記事一覧:後藤謙次 永田町ライヴ!402

  • 天皇退位、総裁選、衆院選憲法改正発議までの長い道のり

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    天皇退位、総裁選、衆院選 憲法改正発議までの長い道のり

    2017年6月17日号  

    東京・永田町の自民党本部5階にある会議室。過去、選挙制度改革法の制定など党を二分する激論が繰り返された場所である。6日午後4時すぎ。この会議室で今後の国の在り方を変えることになるかもしれない会合が開かれた。「自民党憲法改正推進本部」(本部長・保岡興治)。憲法改正に強い意欲を見せる首相、安倍晋三の肝いりで大改編が行われた推進本部の初会合だ。大きな特徴は保岡ら旧来の推進本部の幹部に加えて、安倍が派遣したお目付け役のような顔触れがそろったことだ。

  • 沈黙していた政官双方から異論加計学園問題が招く想定外反応

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    沈黙していた政官双方から異論 加計学園問題が招く想定外反応

    2017年6月10日号  

    終盤国会に入って首相の安倍晋三が守りに回る場面が目立つ。学校法人加計学園の獣医学部新設をめぐる安倍によるトップダウンの決定に、「異議申し立て」が続くからだ。  加計学園の理事長、加計孝太郎とは安倍自身が「腹心の友」と呼ぶ間柄。その加計が目指していた愛媛県での獣医学部新設が52年ぶりに認められた。「李下に冠を正さず」の言葉を引用するまでもなく、安倍に不信の目が向けられても仕方がない。もちろん安倍は繰り返し反論する。

  • 共謀罪に加計学園問題まで炎上予想以上に高い「6月の壁」

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    共謀罪に加計学園問題まで炎上 予想以上に高い「6月の壁」

    2017年6月3日号  

    「3・6・9が危ない」──。マージャンのことではない。日本の政治の流れを読み解くキーワードといっていい。「3・6・9」の意味は説明するまでもないだろう。3月、6月、9月を指す。つまり日本の政治はバイオリズムのようにこの三つの月に大きなヤマ場を迎える。

  • 「拡大麻生派」が自民第2派閥へ膨張作戦で浮かんだある限界

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    「拡大麻生派」が自民第2派閥へ 膨張作戦で浮かんだある限界

    2017年5月27日号  

    「こうして100歳近くとなり、いつ果てるとも分からぬ人生行路にあって、なお、私にはこの国の行く末に対する尽きぬ思いがあります」朗々とした声はその場を圧倒した。5月27日に満99歳を迎える元首相、中曽根康弘の「白寿を祝う会」でのことだ。

  • 中身も仕組みも陣容も一新か首相が起こした「改憲クーデター」

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    中身も仕組みも陣容も一新か 首相が起こした「改憲クーデター」

    2017年5月20日号  

    首相、安倍晋三の「花道戦略」といっていいだろう。安倍は5月3日の「読売新聞」の朝刊と、それに続く東京都内で開かれた憲法改正を訴える会合でのビデオメッセージを通じて憲法改正をぶち上げた。「2020年を新しい憲法が施行される年にしたい」「憲法9条1項、2項を残しつつ、自衛隊を明文で書き込む考え方は国民的議論に値する」

  • 暴言続きの復興相更迭が生んだ安倍首相と二階幹事長の溝

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    暴言続きの復興相更迭が生んだ 安倍首相と二階幹事長の溝

    2017年5月13日号  

    まさに「立すいの余地もない」という言葉通りの光景が広がった。東京・紀尾井町のホテルニューオータニ「鶴の間」。4月25日午後6時すぎから始まった自民党二階派(志帥会)のパーティーは約4500人の参加者で埋め尽くされた。

  • かじ取り難しい日米経済対話米副大統領は日米FTAに言及

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    かじ取り難しい日米経済対話 米副大統領は日米FTAに言及

    2017年4月29日号  

    「日米が安保と経済を車の両輪としてやっていくことを国際社会に見せつけた会談だった」──。4月18日夕、副総理兼財務相の麻生太郎と米副大統領マイク・ペンスとの初の「日米経済対話」に同席した政府高官の一人は会談直後にこんな感想を漏らした。

  • シリア攻撃・北朝鮮有事で日本の外交はジレンマに直面

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    シリア攻撃・北朝鮮有事で日本の外交はジレンマに直面

    2017年4月22日号  

    「心配している面と圧力を加えてほしいという両面がある」(日本政府高官)シリア攻撃から一転して北朝鮮への圧力を強める米トランプ政権に対して日本政府内に複雑な感情が交錯する。前米大統領のバラク・オバマは「戦略的忍耐」を掲げ、北朝鮮に対して静観の構えを貫いた。その結果、北朝鮮は弾道ミサイルの発射と核実験を繰り返し、能力を格段に高めてきた。日本政府内にも強い不満があった。

