関係が改善していくならば、それは非常に望ましい流れである。
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為替市場 透視眼鏡
数カ月内にドル円は5%上昇も 年金の下値支持は最終コーナー
2015年6月6日号ドル円の上昇トレンド観に変わりはない。ところが、5月前半、世界中で相場の基調観をくらます動揺が生じた。昨年来、米経済の独り勝ちを受け、世界には大量のドルのロング(買い持ち)が積まれ、ユーロ、円、新興国通貨はショート(売り持ち)が膨らんだ。ドル独歩高で圧迫されるドル建て取引の商品相場はショート。米利上げが模索される一方、日欧など他の国々は多くが金融緩和を進め、広く債券ロング、株式ロングだった。
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World Scope ワールドスコープ
【from 米国】 FB拡大に危機感も 背に腹は代えられぬ 既存メディアの苦渋
2015年5月30日号フェイスブック(以下FB)が、メディアになる、といっても過言ではないサービスを始めた。5月13日から、「インスタント・アーティクルズ」という新サービスを開始。九つのメディアと提携し、各メディアのウェブサイトに誘導されることなく、FBのニュースフィードで直接、瞬時に記事を読めるようになった。
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World Scope ワールドスコープ
【from アジア】 ネアックルン橋開通で 期待高まるメコン経済圏 各国の協調が発展の鍵
2015年5月30日号2015年4月6日、南部経済回廊を成すカンボジアの国道1号線のネアックルン橋(通称つばさ橋)が開通した。橋の開通により、タイ~カンボジア~ベトナムが陸路で結ばれることになり、メコン経済圏のさらなる飛躍が期待される。
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数字は語る
統計の整備で判明 院卒者は大卒者よりも 1000万円の所得増
2015年5月30日号2014年3月の4年制大学卒業者のうち、11%が大学院に進学している(文部科学省「学校基本調査」)。いわゆる理科系では、理学系42%、工学系36%、農学系24%と大学院進学がかなり一般化している。
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金融市場 異論百出
15年前の日銀利上げ時と酷似 FRB発言に感じるデジャビュ
2015年5月30日号「最近よく当たっている」とちまたで評価が高いアトランタ連邦準備銀行の経済成長率予想、「GDPNow」。第1四半期の予想は、ウォール街のエコノミスト予想よりも大幅に低い数値だったが、結果はそちらに近かった。そして、5月13日に「GDPNow」は第2四半期の予想を0.7%成長と発表した。
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商品市場 透視眼鏡
原油需給は引き締まるが ドル高などが上昇ペース抑制
2015年5月30日号5月初めにかけて、原油相場はかなり速いペースで上昇してきた。5月6日の終値を3月末と比べると、WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で28%高、ブレントで23%高だ。
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短答直入
アンドレア・ボラーニョ(アルカンターラ会長兼CEO)
2015年5月23日号自動車のシートなどに使われている素材「アルカンターラ」を製造する伊アルカンターラ社。同社はサスティナビリティを企業戦略の重要な要素として捉えている。その背景を聞いた。
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数字は語る
輸出物価の下落幅拡大も 海外景気の不透明感が 輸出の重しに
2015年5月23日号輸出物価指数(契約通貨ベース)は、2015年3月に前年同月比▲4.8%の下落となった。昨年末から下落幅が拡大しており、その影響が注目される。中でも注目を集めるのは、輸出物価の輸出数量への影響だろう。12年末からの円安局面の初期段階では、輸入額の増加によっていったん貿易赤字が拡大したものの、やがて輸出額の増加によって貿易収支が改善に向かうという「Jカーブ効果」が期待された。しかし、期待とは裏腹に、Jカーブ効果が14年末まで明確に表れなかったその最大の原因は、輸出の伸び悩みにある。従って、輸出物価の下落が、輸出数量の増加につながるかが今後の焦点だ。
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金融市場 異論百出
低所得者ほど将来に悲観的 日銀の期待を裏切る逆転現象
2015年5月23日号日本銀行は4月30日の金融政策決定会合で予想通り現状維持を選択した。もし日銀が追加の金融緩和策を決めていたら、環太平洋経済連携協定(TPP)反対派の米議員たちが「日本は輸出を有利にするためにまた円安誘導を行った」と色めき立って、せっかくの安倍晋三首相の訪米が台無しになっただろう。
