記事一覧:コラム2379件
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
“緊縮策”という危険な思想を 縦横無尽に読み解く考察の書
2015年11月21日号知られているように、ケインズは、経済学者の発想は想像以上に影響力を持ち、実務家は過去の経済学者の奴隷にすぎないとの名言を残した。『緊縮策という病』は、危機時において緊縮策こそ経済成長を可能にするという、「人類史上最大のおとり商法」を知的に読解する。
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Book Reviews 知を磨く読書
冷徹な分析と憂国の情
2015年11月21日号『黒潮文明論』は、旧郵政省の元幹部で、奄美諸島・徳之島出身の稲村公望氏によるユニークな作品だ。有能な実務家としての冷徹な分析と憂国の情がこの作品の中で見事に総合されている。中央政府のエリート官僚でありながら、国家権力に対して批判的視座を稲村氏が持ち続けたのは、同氏のルーツが奄美にあることと関係している。
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This is.
サンタフェ ナチュラルタバコ ジャパン 有機農家の「今」を伝えるイベント
2015年11月21日号有機農業に取り組む人々は、農家の中では少数派だろう。しかし、自然環境との共存を目指す、「大地にやさしい農業」を追求する挑戦者たちは確実に存在する。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2015年11月14日号メールの返信は3日後。電話の折り返し依頼は基本無視。一事が万事そんな対応だったフジテレビの企業広報部が、“光の速さ”で反応したのが、亀山千広社長の自宅を訪ねたときでした。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【科学読み物】 脳を模した人工知能の革命 昨日の道具が明日の支配者か
2015年11月14日号現代社会の水面下で重大な技術革命が想像を絶する速度で進んでいる。コンピュータに思考力を持たせる人工知能(AI)の研究開発だ。加速度的な増加よりも格段に急激な上昇曲線を描く、指数関数的な発達ぶりを見せている。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
近代人のアンチテーゼか 「幼さ」の構図と可能性を探る
2015年11月14日号現代社会の「幼さ」の背景とその系譜をもう少し探れる新刊から、まず『ヤング・アダルトU.S.A』。1980年代以降の米国の映画、音楽、青春ドラマをなぞり、米国の精神性の解明に挑みます。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
「公共事業悪玉論」の中で 成長戦略のネタを考える
2015年11月14日号どうして公共事業は評判が悪いのか。新国立競技場くらい、将来は東京の観光名所として残るのだから、数千億円掛かってもいいじゃないか、と個人的には考えるのだが、今の世の中では少数意見のようだ。
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Book Reviews 知を磨く読書
外務官僚の反知性主義
2015年11月14日号保護者のいない児童、虐待されている児童などは、18歳を過ぎると原則的に独り立ちをしなくてはならない。この問題の第一人者であるマイク・スタイン氏による『社会的養護から旅立つ若者への自立支援』を児童福祉分野の第一人者である池上和子氏が訳している。訳文も読みやすい。
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This is.
