記事一覧:金融市場 異論百出417

  • 高橋蔵相のリフレ政策を再検証賃金は物価上昇に追い付くか?

    金融市場 異論百出
    高橋蔵相のリフレ政策を再検証 賃金は物価上昇に追い付くか?

    2013年2月9日号  

    春闘を前に、連合はデフレ脱却のためにも賃上げは必要と主張している。一方、経団連は雇用優先を理由に賃上げに否定的だ。円安で株高が起きているが、企業業績の実際の回復はこれからである。また多くの輸出企業はこれまで円高で苦しんできた。「これからインフレが始まるかもしれないので、先行して賃金を引き上げましょう」と言ってくれる“耆徳(きとく)”な経営者は現実にはいないだろう。

  • 中央銀行総裁の資質を示唆するカナダ中銀の「総裁求人広告」

    金融市場 異論百出
    中央銀行総裁の資質を示唆する カナダ中銀の「総裁求人広告」

    2013年2月2日号  

    英「エコノミスト」誌(1月12日号)に興味深い広告が載っていた。カナダ銀行(中央銀行)の「総裁求人広告」である。同行はカーニー総裁をイングランド銀行に引き抜かれてしまったため、後任の公募が始まっている。その広告を英国の雑誌に載せているところがまた面白い。しかし、文面を読むと、こんなに厳しい条件に合う人はなかなか見つからないのではないかという気がしてくる。

  • 日系ブランドの涙ぐましい努力新体制下の中国経済・最新事情

    金融市場 異論百出
    日系ブランドの涙ぐましい努力 新体制下の中国経済・最新事情

    2013年1月26日号  

    1月上旬に中国に出張した。昨年の9月、10月、11月にも行ったが、尖閣諸島問題に関する市民の反日感情は、表面的には弱くなってきている。例えば、上海ではタクシーの中で携帯電話で日本語を話したからといって、運転手に「降りろ」と言われる確率はゼロに近くなっている(地域によってはまだ続いているようだが)。

  • 米債務上限引き上げ問題で浮上する「1兆ドル硬貨」構想

    金融市場 異論百出
    米債務上限引き上げ問題で 浮上する「1兆ドル硬貨」構想

    2013年1月19日号  

    額面1兆ドルのプラチナ・コインを発行すべきか否か? という議論が米国で起き、話題を呼んでいる。提唱者の1人、民主党のナドラー米下院議員は1月2日に本気度を尋ねられ、「私はすごくシリアスだ」と答えた。 議論の背景には、米国の債務上限引き上げ問題がある。「財政の崖」問題は、ひとまず最悪の事態を避けることができた。しかし、政府は国債発行が行えなくなる債務上限問題にまもなく直面する。米ライトソンICAP社は、債務上限に達する可能性が最も高い時期を3月1週目と予測している。

  • 安倍政権の物価目標+2%は何を値上げすれば実現するか?

    金融市場 異論百出
    安倍政権の物価目標+2%は 何を値上げすれば実現するか?

    2013年1月12日号  

    安倍政権の要求に応じて、日銀は2%のインフレ目標を中心とする政策協定を政府と締結する可能性が高まってきている。では、実際のところ、日本経済を2%程度のインフレの世界にするためには、どの品目をどの程度値上げすればいいのだろうか?

  • 驚きの英中銀次期トップ人事英国の「海外人材登用」に学ぶ

    金融市場 異論百出
    驚きの英中銀次期トップ人事 英国の「海外人材登用」に学ぶ

    2013年1月5日号  

    英政府は従来の寛容だった移民政策に見直しを加えている。特に非EUの外国人に対しては就労ビザの発行が厳しくなっている。企業が非EUの外国人を採用する際は、EU内の人に公募をかけ、そこで応募してきた人より採用予定の非EUの人のほうが必要である理由を説明しなければならない。

  • 欧州内で変わるドイツへの感情ユーロにとっての長所と短所

    金融市場 異論百出
    欧州内で変わるドイツへの感情 ユーロにとっての長所と短所

    2012年12月22日号  

    出張中のパリで聞いた話だが、最近、フランスのテレビで「ジャーマン・クオリティ」「メード・イン・ジャーマニー」をアピールするドイツ企業のコマーシャルが増えているという。一昔前なら反感を買ったに違いない広告が、今は好印象となっている。

  • 総選挙の争点で注目集める「日銀の独立性」を復習する

    金融市場 異論百出
    総選挙の争点で注目集める 「日銀の独立性」を復習する

    2012年12月15日号  

    「なぜ中央銀行には独立性が必要なのか?」という質問を最近マスコミ関係者からよく受ける。衆議院選挙の争点に日本銀行の独立性が挙げられているからだ。中央銀行の独立性の当初の意義としては、政府の資金調達からの分離が挙げられる。日銀の設立経緯もそれだ。西南戦争(1877年)の戦費を賄う財源が当時の明治政府にはなかった。政府は紙幣を大量に発行してその支出に充てたが、それが激しいインフレを招いた。お金を生み出せる「打ち出の小槌」が手元にあると、為政者はそれに誘惑されてしまう。

