記事一覧:マーケット・人物2504件
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金融市場 異論百出
金融緩和の円安効果はリセット 突っ込みどころ満載状態の日銀
2016年7月2日号円が日本の主要な貿易相手国の通貨に対して、どの程度強く(あるいは弱く)なっているかを示す指数に名目実効為替レートがある。日本銀行が推計したこの指数を見ると、異次元金融緩和策の導入前日である2013年4月3日は106.53だった。それが15年6月8日に85.63まで低下した(数字が小さくなると円安、大きくなると円高)。
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株式市場 透視眼鏡
業績が上向く10~12月期に再び外国人は日本株に注目する
2016年7月2日号日経平均株価が2015年6月に2万0868円の高値を付けたのは、もう1年前である。今となっては隔世の感があるが、昨年高値の時点までの12カ月間に外国人投資家は6.1兆円(現物と先物の合計、以下同)を買い越した。高値からの12カ月間で、外国人投資家は12.3兆円という大幅な売り越しに転じた。
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短答直入
島村琢哉(旭硝子社長兼CEO)
2016年6月25日号しばらく低迷を続けていた世界一のガラスメーカー・旭硝子。就任2年目の島村琢哉社長兼CEOに、ストレートな疑問をぶつけた。
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World Scope ワールドスコープ
【from 欧州】 悪化する一方の移民問題 新流入抑制策の頓挫はもはや時間の問題
2016年6月25日号英国が欧州連合(EU)に残留するか離脱するかを国民に問う投票が6月23日に行われるが、残留派も離脱派も焦点を移民問題に絞ってきている。移民政策が労働、財政、犯罪、文化などの問題に直結していると有権者たちは感じているからだ。しかしこれは英国だけでなく、西欧全体に広がっている現象だ。
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World Scope ワールドスコープ
【from 中国】 「権威人士」の発言は 党指導部内の対立ではなく 中国が抱える矛盾の表れ
2016年6月25日号5月上旬、党機関紙「人民日報」が1面で「権威人士談当前中国経済」と題する文章を掲載した。「権威人士」とは架空の人物で、実際の執筆統括者は習近平総書記のマクロ経済政策ブレーンである劉鶴・中央財経工作領導小組主任とされる。
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為替市場 透視眼鏡
1ドル=100円台維持の正念場 米停滞と英国民投票が円高圧力
2016年6月25日号ドル円は100円台にとどまれるか、重大な岐路に差し掛かっている。ドル安円高を招く基本背景は米国経済の鈍化である。米景気の堅調なしには、日本銀行が追加緩和しても、ドル安円高に傾きやすい。日銀のマイナス金利導入という円安促進策でも、米景気減速過程の円高を阻止できなかった。
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金融市場 異論百出
EU離脱派はトランプ支持者? 英米の類似性が欧州で話題騒然
2016年6月25日号「欧州連合(EU)離脱派は、髪形がましなトランプではないか」──。英紙「テレグラフ」はそんな論評を掲載していた。米大統領選挙で共和党の候補指名を確実にしたドナルド・トランプ氏の支持者と、英国におけるEU離脱支持者との類似性が欧州で話題になっているのだ。
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数字は語る
世代会計が浮き彫り 消費増税再延期で 将来世代への負担増
2016年6月25日号日本の政府債務(対GDP〈国内総生産〉比)は200%を超え、先進国中で最悪の水準だ。60歳以上の世代と将来世代(0~19歳を含む)の「世代間格差」の大きさを示すものとして「世代会計」がある。これは、「国民が生涯を通じて、政府に対してどれだけの負担をし、政府からどれだけの受益を得るか」を推計する手法だ。
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World Scope ワールドスコープ
【from アジア】 インドネシア中央銀行が政策金利の参照先を変更 経済安定化につながるか
2016年6月18日号4月15日、インドネシア中央銀行(BI)は、8月19日から政策金利を、BIレートから7日物リバース・レポレートに変更すると発表した。リバース・レポとは、国債等を担保に、中銀が民間銀行から資金を借り入れる資金吸収取引である。変更の目的は、金融政策の効果を高めることだ。
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World Scope ワールドスコープ
【from 米国】 「日本」の話題も頻発 異質さ増す米大統領選 いよいよ本選モードへ
2016年6月18日号ヒラリー・クリントン前国務長官が、米大統領選挙の予備選挙で、共和党指名候補に確定した実業家、ドナルド・トランプ氏のことを、「ドナルド」とファーストネームで呼び捨てにしたので驚いた。これまでは、「ドナルド・トランプ」と呼んでいた。
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数字は語る
