記事一覧:金利市場 透視眼鏡94

  • 日銀国債大量購入がもたらす超長期債・スワップ金利急低下

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    日銀国債大量購入がもたらす 超長期債・スワップ金利急低下

    2013年11月2日号  

    円安の勢いが弱まったことなどを受け、市場では日本銀行の物価目標達成が難しいとの声が主流になった。円安傾向が続き、将来の物価上昇の蓋然性が高かった4月や5月などに国債を大量に売却した投資家は、アベノミクスによるリスクマネーの活性化が確信できれば、リスク資産を購入しポートフォリオリバランスを積極的に行う予定だった。物価上昇に伴い長期金利が上昇するようであれば、金利上昇局面において債券を買い戻し、債券ポートフォリオを再構築しようと考えていた。

  • 円安足踏み物価上昇予想減退で長期金利に低下圧力かかる

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    円安足踏み物価上昇予想減退で 長期金利に低下圧力かかる

    2013年10月5日号  

    日本の10年国債利回りは、FRB(米連邦準備制度理事会)が量的緩和縮小を見送り、米国の長期金利が低下したことを受け、一気に0.6%台へと低下した。しかし、日米長期金利は両国の金融政策の相違からデカップリングが続いている。

  • 直近米国との連動性が高まるも長期金利0.7%割れは持続せず

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    直近米国との連動性が高まるも 長期金利0.7%割れは持続せず

    2013年9月7日号  

    5月22日のバーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言以降、米国の金融政策が市場の最大の関心事となっている。米国債市場では6月、7月のFOMC(米連邦公開市場委員会)を経て、資産買い入れ政策の年内縮小開始の可能性が高まったことで長期金利の上昇傾向が強まり、10年国債利回りは3%近くにまで上昇した。

  • 金融緩和策継続見通し示した欧州の5年債に投資妙味あり

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    金融緩和策継続見通し示した 欧州の5年債に投資妙味あり

    2013年8月3日号  

    5月22日のバーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長の議会証言以降、FRBの資産買い入れ政策(QE)の縮小・終了観測が強まり、米国を中心に世界各国の長期金利が上昇し、債券価格は下落した。

  • QE3終了の道筋を示すも長期金利抑制が本音のFRB

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    QE3終了の道筋を示すも 長期金利抑制が本音のFRB

    2013年7月6日号  

    6月18~19日のFOMC(米連邦公開市場委員会)には、大きなサプライズが用意されていた。バーナンキFRB(米連邦準備制度理事会)議長によってQE3(量的緩和第3弾)の縮小および終了時期が明示されたのだ。米国債市場参加者の多くは、経済情勢次第である点を重視し、世界経済の伸び鈍化の中、QE3の縮小も早くて2014年以降とのコンセンサスを形成していた。バーナンキ議長が「年内」という早い縮小時期を明示したのは、いくつかの要因が重なったためだろう。

  • マネーを行き渡らせるには長期金利低位安定が不可欠

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    マネーを行き渡らせるには 長期金利低位安定が不可欠

    2013年6月8日号  

    日本銀行の「量的・質的金融緩和」は資産の入れ替え、ポートフォリオリバランス効果を期待する政策だ。4月6日号の本欄で、10年国債利回りは貸出金利から下方に乖離し過ぎると上昇しやすいと指摘した。4月5日に0.315%まで低下した10年国債利回りは、その後上昇傾向に転じ、5月23日には1%をつけた。

  • 日銀国債購入拡大で10年金利は0.5%前後で低位安定か

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    日銀国債購入拡大で10年金利は0.5%前後で低位安定か

    2013年5月11日号  

    日本銀行は「質的・量的金融緩和」の導入を決定し、毎月7兆円超の国債買い入れを発表した。買い入れる国債の平均残存期間を7年程度に延長すると決めたが、これで日銀の長期・超長期債買い入れが巨額になることが判明し、長期金利はいったん急低下した。しかし、買い入れ枠拡大で、国債の流動性低下などが懸念されたことから、円債市場のボラティリティ(価格変動幅)は急拡大し、結果として長期金利は急上昇した。

  • 現在の金利低下に潜む反転の芽国債利回りと貸出金利差が拡大

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    現在の金利低下に潜む反転の芽 国債利回りと貸出金利差が拡大

    2013年4月6日号  

    日本銀行の新総裁となった黒田東彦氏は、就任会見で「2%の物価目標を2年程度で達成するため何でもやる」と述べた。日銀による資産買い入れ拡大への期待が一層高まった格好だが、黒田総裁は国債買い入れについて「国庫短期証券のような短期金利に近い水準の国債購入に政策効果がない」ことを強調した。国庫短期証券ではなく期間の長い国債の買い入れを大幅に増額すると示唆したわけであり、債券市場では10年債利回りが0.6%を大きく割り込んだ。

  • 今年も米国金利は4月がピーク“リスクオン”相場は長くない

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    今年も米国金利は4月がピーク “リスクオン”相場は長くない

    2013年3月9日号  

    2012年11月以降、内外市場のリスクオン(リスクを取った投資をする)傾向が持続する中、米国債券市場では10年国債利回りが2%を上回った。他方、日本国債市場では日本銀行の新体制における資産買い入れ等基金拡大への思惑などから10年国債利回りの低位安定が続いており、米日10年国債利回りの較差は拡大傾向である。ここ数カ月に限れば、米日10年国債利回り較差と円の対ドルレートとの連動性も高まっており、米国の長期金利動向には為替市場からも大きな注目が集まっている。

  • 悪性ではない20年国債金利上昇保険会社の購入減と円安が要因

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    悪性ではない20年国債金利上昇 保険会社の購入減と円安が要因

