企業が課長&部長に求める
財務知識は驚くべき結果に!
決算書がよくわからない。決算書を理解しようとして失敗した。そんな人は多いかもしれない。
しかし、それではこれからは出世ができないだろう。役員に上り詰める可能性も、かなり低くなる。
ここに驚くべきデータがある。ダイヤモンド編集部では「社員には会計・ファイナンスの知識をどれくらい理解していてほしいですか?」というアンケートを日本を代表する企業100社以上に送った。企業には、社員に求める知識のレベルを「一般の従業員」「課長」「部長」「役員」に分けて答えてもらった。(回答企業やアンケート詳細は記事最後参照)
すると、一般の従業員でも29%の企業が「財務3表」の理解をして欲しいと答えている。財務3表とは、損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)のことだ。
とはいっても、44%の企業が一般の従業員に対しては、「売上高と利益」の理解、と答えている。つまり、いわゆる“ヒラ社員”はその程度の理解でよい、という判断だ。
ところが、これが課長や部長になると、企業側の求めるレベルが一気に跳ね上がる。
なんと、課長に対しては「財務3表」の理解が24%、さらに、41%の企業がより高度な「ROE(自己資本利益率)やROA(総資産利益率)など財務3表上の数値を組み合わせた指標」の理解を求めているのだ。「売上高と利益」の理解だけでよい、とする企業は一気に5%にまで激減している。
そして、部長にもなれば、最も高度な回答である「ファイナンスの概念や投資の評価方法」を54%の企業が求め、役員ならそれが84%にも高まる。この回答を選ぶ場合は「財務3表」と「ROEやROAなど財務3表上の数値を組み合わせた指標の理解が前提」と設問には表記したから、部長や役員は決算書、財務の達人レベルを求められているということになるのだ。
この企業側の姿勢は当然といえば当然だろう。売上高さえ拡大すれば利益は後からついてくるなどという時代は、とっくの昔に終わっている。キャッシュ重視の経営は当たり前になっているし、最近では部門ごとにROEなどの目標を設定する企業もある。
そして財務部だけが数字を理解していればよい、ということでは決してなく、財務が理解できていなければ、自分に課された目標を理解することすらできない時代なのだ。
課長、部長になりたい。役員に上り詰めて、社長に…。出世を考えている人は、今すぐ決算書を学んだ方がよいだろう。
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