彼を知り己を知れば百戦危うからず──。敵の実力を見極め、己の力を客観的に把握できれば、百戦しても危機に陥ることはない。
資産運用にもこの有名な孫子の格言は当てはまる。敵(投資商品)の実力を見極め、己(自分の強みと弱み、ニーズ)を客観的に把握することができれば、百戦百勝とはいかないまでも、どんな事態にも落ち着いて対応することができるはずだ。
図1-1は、自分がどんな投資をしたいのかを知るためのチャートだ。「元本割れはどの程度なら許容できるか」「投資先をどこまで広げるか」という2つのステップを踏むだけで、自分のニーズがわかる仕組みになっている。
例えば、「絶対元本割れは許容できない」という人は、A1かA2の慎重型となる。その上で、「海外投資は不安なので投資先は日本国内だけにしたい」ならばA1に、「日本のほかに先進国を投資先に入れてもよい」ならばA2に当てはまる。
元本割れを避けるためには、比較的低リスクの資産の配分を増やす必要があるため、期待リターン(将来にわたる運用で期待することのできる収益率)は2%程度と、あまり高くは望めない。
それでも、インフレ目標の2%と同水準であり、十分資産を守ることができるレベルだろう。
あなたの預金が危ない!
資産を減らさない「守り」の運用術
今週の週刊ダイヤモンド2024年11月23日号[990円]
自動車・サプライヤー非常事態
トヨタ自動車が空前の利益をたたき出す一方、サプライヤーは生産コストを価格に転嫁できず、苦境にある。部品メーカーが完成車メーカーに依存し支配される現状は、技術革新で出遅れる原因にもなっており、このままでは自動車業界が地盤沈下しかねない。サプライヤーの幹部ら251人から回答を得たアンケートの結果を基に、同業界の病根に切り込む。
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