  • 北朝鮮の暴走機関車化と韓国の大統領選は日本に決定的な影響

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    北朝鮮の暴走機関車化と韓国の大統領選は日本に決定的な影響

    2017年4月15日号  

    ここ数カ月、同じような光景を何度、目にしたことか。4月5日午前8時前。官房長官の菅義偉が首相官邸に駆け込み、記者会見に臨んだ。「今回の弾道ミサイル発射は国連安全保障理事会決議への明白な違反だ。わが国としては、このような北朝鮮による度重なる挑発行為を断じて容認できず、北朝鮮に対し厳重に抗議した」

  • 森友問題でも支持率は高止まり背景に安倍1強のライバル不在

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    森友問題でも支持率は高止まり 背景に安倍1強のライバル不在

    2017年4月8日号  

    大阪の学校法人「森友学園」(理事長・籠池泰典)をめぐる問題では、これまでにない奇妙な現象が起きている。内閣支持率が「思ったほど落ちていない」(政府高官)ことだ。一時的には籠池の「昭恵夫人を通じて首相から100万円の寄付を受けた」との発言を受けて支持率低下があったが、籠池のワンマンショーにも見えた衆参両院での証人喚問後は、「日本経済新聞」の世論調査のように微増したところもあった。森友問題後の各社の世論調査での数字(単位は%)は次の通り。

  • 逆風3点セットで支持率低下急浮上する「ミニ内閣改造論」

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    逆風3点セットで支持率低下 急浮上する「ミニ内閣改造論」

    2017年4月1日号  

    「安倍1強」がギシギシと音を立てて揺れている。首相の安倍晋三が政権に復帰して4年余。アリの這い出る隙もないほど盤石に見えた政権に予想外の穴があったことが露呈した。報道各社が行った直近の世論調査で、内閣支持率が軒並み低落した。その要因はいわば「逆風3点セット」だ。(1)森友問題をめぐる安倍と夫人の昭恵、(2)“共謀罪”法案と法相の金田勝年、(3)南スーダンのPKO日報問題と防衛相の稲田朋美──。

  • 都議選で「小池・公明連合」きなくさくなる自公連立の関係

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    都議選で「小池・公明連合」 きなくさくなる自公連立の関係

    2017年3月25日号  

    自民党と公明党の関係が何やらきなくさくなってきた。3月13日、7月の東京都議会議員選挙をめぐって東京都知事、小池百合子が事実上率いる「都民ファーストの会」と、都議会公明党が候補者を相互に推薦することで合意したからだ。「小・公連合」の成立といっていい。

  • 自民党大会のあいさつにヒント衆院解散は来年秋になる公算大

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    自民党大会のあいさつにヒント 衆院解散は来年秋になる公算大

    2017年3月18日号  

     「またぞろ」と言っていいだろう。「衆院解散」の4文字が新聞紙上に散見されるようになった。「4月解散」から「年内解散」、そして「任期満了(来年12月)解散」まで、それぞれに根拠を持つ解散時期が取り沙汰される。もちろん、それを決断するのは「伝家の宝刀」である解散権を握る首相、安倍晋三しかいない。

  • 安倍1強時代を揺るがすリスク森友学園問題で一躍「渦中の人」

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    安倍1強時代を揺るがすリスク 森友学園問題で一躍「渦中の人」

    2017年3月11日号  

    3月5日の自民党大会は名実共に「安倍1強時代」を確定する一大セレモニーといっていい。これまで「2期6年まで」とされた自民党総裁の任期が党則変更により「3期9年」に。安倍晋三にその意思があれば、2021年9月まで総裁の座にとどまることができるからだ。

  • 日本が見逃せないトランプ発言背後に米エネルギー政策の転換

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    日本が見逃せないトランプ発言 背後に米エネルギー政策の転換

    2017年3月4日号  

    「メディアは私に感謝しないが、少なくとも日本は(私に)感謝している」米大統領のドナルド・トランプは2月18日、米南部フロリダ州で行った演説で日本に言及した。トランプが持ち出したのは首相の安倍晋三と行った日米首脳会談でのエピソードだった。

  • 日本政府内に異なる二つの見方北朝鮮、金正男氏殺害の深層

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    日本政府内に異なる二つの見方 北朝鮮、金正男氏殺害の深層

    2017年2月25日号  

    まるで映画の「007」シリーズのような事件が起きた。13日午前9時ごろ、マレーシアのクアラルンプール国際空港で北朝鮮の朝鮮労働党委員長金正恩の異母兄、金正男(45)が殺害された。韓国メディアの報道などを総合すると、女2人が毒物を使って実行に及んだというのだから言葉を失う。北朝鮮はその前日の12日には、今年になって初めて新型の中距離弾道ミサイル「北極星2」を発射している。この発射は首相の安倍晋三と米大統領のドナルド・トランプとの“蜜月会談”の最中だった。

  • 東京の中心で吹きすさぶ小池劇場「安倍1強」の権力構造に影響

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    東京の中心で吹きすさぶ小池劇場 「安倍1強」の権力構造に影響

