「早慶理系合格レベル」の下である
「MARCH理系合格レベル」に門戸開放
なれるものなら医師になりたい。一度は夢見たことがある人は多いのではないだろうか。
しかし、大半の人は諦める。医学部入試を突破できるはずがないと思うからだ。
確かに医学部受験の難易度は高い。もともと医師一族の子供で難関中高一貫校に通うような超エリートが受験層の中心にいる。さらに、弁護士ルートが食えないものとなったりして、2010年代には医師ルートに学力トップ層が一極集中のごとく押し寄せた。医学部人気は過熱していった。
しかし、医療現場の面々はこの流れによくないものを感じていた。受験ゲームの感覚で医学部を選んだだけで、現場でろくに使えないような者まで送り込まれてきた。
医師の全員が全員、学力的に超優秀である必要なんかない。一定レベル以上の学力は必要としても、本当に医師になりたくて資質のある若者を迎え入れたい思いに駆られていた。
偏差値で見ると、医学部に合格するためには最難関私立大学である早稲田大学や慶應義塾大学の理系に合格するレベルが必要で、ハードルは高いことが分かる(下表参照)。
ところがである。足元で変化の波が起きている。
医学部の中でも都市部にある上位層の大学は人気が高く、難易度は上昇している。対して、立地が不利な地方の下位層は難易度が若干下がり、合否五分五分のボーダーラインにおける難易度で上位層と下位層の差が開き始めた。
それ以外にも複数の要素が絡み合い、早慶理系レベルの下であるMARCH(明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学)理系レベルにも今、医学部への門戸が開かれた。
今なら、医学部を目指せるのである。ただ、医師になって幸せになれるのか(下表参照)。
ハードワークであっても医師であり続けたい者は多い。子供も医師にしたいと願う者もいる。
安定した高収入は魅力だが、これから先どうなるのか。収入格差はあるのか。働き方はどうなっていくのか。やりがいだけでなく、地位、収入、時間の自由なども満足し得るのか。
実は医師キャリアのルートにも変化の波は押し寄せている。
「入り口」である医学部入試、「出口」である医師のキャリア、どちらも広がりを見せている今なら、諦めていた人たちも、医学部そして医師を目指せるのではないか。
医学部受験の必勝法を詳らかに
医師の「新・勝ち組ルート」も
『週刊ダイヤモンド』6月3日号の第1特集は「今なら目指せる! 医学部&医者」です。
医学部受験で「情報戦」が鍵を握るようになり、MARCH理系合格レベルの受験生も戦略次第で合格する合格するチャンスが広がってきました。
医師のキャリアもまた、選択肢が広がっています。大学医局の出世レースに人生を捧げ、教授へと上り詰めた者だけが「勝ち組」なわけではありません。
「入り口」も「出口」も広がりを見せている今、医学部に入り医師を目指したい人に向けて、医学部受験の必勝法、医師キャリアの「新・勝ち組ルート」を詳らかにします。