記事一覧:コラム2379件
-
Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
個々人が持つ才能を引き出す リーダーシップに関する好著
2015年8月8日号リーダーシップは、難しい。このテーマを扱った書籍やセミナーが氾濫していながら、一向に減る傾向が見られないということは、評者の教えているビジネススクールをはじめとして処方の効果が上がっていない──。すなわち、リーダーシップに関する書籍やセミナーや学校は、限りなく無意味だという証拠に他ならないのではないか。すでに、『ハーバード大学特別講義 リーダーシップが滅ぶ時代』(ソフトバンククリエイティブ)という書籍まで出ている。
-
Book Reviews 知を磨く読書
これからの日韓関係を考える
2015年8月8日号金惠京氏(日本大学准教授)の『風に舞う一葉』は、今後の日韓関係を考える際の必読書だ。金氏は、〈日韓両国にはぜひ、「共通の歴史教科書作り」に取り組んでもらいたいのです。ドイツとフランスでは、二一世紀に入ってナチスのホロコーストや対独従属政府であったヴィシー政権の在り方を反省する共通の教科書作りに取り組みました。現在、独仏両国で刊行されている教科書は両国の政治指導者、青少年、歴史家がそれぞれの専門性を生かして関わり、ドイツの全州で認可を受けています。(中略)〉と述べる。
-
From Readers From Editors
From Readers From Editors
2015年8月1日号レジャー&エンターテインメント産業の担当になってから約1年。「何でもまずは自分で試さなきゃ」と複数の予約サイトに登録、LCC(格安航空会社)も利用し、国内外のホテルや旅館に出向くようになりました。
-
This is.
CALLAWAY 構えたときの“見た目の美しさ”も、大事
2015年8月1日号ゴルフほど道具の「形」がパフォーマンスに影響を及ぼす競技も珍しい。その意味で、ゴルフでは「形から入る」ことが大事だ。そんな発想から生まれたのが、キャロウェイの特別限定モデル「CALLAWAY COLLECTION」である。「ゴルファーが本当に求めるクラブとは?」と自らに問いかけるところから開発を始め、シリーズを通してクラブ自体のたたずまいや構えたときの見た目やフィーリングを追求したという。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【音楽・演劇・演芸】 増しつつある歌のリアリティ 戦争の歌が必要とされぬ世界
2015年8月1日号「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」などの俳句で知られる正岡子規。そんな子規の俳句にメロディを付けたなら? そんなユニークな試みをしたのが「千の風になって」のヒットで知られる芥川賞作家の新井満。この制作に当たり、新井は子規の故郷・松山を歌った俳句から松山市民に世代別に好きな句のアンケートを実施。その結果、4000人分のアンケート用紙が集まり、そこから人気の俳句、朗読を含む全8楽章から成る組曲が完成。
-
Book Reviews 目利きのお気に入り
瞑想の技法、人工知能最前線 高まる心や脳への関心度
2015年8月1日号シリコンバレーでは「瞑想」が、ビジネスマン必須のエクササイズ。と言ったら、「ヒッピーの戯言か」と思われるかもしれません。しかし、グーグルやインテルなどは研修に取り入れ、「心の知能」を伸ばす科学的メソッドと認められています。アップルのスティーブ・ジョブズが瞑想を好んだのはよく知られています。最近ではハフィントン・ポストのアリアナ・ハフィントンも有名。禅の瞑想の技法を、末期がん患者の痛みをコントロールするためのプログラムに応用し、ここから瞑想によるメソッドが確立されました。
-
Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
米国の保守派論客が喝破する “世界の警察官”が必要な理由
2015年8月1日号日本と中国が戦争になれば、米国の軍隊は日本を守るために戦ってくれるのか──。米「ウォールストリート・ジャーナル」紙の外交問題コラムニストであるブレット・スティーブンズ氏の認識に従えば、「米国は戦ってくれない」となる。なぜなら、現在の米国は、イラク戦争(2003年~11年)での苦い経験と、近年の国力の低下により、「米国を侵略する敵以外とは戦わない」という“孤立主義”に陥っているからである。
-
Book Reviews 知を磨く読書
戦後70年に考える領土問題
2015年8月1日号戦後70年を記念して多くの書籍が発行されているが、そのほとんどが過去の総括である。これに対して、東郷和彦著『危機の外交』は、過去の総括と同程度に未来への展望にページを割いている。特に北方領土問題に関する提言が興味深い。
-
From Readers From Editors
From Readers From Editors
2015年7月25日号「会議は踊る、されど進まず」。200年前、ナポレオン戦争後に欧州の秩序回復を図ったウィーン会議が、こう評されたことは広く知られています。今の世でも当地にその“気質”が脈々と流れていることを、今回のギリシャ救済劇で実感しました。
-
Book Reviews 著者のホンネ
異色の経営者と無頼派作家 友情が生んだ挑戦する姿勢
2015年7月25日号開高も作家の地位を確立した後、あえて自らに「断絶」を課すためにベトナム戦争の最前線を取材し、小説『夏の闇』といった傑作を生み出しました。周囲から愛された敬三も経営者として孤独を抱えており、開高はいわば「心の安定剤」でした。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【健康・医療】 侮ってはいけない睡眠不足 簡単にできる「睡眠改善法」
