『週刊ダイヤモンド』2月8日・15日合併号の第1特集は『ランキングで斬る! 年収&株価 勝ち組&負け組』です。賃上げや株高への期待が高まる中、どれだけ年収や株価が上がるかは業界や企業によって格差があります。3年後の「勝ち組」「負け組」の業界や企業はどこなのか。本特集は独自試算した全41本のランキングで、企業の実力や将来性を徹底診断します。

今春闘は「昨年に続きしっかり賃上げを実施」
日銀・植田総裁が言及した追加利上げの背景

「本年の春季労使交渉において、昨年に続きしっかりとした賃上げを実施するという声が多く聞かれている」

これから給料が上がっていく業界や企業はどこなのか。そこでダイヤモンド編集部は、給料が業績などに連動することを前提として、18業界の主要上場企業を対象に、3年後の予測年収を独自試算した(写真はイメージです) Photo:PIXTA

 1月24日、日本銀行の植田和男総裁は、半年ぶりの追加利上げを決めた背景をそう説明した。

 海外と比べて長らく低迷してきた日本の給料に、ようやく上昇の兆しが見え始めた。連合によれば、2024年春闘の平均賃上げ率は定期昇給分も含め5.1%と、33年ぶりの高水準だった。25年春闘の賃上げ目標も「5%以上」が掲げられており、今年は賃上げが定着するかどうかの正念場だ。

 ただし、日本全国で賃上げムードが高まっても、実際に賃上げを持続できるかは、企業が利益を増やし続けることができるかどうかに懸かっている。また、年収事情は業界によっても異なり、生涯年収は、どの業界を志すかを決めた時点で大差がつく。

3年後の業界平均予測年収「1000万円」
通信・メディアは18業界トップも年収減か

 これから給料が上がっていく業界や企業はどこなのか。そこでダイヤモンド編集部は、給料が業績などに連動することを前提として、18業界の主要上場企業を対象に、3年後の予測年収を独自試算した。

 業界別の結果を見ていくと、高年収で知られるテレビ局などが属する通信・メディア業界の平均予測年収が1000万円とトップだった。ただし年収平均増加率は▲0.39%とマイナス予想で、斜陽産業化が進むメディア業界の苦境を反映する結果となった。

 平均予測年収が886.9万円で3位の銀行業界は、日銀利上げによる金利収入増など今後も増益が見込まれ、年収増加率も0.24%と他業界よりも相対的に高く、引き続き“勝ち組”といえそうだ。

「3年後の予測年収」「投資魅力度」
ランキング41本で企業の実力徹底診断

 『週刊ダイヤモンド』2月8日・15日合併号の第1特集は『ランキングで斬る! 年収&株価 勝ち組&負け組』です。33年ぶりの高賃上げに日経平均株価の最高値更新――。2024年は年収と株価が記録的にアップした1年でした。

 今後も賃上げと株価上昇ムードは続くのか。これからも年収増や株高が期待できる企業はどこなのか。本特集では独自試算した全41本のランキングで、企業の従業員への待遇や意外な実力、将来性について徹底診断します。

 特集の目玉の一つは、主要上場企業の「3年後の予測年収」ランキングです。ダイヤモンド編集部は統計専門調査会社の協力の下、18業界の786社について、直近の年収実績や業績などを基に、3年後の予測年収を分析しました。

 例えば、自動車業界ではトヨタ自動車の年収が約16%アップして「1000万円」の大台を突破。一方、経営統合の協議を始めることで合意したホンダと日産自動車は対照的な結果に。ホンダは年収が約11%アップして業界2位にランクインした一方、日産はほぼ横ばいでホンダに抜かれ、業界2位から4位に転落する結果となり、明暗が別れました。

 また銀行業界は、全体では年収増が予測される“勝ち組”業界ですが、メガバンク2行は年収減で「1000万円割れ」との結果になっています。

 商社業界では三菱商事が年収2000万円から脱落する一方、伊藤忠商事や住友商事、丸紅の年収アップが予想されています。保険・証券業界では年収1000万円超えの9社中8社が年収ダウンとの予測結果となりました。

 他にも医薬品や化学、IT、半導体、サービス、食品など注目業界の年収序列を浮き彫りにしています。

 また、企業の実力や将来性を図る指標は、もちろん年収だけではありません。株高を期待できそうな企業を探るため、3期先の「投資魅力度」ランキングを作成しました。主要上場企業を対象に、今後利益が伸び、株価が割安で、効率的に稼ぐことができる企業はどこかを独自試算し、上位400社の実名を一挙公開します。

 投資魅力度ランキングの上位にはロームやレーザーテックなど24年に注目を集めた半導体関連業界の有名企業も並びますが、化学やガラス・ゴム、サービスなど意外な業界の企業も上位入りしています。いったいどんな銘柄でしょうか?

 客観的なデータに基づいた41本の独自ランキングで、企業の実態や将来性を徹底分析した一冊です。ぜひご一読ください。