  • 中国は中成長でも地位揺るがず自民党の急務は日中関係の改善

    金融市場 異論百出
    中国は中成長でも地位揺るがず 自民党の急務は日中関係の改善

    2012年12月8日号  

    習近平新体制になれば大型景気対策が打たれるのでは、という期待が剥がれ、上海株式市場は弱気相場に陥っている。新政権は経済政策の方針をまだ明確に示していない。第18回共産党大会で党指導層の体制は明らかになったが、商務部、財政部、中国人民銀行など経済政策を担う行政サイドの幹部は来年3月の全国人民代表大会で確定する。当面は2013年の経済運営が決定される経済工作会議が注目である。

  • 安倍発言に呆れる海外メディア日銀の独立性は既に最低レベル

    金融市場 異論百出
    安倍発言に呆れる海外メディア 日銀の独立性は既に最低レベル

    2012年12月1日号  

     12月の衆議院選挙の最大の争点が日銀の金融政策および独立性となっていることを海外メディアは呆れたトーンで報じている。 例えば、英「フィナンシャルタイムズ」社説(11月19日)は、日銀の消極的な緩和姿勢を批判しつつも、「政治家に金融政策の最終決定権を与えることは賢明ではないし、日本経済の問題解決にならない。日本経済の成長を阻害している要因は、金融政策では克服できない。5年間で6人も首相が登場する国では、中央銀行の独立性は重要な防護壁だ」と述べた。

  • 日本の低成長を喜ぶ中国地元紙尖閣諸島問題の余波は今

    金融市場 異論百出
    日本の低成長を喜ぶ中国地元紙 尖閣諸島問題の余波は今

    2012年11月24日号  

    第18回共産党大会が北京で開かれている頃に、上海に出張した。北京では厳戒態勢が敷かれていたが、上海は自然体だった。滞在中、OECDが「購買力平価ベースで見た中国経済の規模は、今年中にユーロ圏を抜き、数年内に米国を追い抜くだろう」という予測を発表した。多くの地元紙がそれを嬉しそうに報じていた。

  • 過熱する香港の不動産バブルQE3で歪むエマージング経済

    金融市場 異論百出
    過熱する香港の不動産バブル QE3で歪むエマージング経済

    2012年11月17日号  

    香港の住宅価格は2007年以降64%も上昇した。世界の主要国・地域で最も高騰している。2位はオーストラリアの+23%、3位はシンガポールの+21%。中国本土は+18%、ドイツは+7%、日本は▲13%、米国は▲28%だ(英「エコノミスト」8月18日号)。中国本土からの投資資金に加え、FRBの“QE”の影響などによる海外のホットマネー流入が香港の資産市場を過熱させている。

  • 政府・日銀の共同声明は重い深刻化する日本の「ローカル化」

    金融市場 異論百出
    政府・日銀の共同声明は重い 深刻化する日本の「ローカル化」

    2012年11月10日号  

    特例公債法案が成立しないと日本版「財政の崖」が発生するのではないかと海外の金融市場関係者も関心を寄せている。10月下旬にシンガポールに出張したが、現地の市場関係者の目には、機能不全を起こして何も決められない日本の政府・議会はかなりお粗末と映っているようだった。投資対象としての日本の魅力のなさを再確認している空気が感じられた。

  • 関係改善のリミットは来年春尖閣後の中国対日感情の現状

    金融市場 異論百出
    関係改善のリミットは来年春 尖閣後の中国対日感情の現状

    2012年11月3日号  

    中国は13億人を超える人々が住む社会なので、連日のように大きな事件が起きる。10月7日までの8連休に高速道路の事故で死亡した人はなんと794人に及んだ。1日平均約100人だ。昨年7月に高速鉄道で40人が亡くなったが、中国ではそれに匹敵する大きな事件が頻繁に発生しており、マスメディアを賑わせている。

  • FRBのMBS購入の裏にある米労働市場の深刻なミスマッチ

    金融市場 異論百出
    FRBのMBS購入の裏にある 米労働市場の深刻なミスマッチ

    2012年10月27日号  

    米国で雇用の「2極分化」が顕著になっている。ニューヨーク連銀のエコノミストが今月発表した論文は、米国における業種を、ハイスキル(法律家、コンピュータ開発者、金融業など)、アッパー・ミドルスキル(教師、建設業、保安業など)、ローワー・ミドルスキル(業務補助員、工場従業員、販売、運輸など)、ローワースキル(ビル管理、食品調理など)に分類して、1980年から2010年までの変化を分析している。

