記事一覧:特集 Part6346

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記者の目

  • 編集部 野村聖子

    数字に弱いのは「文系」出身だからじゃなかった

     昔から数字には弱かったのですが、40歳を超えて老眼が入ってきたせいか、最近ますます数字アレルギーが強くなってきました。
     弊誌は経済メディアですから、数字と向き合う仕事から逃れることはできません。
     今特集でもランキングの基となる、膨大な数字が並んだ生データを一目見るなり頭がクラクラして、ついついデータ整理を後回しにしてしまいました。
    「これは私がゴリゴリの文系出身だからに違いない」と思っていたのですが、同じ文系出身であるはずの編集部の諸先輩方からそんな様子はみじんも感じられません。
     数字に強い、弱いというのはどうも文理関係なく、私自身の資質の問題だったようで意気消沈しています。

  • 副編集長 千本木啓文

    戦時中の〝理系人材〟育成が生んだ、思わぬ「副産物」とは

     意外な理系人材に、財務大臣を務めた藤井裕久氏がいます。東大法学部卒の元大蔵官僚ですが、終戦までの数カ月、「特別科学学級」で学んでいました。同学級の目的は、秀才を集め、原子爆弾を開発する科学者を育成することでした。勤労動員は免除され、上級学校への進学も保証されていたそうです。
     同学級は科学者だけでなく、元ニコン会長の吉田庄一郎氏や元シチズン時計社長の春田博氏ら産業界の大物を多数輩出しました。
     藤井氏は自伝に「敗戦国の悪あがきのような人材育成が、本来の目的を果たすことなく、むしろ戦後の日本の復興と成長に貢献したことは不幸中の幸いだ」と記しています。あまり語られることのない教育史の一ページです。

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表紙

特集 新・理系エリート

少子化が進む中、国は2010年代半ばから大学側に人文科学系などの文系リストラを促すようになった。その一方で、AI・データサイエンスの急速な技術進化が社会やビジネスに大きな影響を与え、また世界的に脱炭素化へ向けた再生可能エネルギーの活用が進む…

特集2シン・稲盛和夫論

京セラ創業者の稲盛和夫氏が昨年8月24日に90歳で逝去し、1年余りがたった。「経営の神様」などと評され、その経営哲学に共感する声は今なお多い。だが、実は稲盛氏を巡っては、いまだ知られざる逸話や意外な人脈なども存在する。それらを再発掘し、改め…