編集部に続々寄せられた
ペットをめぐる悩み
コロナ禍は、暮らしと社会のあらゆる側面に大小さまざまな変化をもたらした。〝ペットブーム〟もその一つである。コロナ禍のさなかで、ペットを新たに飼い始める人が増えている。在宅で過ごす時間が長くなる中、「ペットから癒やしを感じ、気持ちの面で良い影響を受けている」(ペットフード協会「全国犬猫飼育実態調査」)のだという。
だが犬や猫が人間に与える感情は、癒やしばかりではない。悩み、不安、疑問、恐れ……。こういった感情と無縁ではいられなくなるのが、愛犬・愛猫との生活だ。
その様子は、犬・猫を飼っている人を対象にダイヤモンド編集部が実施したアンケート調査からも浮き彫りになっている。次のような声が続々と寄せられた。
「老齢犬なので歩くのもやっと。日常のケアや介護、医療など正解が分からない。何かにつけて費用がかさむのも不安」(兵庫県・60代男性)
「うちの猫は今は健康だが、今後かかる病気とその治療費が心配」(東京都・40代女性)
「体が弱いので長生きしてほしい」(神奈川県・50代男性)
「ペットとは言葉での意思疎通ができないので、具合が悪くなったときにすぐ察してあげられるか不安」(兵庫県・50代女性)
「体重の増減が気になるが、健康にどの程度関係するのか教えてほしい」(東京都・60代男性)
「犬の病気や治療法の情報が少なく、どこに相談したらよいのかすら分からない」(北海道・50代男性)……
家族だから真剣に悩む
ペットの病気・老い・お金の問題
なぜこれほどまでに悩みが尽きないのか。その理由は、愛犬・愛猫が家族同然の存在だからに他ならない。
博報堂生活総合研究所の調査によると、ペットを家族の一員だと思う人は2020年に59%に上った。過去10年間で4.6ポイント上昇しており、特に女性の64%がそう思っている。家族だと思っているから、人間のわが子や老親についてそうであるように、ペットについても飼い主は真剣に悩んでしまうのだ。
ペットをめぐる悩みの中でも、今急速に常識が変わりつつあるのが、動物病院との付き合い方だ。
かつてなら多くの飼い主は、ペットの健康に関するあらゆる悩みを地元のかかりつけ動物病院で解決していた。ところが近年、ペットの抱える健康問題が人間並みに複雑になり、一つのかかりつけ医で全てを解決することは困難になっている。がんや慢性疾患のような病気では、高度な検査や治療が求められるのだ。飼い主も「うちの子」である愛犬・愛猫に、人間並みの医療を求めることが珍しくない。
だから今はペットのために、2種類の動物病院を使い分けるのが賢い。日常的には地元のかかりつけ医をホームドクターとして頼る。難しい疾病ではかかりつけ医を通し、適切な動物病院を受診する。前者は一次診療、後者は二次診療(高度医療、専門医療)と呼ばれる。
ところが多くの飼い主には二次診療の情報が圧倒的に不足しているのが現実。どこに行けば、どんな治療が受けられるのか。愛犬・愛猫のもしものときに途方に暮れる飼い主は多い。インターネット上にはかわいい犬の写真、クスッとする猫の漫画が山ほど溢れているというのに、愛するペットの緊急事態に役立つ情報は少ないのだ。
そんな悩める飼い主のためにダイヤモンド編集部が全力で作ったのが、今回の特集だ。
飼い主なら必携
ペットの悩みを解決する一冊
『週刊ダイヤモンド』11月27日号の第1特集は、「犬&猫 うちの子の大問題」です。愛犬・愛猫に元気で長生きをしてもらうために、そして飼い主がペットと長く一緒に暮らすために、知っておくべき新常識を全44ページでまとめました。
ペットの大きな病気に役立つのは、全国の「信頼できる動物病院」のランキングです。都市圏の動物病院を対象にアンケート調査を行い、「犬と猫の二次診療、高度医療、専門医療として信頼して紹介できる動物病院」を独自に調べ、ランキングにしました。今おペットの病気に悩んでいる飼い主だけでなく、「もしもの時」に備えて、全ての飼い主に手元に置いてほしい保存版情報です。
また近年、急速に増えているペット保険については、「シニア犬・猫でも入れる」「補償割合が高い」といった基準で主要な商品を一覧にしました。ペット保険の選択肢が多すぎて迷ってしまう人なら要チェックです。
このほか、ペットと飼い主の老いが迫った時にどんな悩みが起こるのかのレポートや、飼い主の死後もペットを路頭に迷わせないための基礎知識、ペットのお見送り事情などもレポートしています。飼い主なら必携、ペットの悩みが全解決する一冊をぜひご一読下さい。