非正規の待遇適正化は 働き方改革の第一歩 依然残る正規への高い壁
2016年6月18日号働き方改革を大きな柱とする「ニッポン一億総活躍プラン」が、2016年6月2日に閣議決定された。中でも、約4割を占める非正規雇用者の待遇改善を目指す、同一労働同一賃金の実現が注目されている。
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金融市場 異論百出
ヘリコプターマネーに漂う幻想 金融政策は“ただ飯”ではない
2016年6月18日号退任早々の元日本銀行幹部による異例の発言が物議を醸している。5月末に日銀理事を退任した門間一夫氏が、日銀による2017年度中のインフレ目標2%達成は「相当ハードルが高い」と、米通信社ブルームバーグに語ったのだ。特定の近い時期に目標達成を目指す姿勢を続けると、「さらに想像を絶するような対応を取っていくことになる」とも指摘している。
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商品市場 透視眼鏡
需給引き締まりは今がピーク 供給拡大で原油は下落基調に
2016年6月18日号原油相場は上昇基調を維持している。米国産原油の指標であるWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)は、5月下旬に1バレル当たり50ドル台に達した。2月11日に付けた26.05ドルの底値に比べると、9割以上もの上昇になる。
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World Scope ワールドスコープ
【from 米国】 IoTカンファレンスでも注目集めるカーシェアが急速に変える米クルマ社会
2016年6月11日号シリコンバレーで5月に開催された「IoTワールド」カンファレンス。Things(モノ)とインターネットをつなぎ、新しい市場を開拓するプロたちが世界中から集結する業界最大のイベントだ。その中でも注目を集めたのが、カーシェアリング・サービス大手のリフト、ウーバー、そしてジップカーの3社の戦略担当者がそろったディスカッションだった。
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World Scope ワールドスコープ
【from 欧州】 ドイツで拡大する排ガス不正疑惑 問われる企業の良識
2016年6月11日号去年9月に欧州最大の自動車メーカー、独フォルクスワーゲン(VW)が違法なソフトウエアをディーゼルエンジン車1100万台に搭載して、米国などの窒素酸化物(NOx)規制をかいくぐっていたことが発覚したが、排ガス不正疑惑は他のメーカーにも広がり始めている。
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新社長 Who's Who
竹増 貞信(ローソン)
2016年6月11日号3月中旬、東京・大崎のローソン本社の社長室。前社長の玉塚元一(現会長)に呼ばれ、「社長をやってもらいたい」と単刀直入に告げられた。玉塚は返事を待たず、「国内のコンビニエンスストアの競争は激しく、一瞬たりとも気が抜けない。ローソングループ拡大のために、2人で一緒にやっていこう」と熱弁を振るい、右手を真っすぐ差し出した。
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数字は語る
日本が監視リスト入り 米財務省の「為替報告書」の 経常黒字基準に違和感
2016年6月11日号米財務省は4月29日に「為替報告書」(主要相手国の為替政策に関する報告書)を公表した。そこでは為替政策を評価する三つの基準──(1)対米貿易黒字が200億ドル超、(2)経常黒字が国内総生産(GDP)の3%超、(3)為替介入を繰り返し、外貨買いがネットでGDPの2%超──を新たに設定し、3基準が満たされると2国間交渉を開始するとした。
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金融市場 異論百出
需要“先食い”のツケが回った 消費税率引き上げ延期の真因
2016年6月11日号消費税率の引き上げが2年半延期されることになった。2014年11月に安倍晋三首相は次のように述べていた。「さらに延期するのではないかといった声があります。再び延期することはない。ここで皆さんにはっきりとそう断言いたします。平成29年(17年)4月の引き上げについては、景気判断条項を付すことなく確実に実施いたします」。
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金利市場 透視眼鏡
米利上げと日銀緩和期待の再浮上で外債投資コスト上昇
2016年6月11日号3月29日にニューヨークで行われたFRB(米連邦準備制度理事会)のイエレン議長の講演は、かつてないほどハト派的と評され、その後、米国の利上げ期待は収縮の一途をたどった。しかし、利上げ期待の後退が促したドル安が株高を促し、原油価格を上昇させたことで、米国ではインフレ期待が復活した。
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World Scope ワールドスコープ
【from 欧州】 EU離脱の是非を問う 国民投票を間近に控え 先行き懸念広がる英国
2016年6月4日号英国では、欧州連合(EU)からの離脱の是非を問う国民投票が6月23日に予定されている。直近の世論調査の傾向では、残留支持が離脱支持を上回っているが、その差はごくわずかであり、引き続き予断を許さない状況にある。