    2013年2月9日号  

    アベノミクスへの期待で円安・株高が進む中、円債市場では10年国債利回りが低位で安定している。銀行が日本銀行に預ける日銀当座預金の法定必要額を超過する部分に対する金利撤廃や、長期国債買い入れ増額への期待が強いことなどを反映している。しかし、20年国債利回りなど超長期国債の金利が上昇傾向にあり、悪い金利上昇の前兆と捉える向きも多い。

  • 実は“高金利”ではない豪ドル債為替値上がり益も狙って投資を

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    実は“高金利”ではない豪ドル債 為替値上がり益も狙って投資を

    2013年1月12日号  

    第46回衆院選が自民党の圧勝に終わり、安倍晋三・自民党総裁を首班とする新内閣が発足した。安倍首相がかねて日本銀行に対して無制限の金融緩和を求めていることなどもあり、衆院選以降、円安が加速し始めている。このまま一気に円安が進行するかどうかについては不透明感も残るが、市場参加者の間では「歴史的円高局面の終焉」が説かれ始め、外国証券投資の機運も高まってきている。このような状況下で、イタリアの総選挙実施などを背景にユーロは引き続き買いづらく、米国債の低い利回りを敬遠する向きも多い。人気通貨・オーストラリアドルへの注目は高まりそうだ。

  • 来年も米国の経済成長は低水準金利低位安定で米国債に妙味

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    来年も米国の経済成長は低水準 金利低位安定で米国債に妙味

    2012年12月8日号  

    年末商戦が好調な中、米国株価は持ち直し、債券市場では長期金利の上昇期待が高まっている。金融市場では、ブッシュ減税や財政管理法に基づく歳出自動削減に関して一時的な延長法案が可決され、財政の崖が回避されるとの見解が主流である。このまま堅調な消費が続けば、株高に連れて米国10年債利回りも上昇しよう。しかし、延長法案は一時的なもので、財政健全化に向けた本格的な議論は2013年前半に持ち越されると予想される。

  • ECBのゼロ金利長期化で下値不安小さい独・仏国債に妙味

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    ECBのゼロ金利長期化で 下値不安小さい独・仏国債に妙味

    2012年11月10日号  

    2010年以降の金融市場における最大の懸案であった欧州債務問題については、今年、ECB(欧州中央銀行)の大きな決断によって、光明が見え始めた。ECBは、7月に銀行がECBに預ける預金ファシリティ金利を0%まで引き下げるゼロ金利政策に踏み切った後、9月には救済申請を条件に当該国の国債を無制限に買い入れる新たな国債買い入れプログラム(OMTs)を発表した。

  • 5年物債券利回りは低過ぎない今投資するのも一考の価値あり

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    5年物債券利回りは低過ぎない 今投資するのも一考の価値あり

    2012年10月13日号  

    今年に入って日銀は資産買い入れ等基金による長期国債買い入れ(期間1~3年の国債)を25兆円増やした。これにより短中期国債の需給がタイトになり、3年物国債利回りは政策金利(0.10%)と並ぶ水準に張り付いた。また、円高傾向が止まらないことなどを背景に、日銀による同様の政策が長期化するとの思惑が広がり、3年超の国債利回りが低下している。

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記者の目

  • 編集委員 藤田章夫

    新NISAを追い風にする保険業界のしたたかさ

     新NISAが1月からスタートし、保険の販売には逆風かな?と思っていたら、「むしろ追い風になっていますよ」との声が多数。
     資産運用の相談に来た人に、「投資信託は資産が減ることもありますが、変額保険の死亡保険金額には最低保証があります」と言えば、「保険の方がいいか」となるようです。
     本来は、資産を運用したいのか保障が欲しいのか、目的に応じて使い分けたいところですが、これがかなり難しい。
     そこで、保険ジャーナリストの森田直子さんとファイナンシャルプランナーの風呂内亜矢さんに、保険と運用それぞれの立場から対談を行っていただきました。面白過ぎて、対談時間はあっという間に過ぎました。ぜひご一読ください。

  • 副編集長 名古屋和希

    “予定調和”の買収は今後減少?

     第一生命ホールディングスが3月に福利厚生代行のベネフィット・ワンを買収しました。この買収劇は異例の展開をたどりました。
     先に買収を表明したのは医療情報サイト運営のエムスリーでした。そこに第一生命が参戦したのです。結局、エムスリーよりも好条件を提示した第一生命が買収戦を制しました。大企業による対抗的な買収は極めて珍しいものです。
     従来、事業会社はイメージ悪化などを恐れ、「敵対的」な買収を控えてきました。ただ、近年はルール整備などを背景に「同意なき買収」が広がる機運が出ています。買収が活発になれば、企業・業界の新陳代謝も促せます。今後、“予定調和”の買収は減っていくかもしれません。

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表紙

特集保険vs新NISA 今「契約したい保険」は? 生保商品ベスト&ワーストランキング

保険とNISA、どちらに資金を振り向けるべきか──。新NISAをきっかけに投資熱が高まる中、多くの人が抱える悩みだ。そこで保険とNISAで迷ったときの考え方や保険の見直し方、保険のプロ29人が辛口採点した生命保険商品ランキングを、業界の深部…

特集2変局 岐路に立つNHK

NHKが大きな岐路に立たされている。今国会で放送法改正案が可決されれば、ネット視聴も受信料徴収の対象となる。一方で、今後、NHKの受信料収入は人口減やテレビ離れを背景に先細る可能性が高い。職員数1万人を誇る巨大公共放送機関は、「みなさまのN…