HICKEY FREEMAN ニューヨークの香り漂う一着
2015年11月14日号1899年に誕生した当時、そのブランドはニューヨーカーたちから大きな拍手をもって迎えられたという。ジェイコブ・フリーマンとジェレミア・ヒッキーの2人が、「KEEP THE QUALITY UP」をビジョンに掲げてニューヨーク州ロチェスターに創業した「ヒッキー・フリーマン」。彼らが世に送り出したコレクションには、ロンドンの紳士服にはない、米国ならではの自由な着心地とスタイルがあった。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2015年11月7日号ランキング主体の特集の中で、読者からの反響が最も大きいのが大学をテーマにしたものです。偏差値ベースのランク付けが頭の中に出来上がっているためか、順位に納得がいかないというお叱りをよく受けます。
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Book Reviews 著者のホンネ
IoTのルール作りに出遅れた 日本企業にもまだ勝算はある
2015年11月7日号インダストリー4.0は、一口で言えばIoT(Internet of Things。モノのインターネット)をモノづくりの製造プロセスに応用することで、業界横断的に製造業の効率化と生産性向上を狙う活動のことです。あるいは米ゼネラル・エレクトリック(GE)を中心に米国が掲げる「インダストリアル・インターネット」も、IoTを活用して効率化を図るという点は共通しています。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【子育て・教育】 エビデンス重視の教育論 安直なデータ主義には戒め
2015年11月7日号教育におけるエビデンスの重要性を説いた『「学力」の経済学』。価値ある情報満載なのだが、惜しいのはテレビの評論家たちを切って捨てたい気持ちからか、例えば「『テレビゲームは有害だ』というのは、その昔『ロックンロールを聴くと不良になる』と言われたのと同様の、時代遅れのドグマだ」と書いたりしている点。短時間のゲームに実害がないことも、長時間のそれが完全な悪影響であることも、知らない先生などいない。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
起業のヒントと新たな活路 ストックビジネスのノウハウ
2015年11月7日号起業したものの、来月の売り上げも読めず、ひたすら馬車馬のごとく働く“自家ブラック化”に陥る。これは私にもいえることで、そこに活路を開いてくれたのが『ストックビジネスの教科書』。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
あらゆる領域で進行している “権力の衰退”を描く考察の書
2015年11月7日号中国への覇権シフト。新興国への成長の重心のシフト。これまでもパワーシフトが世界的潮流だという主張は多数見られたが、『権力の終焉』の視点は全く異なる。権力の所在がシフトし、拡散しているのではなく、権力そのものが脆弱になっているという。権力の維持も行使も難しくなっていると論じる。
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Book Reviews 知を磨く読書
進むEUの政治的統合
2015年11月7日号ユーロ危機、ギリシャ危機、シリアからの大量難民流入などの要因が、EU(欧州連合)にどのような影響を与えるかを読み解くことが国際情勢分析の鍵になる。児玉昌己著『欧州統合の政治史』は、EUの歴史と構造的に抱える問題を解き明かした優れた本だ。文も読みやすい。
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This is.
JT 好みの味に出合える 三つのラインナップ
2015年11月7日号たばこの味には無数の種類があるが、そこには大まかな系統もある。JTは長年にわたる調査・研究の結果、たばこの味を三つの系統で網羅できることを発見した。ビター系、スイート系、ストレート系である。その3系統をラインナップとして全て取りそろえたたばこが新生ウィンストンだ。
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From Readers From Editors
From Readers From Editors
2015年10月31日号韓国での取材中、現地のテレビ局の記者が放った一言が印象的でした。「日本と韓国は離婚できない夫婦みたいなもの」──。独り身であるにもかかわらず、なんだか妙に納得してしまいました。
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Book Reviews オフタイムの楽しみ
【音楽・演劇・演芸】 ベストアルバムから見た音楽 自伝から読む音楽業界の深層
2015年10月31日号『70年代シティ・ポップ・クロニクル』は、数あるシティポップの中から音楽評論家である著者が最も重要だと感じる15枚のアルバムを選び、時代順に並べ、その15枚から派生する作品を挙げて紹介している。関連ディスクを合わせると実に100枚ものアルバムが紹介されていることになる。しかもただのディスクガイドではない。
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Book Reviews 目利きのお気に入り
日本のビジネス社会を変え得る 自分だけのノート、IT産業革命
2015年10月31日号この本を全てのビジネスパーソンが読んだならば、日本のビジネス社会は変わる。そんな確信さえ感じたのが『経営者になるためのノート』。ユニクロを展開するファーストリテイリングで、柳井正社長が店長向けに作成した社内資料を書籍化したものです。
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Book Reviews 私の「イチオシ収穫本」
金融危機の現場を渡り歩いた 元米財務長官が書いた戦中記
2015年10月31日号「民主主義は金融危機の際には向いていない」。読後感を表せば、そうなる。著者のティモシー・F・ガイトナーは、2003年から米ニューヨーク連邦準備銀行総裁の地位にあり、その後、09年から13年まで米財務長官を務めた。まさにリーマンショックの渦中に政府の要職にいた人物が、回顧録を書いた。