2015年7月25日号世界的に日本人は不眠症に悩んでいる人が極めて多い。5人に1人が不眠に悩んでおり、それは高齢になるほど増える。睡眠時間が6時間未満の日本人は19.8%、フランス人は10.2%だからいかに眠れない日本人が多いかが分かる。
-
Book Reviews 目利きのお気に入り
大荒れだからこそ伸びる投資術 データに基づく教育トリビア
2015年7月25日号ギリシャ問題や中国株式の下落で市場は揺れていますが、「こんなときだからこそ」なのか、着実に売れ行きを伸ばしているのが『ほったらかし投資術』。2010年に最初の版が刊行され、これも途切れなく売れ続けてきましたが、投資信託がテーマなので全面改訂。前著と同じく、投資家の水瀬さんが信託報酬や売買手数料などを考慮したETFをはじめとする個別投信の運用策を紹介し、それを山崎さんが理論的に解説する構成。今回、特に興味深いのが投信の「売り方」についての説明を加えたこと。類書にはない特徴で、長期投資を基本としながらも、定額ではなく定率での売却手法など、資産の息を長くするための手法を紹介しています。
-
Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
問題解決のための精神である “国際協調”の本質を問い直す
2015年7月25日号著者は、中東欧や南欧の小国の政治史を手掛けてきた誉れ高き歴史家。民族が入り乱れるだけでなく、大国間の対立に巻き込まれ、国境を超える資本主義にも晒される歴史から見る世界は独特だ。すなわちこの大著で明かされるのは、19世紀から現代に至るまで試みられてきた国際協調の精神と実践の歴史だ。
-
Book Reviews 知を磨く読書
メディアの編集権と書き手
2015年7月25日号ジャーナリストの池上彰氏が日本の新聞の現状について、批判的分析を行ったのが『池上彰に聞く どうなってるの? ニッポンの新聞』だ。去年8月に巻き込まれた「朝日新聞」によるコラム不掲載事件の基本認識について池上氏はこう記す。〈掲載前日の木曜日(8月28日)の夜に、『新聞ななめ読み』の編集担当者から、「すみません、このままの内容では載せられません」と言われたのです。/それに対する私の答えは、「ああ、そうですか」。/(中略)なぜなら、新聞社には「編集権」というものがあるからです。編集権とは字の如く、出版物の編集方針を決定して一切の管理を行う権限のこと。『新聞ななめ読み』の編集権は、発行元の朝日新聞社側にあります。だから最終的に掲載する・しないは新聞社が決めることで、私はとやかく言える立場にありません。それはマスコミ業界の大原則です〉。
-
From Readers From Editors
From Readers From Editors
2015年7月18日号また暗証番号が増えるのか。マイナンバーの取材をしていて、そんな思いがよぎりました。来年1月から交付される個人番号カードに、なんと四つもの暗証番号の登録が必要になるからです。
-
Book Reviews オフタイムの楽しみ
【旅行・乗り物】 夏の国内旅行でリフレッシュ ユニークな視点で旅を楽しむ
2015年7月18日号夏休みが近づいてきたので、どこかへ旅に出掛けようと考えている人にヒントになりそうな本を紹介してみよう。ただし、今回は国内旅行限定だ。まずは、北陸新幹線開業で何かと話題の北陸だ。数多くのガイド本が出版されているが、私のお薦めは『五木寛之の金沢さんぽ』。高名な作家はひところ金沢に住んでいて、今も折に触れ、公私にわたって訪問している。
-
Book Reviews 目利きのお気に入り
合点がいった中国人の爆買い 理解できた悲惨体験と拒否感
2015年7月18日号前任地の有楽町店には、銀座が近いこともあり多くの中国人観光客が訪れていました。さすがに本を買う人は少ないのですが、カラフルなサインペンを数十本とまさに“爆買い”。身近にも、世にいうトレンドが確実にあるのだ、と感じていたところに出たのが『「爆買い」中国人に売る方法』。
-
Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
職人的ジャーナリストによる 人間くさい“36年間の懺悔録”
2015年7月18日号「週刊ダイヤモンド」と「ダイヤモンド・オンライン」は、どこが違うのか。一番の違いは、字数制限だろう。インターネットは活字に比べると緩い。だから、ネットで書き慣れると、つい文章が冗漫になる。逆に活字メディアは、ページ内に収まるように字数を惜しむ。特に新聞は極力、ぜい肉をそぎ落とす。語尾を体言止めにして字数を稼ぐのは序の口で、時には読者の想像力を信頼して最も書きたい一行をあえて落とすこともある。
-
Book Reviews 知を磨く読書
近未来ヨーロッパの不安の種
2015年7月18日号日本では、ドイツに対して何となく好感情を持つ人が多い。しかし、現実に存在するドイツがエマニュエル・トッド著『「ドイツ帝国」が世界を破滅させる』を読むとよく分かる。フランスの人口学者トッド氏は、メルケル首相によって指導されるドイツが、第1次世界大戦前のヴィルヘルム二世のドイツ帝国に近いと考える。
-
This is.
Old Parr Silver 偶然の産物、極寒での冷却でさらにまろやか
2015年7月18日号1873(明治6)年、欧米視察から帰国した岩倉具視が紹介し、その後も伊藤博文や佐藤栄作など、時代の名士たちによって飲み継がれてきたスコッチウイスキー。それが、オールドパーだ。日本にスコッチを楽しむ文化が根付いたのは、この銘酒があったからこそだろう。そのオールドパーに、新たなラインアップが誕生した。7月に発売した「オールドパー シルバー」だ。