    2017年2月18日号  

    並ぶ官庁 広場 濠(ほり) 帝(みかど)の宮居(みやい)とりめぐり わが千代田区に誉あり 大東京の中心地 江戸の名残も風情にて ここを都の都ぞと 澄めり千代田の城の月 これは昭和32(1957)年に発表された東京都千代田区の「区歌」の1番。作詞は佐藤春夫、作曲は山田耕筰だ。この区歌に盛り込まれた通り、皇居を取り囲むように国会、首相官邸、最高裁判所、そして霞が関の官庁街。まさに日本の首都東京の、そのまた中心である千代田区長選挙で東京都知事、小池百合子による“小池旋風”が吹き荒れた。

  • 圧倒的存在感を示す「内政の菅」対トランプ外交にも積極関与

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    圧倒的存在感を示す「内政の菅」 対トランプ外交にも積極関与

    2017年2月11日号  

    「横紙破り」「横車」「横暴」──。米国大統領にドナルド・トランプが就任してわずか2週間というのに、その言動は米国内だけでなく国際社会を巻き込む巨大な“台風”となっている。そのためだろう。トランプが発する言動の数々に「横」の字が付く言葉が浮かぶ。しかも“トランプ台風”はしばしば日本を直撃する。トランプは大統領選の段階からしばしば「JAPAN」に言及していたが、就任後の方がより具体的で過激な発言で対日批判をエスカレートさせている。

  • 対日で厳しい要求は避けられずトランプ登場は「平成の黒船」か

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    対日で厳しい要求は避けられず トランプ登場は「平成の黒船」か

    2017年2月4日号  

    「国民1人当たり100ドルの外国製品を買ってください」──。1985(昭和60)年4月9日。首相の中曽根康弘(当時)がパネルを横にして、指し棒を使いながら国民に呼び掛けた。今でこそ見慣れた光景になっているが、首相が記者会見でパネルを使って説明したのはこれが初めてだったように思う。

  • 「メイ・トランプショック」で大きく揺れる通商外交の2本柱

    後藤謙次 永田町ライヴ!
    「メイ・トランプショック」で大きく揺れる通商外交の2本柱

    2017年1月28日号  

    「部分的に欧州連合(EU)のメンバーになるような中途半端なことはしない」──。英首相のテリーザ・メイはかつて強い英国を蘇らせたマーガレット・サッチャーを彷彿とさせた。英国が国民投票の結果、僅差でEU離脱を決めたのは昨年6月。

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記者の目

  • 副編集長 千本木啓文

    農協から届いた「抗議文」を読んで、しばし感傷に浸る

     JA全中から毎年、抗議文をもらうのですが、今年は雑誌の発売前に届きました。特集の一部を「組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿」としてダイヤモンド・オンラインで先に配信したからです。
     抗議文は、「19万人の農協役職員の0.2%の意見で記事が構成されており、(中略)偏った先入観を植え付ける意図があった」として、続編の配信中止を求める内容でした。
     組合長ら幹部200人超を含む役職員434人の声には傾聴する価値があるはずです。抗議文を読み、自分は若いと思い込んでいる人が鏡に映った老いた姿を見て、こんなはずはないと怒っているような印象を持ちました。自戒を込めて、鏡のせいにしてはいけないと思いました。

  • 編集長 浅島亮子

    ロングセラー第9弾でも攻め続ける農業特集

     今年も人気企画「儲かる農業」特集の第9弾が刷り上がりました。身内ながら感心するのが、毎年新しいコンテンツを加えて特集構成を刷新していることです。今回の新ネタは農協役職員アンケート。ロングセラー企画の定番を変えるには勇気が必要ですが、果敢に新機軸を打ち出しているのです。
     昨年、千本木デスク率いる農協問題取材チームは、共済の自爆営業などJAグループの不正を暴いたことが評価され、報道実務家フォーラム「調査報道大賞」優秀賞を受賞しました。訴訟に屈することなく、問題の本質を突く取材活動を貫いた結果と受け止めています。今回の特集でも粘り強い取材は健在。取材チームの熱量を存分に感じていただければ幸いです。

最新号の案内2024年5月11日号

表紙

特集儲かる農業2024

いよいよ儲かる農業が実現するフェーズに入った。「台頭する豪農」と「欧米のテクノロジー」と「陰の仕掛け人」が”令和の農業維新”というムーブメントを起こしている。他方、農業を牛耳ってきた旧来勢力である農協と農水省は、存在意義を問われる”緊急事態…

特集2家計・住宅ローン・株が激変! 金利ある世界

日本銀行が17年ぶりの利上げで金融政策の正常化に踏み出した。”金利ゼロ”に慣れ切った家計や企業経営、財政はどうなるのか。日本は「成長期待が持てない経済」から抜け出せるのか。それとも低金利は続き、物や資本が余った経済への道を歩むのか。「金利あ…