記事一覧:連載4635件
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
核燃料サイクルの技術継承を断ち切る「もんじゅ」の廃炉決定は大きな誤り
2016年10月1日号政府は九月二三日、高速増殖炉「もんじゅ」の廃炉を閣議決定した。他方、核燃料サイクルは堅持するとの方針だ。だが、もんじゅ廃炉は日本の核燃料サイクルの技術継承を断ち切ることであり、政府の主張は矛盾している。政府はフランスの次世代高速増殖炉アストリッドの開発に協力することで技術継承を可能にすると説明する。
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野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
新しい情報技術が働き方を大きく変える
2016年10月1日号ITの活用によって、新しい働き方が広がりつつある。アメリカでは、組織を離れて働く「フリーランサー」が増えている。情報技術が進歩した結果、仕事の進め方に関する自由度が高まり、一カ所に集まって仕事をする必要性が薄れたからだ。こうした仕事をあっせんするためのスマートフォンのアプリもある。
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洞察 脇役が主役に変わるとき
一線で活躍する選手に多い オフの時間の上手な使い方
2016年10月1日号前回に続いて、時間について書いてみたいと思う。時間をうまく使える人は仕事ができると書いたが、成果が挙がらないときに「時間がない」と言い訳をする人が多いようだ。例えば、練習をする時間がなかった、勉強をする時間がない、必要な電話をする時間がなかったと言い訳をする人もいるだろう。この「時間がない」という言葉を耳にすると、「時間の使い方が下手なのだろうな」と感じる。
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ものつくるひと
国際線ビジネスクラス「スカイスイート3」 西垣淳太(日本航空 商品・サービス企画本部 開発部)
2016年10月1日号2010年に経営破綻した日本航空(JAL)は、経営が苦しく資金に余裕がない時代が続いたため、長らく航空機内の座席を刷新することができなかった。02年に大幅にリニューアルして以来、実に11年間にわたって、同じ座席を使い続けていた。この間、世界の航空業界では、シートの快適性を追求する流れが加速し、ビジネスクラスではリクライニングシートを最大で180度倒せ、水平になるフルフラットシートが主流となっていた。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
北方領土が安倍外交の総仕上げ 問題の核心は国内の取りまとめ
2016年10月1日号首相の安倍晋三が自民党総裁に返り咲きを果たしてから満4年を迎えた。政権復帰を果たしてから今年7月の参院選まで衆参2回ずつ計4回の国政選挙を戦った。戦績は4戦全勝。9月15日夜、ホテルオークラで行った講演で安倍は胸を張った。
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連載小説 ハゲタカ5 『シンドローム』
第三章 破綻前夜[第45回]
2016年10月1日号みずきホールディングス(HD)社長である桂景太郎(かつら・けいたろう)との会談は、偶然が重なりさっそく実現した。──たまたま大阪に来とるし、興味もあるので今日の午後三時に、大阪本社まで来て欲しいと言うとった。くれぐれも失礼のないようにな。昨夜遅くまで痛飲したにもかかわらず、電話の向こうの飯島は元気そうだ。すぐにリンと作戦を練り、大阪に向かった。複数の都市銀行が一つになったこともあって、みずきHDは大阪にも本社を有していた。大阪城の真正面にある古めかしい大理石の七階建てのビルは、いまだに21世紀を迎えていないかのような風情を感じさせた。
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新日本酒紀行
雑賀(SAIKA)/和歌山県紀の川市
2016年10月1日号「酢」という字は、「酒」から「作る」と書く通り、酒のアルコールを酢酸菌で発酵させてつくる。乳酸発酵、糖化発酵、アルコール発酵に加え、酢酸発酵まで加わるのが酢。日本の発酵の頂点!? かもしれない。市販酢の原料は穀物や果実、醸造方法もさまざま。
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深堀圭一郎のゴルフIQを高めよう!
3パット撲滅! 誰でも簡単にできるグリーンの読み方
2016年10月1日号グリーン上でパットのラインを読むときに、スライスラインとフックラインを間違えてしまった、あるいは、傾斜が上りか下りか分からなくなった、という経験はありませんか?
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カラダご医見番 ライフスタイル編
うつ病治療に行動活性化療法 嫌な気分の時こそ、動く
2016年10月1日号うつ病の心理療法のファーストチョイスは認知行動療法(CBT)だ。しかし、専門家不足や診療点数の低さから、日本ではなかなか普及しない。こうしたなかで、CBTより簡単な「行動活性化療法(BA)」が、CBTと同等の治療効果をあげるという報告が英エクセター大学から出された。
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大人のための最先端理科
【宇宙論】 太陽系に最も近い星で新発見 生命の存在に適した惑星か?
2016年10月1日号しばらく宇宙全体についての話が続いたので、今回は私たちの太陽系の近所に目を向けてみよう。ケンタウルス座は南天の明るい星座であるが、日本では沖縄まで行かないと全貌を見ることができない。この星座の中で一番明るいアルファ・ケンタウリは、全天で21個ある1等星の一つである。
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世界遺産を撮る
屋久島(YAKUSHIMA)
2016年10月1日号面積約500平方キロメートルの島のうち、2割強に当たる約107平方キロメートルが世界遺産に登録されている。島のほぼ全域が山地で、九州地方最高峰の宮之浦岳(1935メートル)をはじめとする山々から成る。
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後藤謙次 永田町ライヴ!
