親も子も孫も3世代みんなが
英語と向き合う時代
電機メーカーに勤務する50代男性は会社が最近、英語を社内公用語にすると宣言したことにワクワクしている。
会社の将来にとって良いと思うし、数年前から始めた英語学習のモチベーションが上がる。個人的なことだが、定年後のセカンドライフでは海外で開催される音楽のコンサートを見て回るのが楽しみ。英語の公用語導入を機に、会社から英語学習のサポートが受けられるならありがたいと、ちょっと期待している。
自動車メーカーに勤務する寺村実氏(50代)は、仕事で英語を使っていることもあって、40代のときに集中的に学習に取り組み、英検準1級を取得した。
それがプライベートにも生き、2021年に開催された東京オリンピック・パラリンピックでは、英語の対応ができるボランティアとして参加した。
まだ先のことではあるが、セカンドキャリアで活用していくことも見据え、さらに英検1級を目指そうと考えている。
「会社で英語が公用語になるなんて怖い」「何とか逃げ切りたい」──。英語に対して及び腰の中高年は多い。
しかし、今逃げ切ったところで人生100年時代に英語を拒絶したまま過ごすのは、味気ない。人生の幅を狭めてしまう。旅行は国境を越えるのが当たり前だ。
50代男性の英語力「年収格差」は1.5倍
英語に「逃げ切り世代」なんてない!
また、定年がちらつき始めるといっても、50代こそ英語力が収入を左右するという調査結果もある。下図のように、英語力のある50代の男性の年収は、50代男性の平均年収の1.5倍だ。女性の場合の「年収格差」は2.2倍へと広がる。
もちろんバリバリの現役世代は英語から逃げれば、多くの企業において出世の道が閉ざされる。半面、英語ができれば転職を含め、成り上がりの道が開かれる。
そして子供や孫の世代は、昔よりも難度の高い英語教育にシフトしている。受験に勝つには英語がキーファクターになる。
英語に「逃げ切り世代」なんてない。親から子や孫まで3世代、英語と向き合う時代になった。
言語脳科学的に正しい手法で
楽しくムダなく学び直し
『週刊ダイヤモンド』2月11日号の第一特集は『一度覚えたら忘れない 英語勉強法』です。
英語を学び直そうとするとき、「学生時代に覚えた英単語や文法はすっかり忘れてしまった」「年を取って暗記がつらい」と悩む人は少なくありません。
本特集では言語脳科学者で東京大学教授の酒井邦嘉氏に、力業に頼らない「忘れない」英語メソッドを取材しました。
取材を通して感じたことは、ポピュラーな勉強法でも、実は脳科学的には正しくないものが溢れているということです。
脳には、言語を後天的な努力によってではなく、生まれながらに自然に獲得できる能力が備わっていると言います。そのため、その潜在能力を引き出せれば、年齢を重ねても、「誰でも例外なく、言語が自然と身につくように脳はできている」と言います。
日本では力業で英単語を覚える学習法が当たり前になっていますが、英語学習に着手する前に「記憶力を気にする必要のない」脳科学的に正しい勉強法を知っておくと良いのではないでしょうか。
また、忙しいビジネスパーソンに向けて、人気の「時短型」英語パーソナルジム「ENGLISH COMPANY」(イングリッシュカンパニー)に、TOEIC L&Rテストのスコアを一気にあげる方法を取材しました。
同スクールを運営するスタディハッカー代表の岡健作氏は「国内にいる、普段は仕事をしている、家庭もあるという場所や時間の制約がある中で、最低限の時間で最高の成果をだすのが弊社のサービス」と言います。
そのために重要なのが「自分が今どのレベルにいて、どのような課題を抱えているのかを把握すること」。自分の課題がわかる現在地チェックリストもついていますので、まずは自分の課題をあぶりだしてから、「2か月で200点アップ」の最短学習法をご覧ください。
とはいえ、仕事でEメールやウェブ会議を行う頻度は増えています。新型コロナウイルスを機に海外出張が控えられた一方で、海を挟んでのウェブ会議が増えました。海外出張時のように参加人数を絞り込むことがなくなり、より多くの人が英語での会議に参加するようになったのです。
「もう勉強する時間がない。明日にでも英語力が必要だ」という人には、800人調査で判明した、中学英語で乗り切れる最強の便利ツールと、中学英語で海外企業の買収をまとめたリクルートキャリア元社長の会話術をご紹介します。
ビジネスパーソンも、入試が近づくお子さんも、そろそろ海外旅行に行こうと思う親御さん世代も、ぜひ3世代で本特集をご活用ください。