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World Scope ワールドスコープ
【from 中国】 法治を口実に権力強化 国有企業も巻き込み 勢い増す反腐敗闘争
2015年5月23日号反腐敗闘争が止まらない。習近平氏が総書記に就任してから約2年半で、中央次官級・地方副省長級以上の高官70人以上が汚職で失脚(以下「落馬」)している。腐敗を取り締まる執行機関の中央規律検査委員会の幹部は言う。「習総書記は反腐敗闘争の手を緩めないだろう。2015年の最優先事項は、腐敗の温床と化している国有企業に対する取り締まりだ」
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金利市場 透視眼鏡
輸出と物価抑制するユーロ高 独長期金利上昇は長続きせず
2015年5月23日号ECB(欧州中央銀行)による国債買い入れ政策導入以降、ドイツ10年債利回りは低下を続け、一時0.1%を割り込んだ。ところが、4月末に急騰し、5月以降は損切りの売りも巻き込んで上げ幅を拡大させ、ECBによる国債買い入れ政策導入決定以前の水準まで上昇した。
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World Scope ワールドスコープ
【from 欧州】 工業生産のデジタル化で 世界標準を目指すドイツ インダストリー4.0を加速
2015年5月23日号ドイツ政府は、工業生産のデジタル化計画「インダストリー4.0」に21世紀の成長戦略として大きな期待をかけているが、今年からこのプロジェクトの主導権を握り、実用化へ向けてテンポを速める。ガブリエル経済大臣とヴァンカ教育研究大臣は、今年4月に開かれた世界最大の工業見本市、ハノーバー・メッセで、プロジェクトの推進機関「プラットホーム・インダストリー4.0」の総指揮を執ることを発表した。
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数字は語る
人口減少が加速し 手遅れになる前に 財政再建の道筋を
2015年5月16日号北海道旭川市、高知県高知市、東京都品川区の共通項が何か、分かるだろうか。それは現在の市区人口(約35万人)だ。国立社会保障人口問題研究所の「将来人口推計」によると、この数字は、2015年における日本の人口減少数(約35.1万人)に等しい。つまり、今年は、これらの地域の一つが消滅するようなイメージに近い。
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金融市場 異論百出
企業や店が客を選別する英国 クレーム対応で利益が細る日本
2015年5月16日号先日、日本放送協会(NHK)の朝の番組で「過剰クレーム」を取り上げていた。店員や駅員に対して土下座を強要したり、顔や名前をインターネットに投稿するぞと脅したりする客が増えているという問題である。客からの激しい抗議で精神的なショックを受け、職場に行くのが怖くなる人もいるという。
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World Scope ワールドスコープ
【from 欧州】 溺れる者は藁をもつかむ ギリシャがドイツに 第2次大戦賠償金請求
2015年5月16日号ギリシャのマルダス財務副大臣は、第2次世界大戦中のナチス・ドイツ軍のギリシャ占領の賠償として2787億ユーロ(約36兆円)にも上る賠償金をドイツに請求した。これに対しドイツは、1960年にギリシャと賠償協定を締結し、政治的にも法律的にも賠償の支払いは完了していると主張。しかし4月11日にパラスケヴォプロス法相は、ドイツの協力が得られないならば、ギリシャ国内にあるドイツの財産を没収すると述べた。
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World Scope ワールドスコープ
【from 米国】 アマゾン支配の中 生き残る個性派書店の インディペンデント魂
2015年5月16日号独立系の書店が多いボストンに住んだ後、9年前にロサンゼルスに引っ越して最初に気付いたのは、書店の数の圧倒的な少なさだった。ルームメートになったハーバード大学卒でUCLAの哲学科博士課程の男子学生に「ウチから一番近い書店はどこ?」と聞くと「書店? もうほぼ潰れて街中に残ってないし、どこにあるかも知らない」と答えた。LA住民の中でも最も本を読みそうな文系博士課程の学生が、最後に書店に行ったのはいつかも覚えていないという。
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株式市場 透視眼鏡
過剰流動性が株式に流入開始 利回り追求バブル発生の公算
2015年5月16日号世界中の最近の強過ぎる株価上昇の背景に、大きな潮流(メガトレンド)が見え始めた。政策金利引き上げを遅らせようとしている米国、量的緩和を強化した日本、量的緩和に踏み切った欧州、成長減速を覆い隠すかのように金融緩和にかじを切り始めた中国やその他の新興国から溢れ出した過剰流動性が、キャピタルゲインではなくインカムゲイン(利回り)を求めて株式市場に流入し始めている。