  • 高インフレに悩むブラジルの中央銀行が賃上げストの怪

    金融市場 異論百出
    高インフレに悩むブラジルの 中央銀行が賃上げストの怪

    2012年10月20日号  

    民間の年間平均給与の推移を見てみよう(国税庁調べ)。バブル経済前夜の1986年は362.6万円だったが、バブルピーク期の90年には425.2万円に上昇した。その後、経済は下降線をたどるが、平均給与は97年に過去最高の467.3万円を記録。そこから下落トレンドに入り、昨年は409万円だった。

  • ユニクロがファッション1位中国ブランドイメージの傾向

    金融市場 異論百出
    ユニクロがファッション1位 中国ブランドイメージの傾向

    2012年10月13日号  

    中国の経済誌「第一財経周刊」10月8日号は、今年のブランドイメージランキングを掲載した。中国で企業に勤める男女3143人に行った調査結果だ。内容から判断すると、調査時期は、日本政府が尖閣諸島を国有化する前だったのではないかと思われる。

  • 安倍晋三総裁の選出に読む今後の日銀と金融政策動向

    金融市場 異論百出
    安倍晋三総裁の選出に読む 今後の日銀と金融政策動向

    2012年10月6日号  

    安倍晋三氏が自民党総裁に選ばれた。次の臨時国会中にもし解散となれば自民党政権が復活し、同氏が総理大臣となる可能性は高い。安倍氏は9月15日の日本テレビの番組で「世界では金融政策が重要な政策の柱になっている。

  • FOMCの失業率判断に変化QE3は“ただ飯”ではない

    金融市場 異論百出
    FOMCの失業率判断に変化 QE3は“ただ飯”ではない

    2012年9月29日号  

    「重大な懸念」。バーナンキFRB議長は、8月末の講演で米国の労働市場の改善が遅いことに対する心配を、最大限の言葉で表した。9月13日のFOMCでFRBは、MBSをオープンエンド方式で毎月400億ドル購入する大規模資産購入策を決定した。

  • 「尖閣国有化」で事態が急変9月が日本に大打撃の理由

    金融市場 異論百出
    「尖閣国有化」で事態が急変 9月が日本に大打撃の理由

    2012年9月22日号  

    日本政府が9月11日に尖閣諸島国有化を決定する数日前まで上海にいた。上海の街中では反日的ムードは全く感じられなかった。中国の代表的な経済雑誌「財経」(9月3日号)も社説で冷静な議論を示していた。

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記者の目

  • 編集部 重石岳史

    東証改革に見る「ルーズとタイト」の文化の違い

     東京証券取引所の幹部との雑談で「ルーズカルチャー」と「タイトカルチャー」が話題になりました。いわく日本はタイトカルチャーの国で、規律を重んじる。だから強制力を伴わずとも、東証が資本コストや株価を意識した経営を「要請」すれば上場企業がおのずと動いてくれる。確かに東証の市場改革は、大枠では狙い通りに進んでいるようです。
     一方、米国などはルーズカルチャーの国で、個人の自由を重んじるため強制力がなければ物事が動かない。タイトな文化の方が、日本人に向いている気はしますが、横並び主義や同調圧力が弊害を生むケースもあります。ルーズでありながらタイトさも併せ持つ。自分自身はそうありたいと思います。

  • 編集長 浅島亮子

    『週刊ダイヤモンド2025年2月22日号』発売中止のお詫び

     前号のフジテレビ特集におきまして、アンケート結果を記載した一覧表で誤記が判明いたしました。そのため市販を中止しましたが、定期購読分については発送停止の措置が間に合わなかったため、定期購読者の皆様には修正した記事をお送りいたします。読者の皆様ならびに関係者の皆様には、多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
     創刊111年の歴史に泥を塗る事態を招いてしまったことを、責任者として猛省しております。今後このようなことがないよう、チェック体制の強化など再発防止を徹底する所存です。今後とも弊誌を末長くご愛顧いただけましたら幸いに存じます。
    『ダイヤモンド編集部』編集長 浅島亮子

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表紙

特集上場廃止ラッシュ

東京証券取引所の経過措置期間が2025年3月に終了し、新たな上場維持基準が適用される。さらに政策保有株式や親子上場の解消も進み、安定株主を失った企業は同意なき買収を容赦なく突き付けられる。あらゆる上場企業が安穏としていられない、淘汰の時代が…

特集2狙え! 不動産リッチ企業

不動産含み益をたっぷり抱える"不動産リッチ企業"への注目度が高まっている。アクティビストらの売却圧力も強まる一方だ。そこで、不動産の含み益が大きい企業の投資妙味を徹底分析。含み益を反映した修正PBRや時価総額に対する含み益の比率から、割安な…