終わらない小池百合子劇場の裏で 二階幹事長が老獪な「標的外し」
2016年9月24日号月31日の東京都知事選から始まった「小池百合子劇場」が終わらない。それどころか小池の「独り舞台」はさらに勢いを増す。新聞は連日1面で報じ、テレビのニュース番組で小池の映像を目にしない日がない。その大きなきっかけになったのが、築地市場の移転先である豊洲新市場で土壌汚染対策のために行われるはずだった「盛り土」がされておらず、新市場の主要施設の地下が大きな空洞になっていたのが発覚したことだ。
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ものつくるひと
「次世代型の銀行店舗」 真子宗周(りそな銀行 営業サポート統括部 チャネル企画室 室長)
2016年9月24日号「自分ですら最近めっきり銀行には行かなくなった」。今や銀行員がそう口にする時代だ。しかし、そんな風潮に挑戦する次世代型店舗を、大手銀行の一角であるりそな銀行が昨年11月にオープンした。銀行の店舗というと、どんなイメージが思い浮かぶだろうか。東京都江東区に開店した、りそな銀行豊洲支店はそれを覆すはずだ。
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野口悠紀雄「超」整理日記 経済・メディア・情報を捌く
新技術を積極活用して 舞台公演の改善を図れ
2016年9月24日号過去1世紀ほどの間に、情報技術が著しく進歩した。これに伴って、かつてはステージやコンサートでしか可能でなかったエンターテインメントの提供・観賞の形態が、大きく変化した。まず映画やレコードが登場し、劇場や音楽会に行かなくともよくなった。さらに、テレビが登場し、家庭の受像機で動画を見られるようになった。しかも、その大部分は無料だ。そして、CDやDVDが登場した。この10年程度の期間では、インターネット配信への転換が急速に進みつつある。
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櫻井よしこ 新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽
安倍首相は関係前進に積極的だが 分かりにくいプーチンの世界戦略
2016年9月24日号安倍晋三首相のプーチン大統領に対する姿勢は突出して積極的である。九月二、三日、ウラジオストクにおける日露首脳会談と東方経済フォーラムで、首相は日露関係は「無限の可能性を秘め」ており、「ウラジーミル、あなたと一緒に、力の限り、日本とロシアの関係を前進させていく覚悟であります」と述べた。
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新日本酒紀行
仙禽(SENKIN)/栃木県さくら市
2016年9月24日号ナチュール=自然派を意味する酒。驚くべき甘酸っぱさだが不思議な生命力がある。11代目蔵元・薄井一樹さんが設計する古代製法の酒で、地元米をあえて磨かず、天然酵母で生酛(きもと)造り、かつ木桶仕込みする。「生酛、木桶、樽熟成に可能性がある」と熱く語る。
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連載小説 ハゲタカ5 『シンドローム』
第三章 破綻前夜[第44回]
2016年9月24日号激しく夜泣きする娘の恵(めぐみ)を抱き上げると、北村はスポーツセンターの廊下に出た。だが、廊下にも大勢の被災者が横になっている。戸外へ向かった。ダウンコートで娘をくるんでいるから大丈夫だろう。西の空に月が沈もうとしている。今夜も星がきれいだ。この二年余り、東北の沿岸部を走り回り、自然の美しさを知った。漁船から見上げた星空などは、感動のあまり泣けてくるほどだった。
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Key Wordで世界を読む
central banks out of ammo(弾切れの中央銀行)
2016年9月24日号英経済誌「エコノミスト」の表紙は風刺の効いたイラストで知られる。今年2月20日号も例外ではない。そこには背広姿のビジネスマンが抱える「ケインズ工業社製」の大砲が描かれ、砲口から数枚の紙幣がぱらぱらと落ちてくる。弾薬が底を突いて中は空っぽになったのだ。
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世界遺産を撮る
ストラスブールのグラン・ディル(STRASBOURG -GRANDE ILE)
2016年9月24日号グラン・ディルとは「大きな島」を意味し、フランス北部の都市、ストラスブールを流れるイル川に囲まれた中州の区域を指す。ストラスブールはドイツとの国境近くに位置し、16世紀前半、マルティン・ルターによる宗教改革の中心地となったことでも知られる。
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大人のための最先端理科
【生命科学】 1年かかる実験が1カ月に短縮 ゲノム編集はどこがすごいのか
2016年9月24日号スポーツの世界でオリンピックの金メダルは特別な意味を持つ。同様に科学の世界にも多数の賞があるが、ノーベル賞は一般の認知度も高く別格だ。近い将来確実にノーベル賞を受賞すると目されており、京都大学の山中伸弥教授が「今世紀最大の発明」と称賛するのが「ゲノム編集」である。