「週刊ダイヤモンド」12月27日・1月3日新春合併特大号の特集は「総予測 2015」。その中から、2015年の日本を予測した部分の一部をご紹介しよう。

プラチナ製のカレンダーがなんと1億円──。

 貴金属販売の田中貴金属ジュエリーは2014年12月3日、大ヒットしたディズニー映画、「アナと雪の女王」をモチーフにした15年のカレンダーを発売した。

 高さ12センチメートル、幅87センチメートルのカレンダーは、銀世界を再現するため、約10キログラムの純プラチナが使われている。販売価格は1億円。やはり純プラチナ製で高さ2.6メートルのクリスマスツリーは3億円だという。

 その3日後、今度は三菱地所レジデンスが、60階建ての国内最高層マンションを東京・西新宿に建設、15年1月下旬から販売すると発表した。価格は未定ながら、高層階に入る150平方メートルの部屋は3億5000万円台になるとみられている。最近、そんな〝億ション〟が瞬間蒸発で売れている。

 14年4月に実施された8%への消費増税後、個人消費の冷え込みが顕著となり、GDPも2四半期連続でマイナス成長となるなど、景気の腰折れ感が強まっていた。

 しかし、日本銀行の黒田東彦総裁が2度にわたって打ち出した〝異次元金融緩和〟に加え、15年10月に予定されていた10%への消費増税が先送りになったことでフェーズは大きく変わった。

 しかも、解散総選挙で自・公が326議席獲得して大勝したことで、新たに打ち出される経済政策にも期待が集まる。

 こうした状況下、金融緩和によって市場にあふれた大量のマネーは株式市場に向かい、上下こそあるものの株価は底堅く、年末に向け2万円をうかがう。

不動産市場にもなだれ込み、市況は活況を呈している。20年に東京五輪が控えていることもあり、東京は大規模プロジェクトの開発ラッシュだ。

 マネーが、株や不動産に向かう様は、今から時計の針を30年ほど巻き戻した時代の姿と重なる。

 バブル──。

 ディスコではギャルがお立ち台で乱舞し、高額商品が飛ぶように売れ、街中では、サラリーマンが札束を手にタクシーをつかまえていた。日本中が異様な熱気に包まれ、興奮のるつぼと化していた。

 確かに、不動産に対する過剰融資は銀行に対する規制強化で影を潜めるなど、当時と状況は異なる。だが、金融緩和と消費増税の先送りにより下地は整っている。

 2015年、再びバブルがやって来る。

ストラテジストに緊急アンケート
15年、株価は2万円を超える!

週刊ダイヤモンド2014年12月27日・2015年1月3日新年合併号は、「2015年総予測」。2015年がどんな年になるのか、専門家と本誌記者が、「経済」「政治・政策」「地方」「「国際社会」「産業・企業」「新産業」「暮らし・社会」「スポーツ・文化」の8分野、100項目に渡って徹底予測しました。

 なかでも注目は日本経済。ストラテジストに緊急アンケートを実施、15年の株価は2万円を超えるとの見方が大半で、バブル経済が再来するとみられるからです。

 しかし、消費増税の先送りと共に、山積する日本の問題も先送りされているのが現実。給料は上がるのか、消費はどうなるのか、地価は、財政は……。さまざまな課題の15年を探ります。

 バブルと言えば、不動産にはすでに到来しています。東京五輪が20年に開催されることもあって、東京都内は再開発ラッシュ。あちらこちらでビッグプロジェクトが進み、槌音が響き渡っています。

 そんな不動産に加え、電機、電力、自動車、小売り、航空、ネット、金融といった主要産業についても本誌記者が徹底分析、15年の業界の姿を占います。

 その他、「ホリエモンが注目するイノベーション」「「富士山は噴火する?巨大地震は起きる?」「15年に流行するブーム・商品」、そして錦織選手が4大メジャーで優勝する確率なども大胆予測しています。

 インタビューも充実。鈴木敏文セブン&アイホールディングス会長や柳井正ファーストリテイリング会長といった経営者を始め、2008年にノーベル経済賞を受賞したプリンストン大学教授のポール・クルーグマン氏、そして女装パフォーマーのブルボンヌさんまで多種多彩のラインナップとなっています。

 年末のひととき、そして年末年始のお休みにご一読いただき、2015年に思いをはせていただけたら幸いです。