記事一覧:ネンドの鮮度「デザイン目線」タテヨコナナメ56件
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ネンドの鮮度「デザイン目線」タテヨコナナメ
「捨てる」文化の日本に 必要な「リデザイン」
2013年9月7日号ゼロからアイデアを考えるのもデザインですが、すでに存在するものにアイデアを付加することも、立派なデザインです。デザインリテラシーの低い地域では、これを「盗作」と誤解してしまうこともあるようですが(さらにリテラシーが低い地域では、パクること自体が日常的なのでそんな議論も巻き起こりませんが……)、欧米では「リデザイン」という名称で市民権を得ています。
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ネンドの鮮度「デザイン目線」タテヨコナナメ
夏の高校野球で 「負けても泣かない」選手
2013年8月31日号今年も夏の高校野球が盛り上がりましたね。最近はほとんど見ていないのですが、去年の甲子園で1試合22奪三振という離れ業を成し遂げた、桐光学園高の松井裕樹投手くらいは知っています。今年は県大会の準々決勝で散ってしまいましたが、印象的だったのが、試合後に号泣している姿。高校生の純粋さとひた向きさの象徴で、誰もがある種のノスタルジーを感じるものです。いわゆる「青春」ってやつですね。
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ネンドの鮮度「デザイン目線」タテヨコナナメ
選挙結果より気になる 参院選にまつわるデザイン
2013年8月24日号参議院選挙が終わりましたが、その結果以上に気になるのが選挙にまつわるデザインです政党のロゴやポスター、タスキ掛けをしての街頭演説、白いハイエースに機材を載せた選挙カー……。選挙そのものの告知方法や投票所、掲示板や政見放送もまた、表現としてはいかがなものでしょうか。自分の中で引っかかっているのは、デザインの善し悪しというよりも、デザインへの意識そのものが感じられないこと。何も考えずに「今までもそうだったから」程度の理由で同じことをやり続けているとしたら愚かな話です。
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ネンドの鮮度「デザイン目線」タテヨコナナメ
アイデアの「整腸薬」は 日常に潜んでいる
2013年8月17日号外出時は常に「正露丸糖衣A」と「ストッパ」をダブルで持ち歩くほど、相変わらず腸弱な私です。連日の真夏日で冷たい飲み物が増えたせいもあって、いっそうお腹がデリケートになっています。お尻が昨今多発している「ゲリラ豪雨」のようです。
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トイレの注意書きに学ぶ 「半歩前に出る」デザイン
2013年8月3日号公衆トイレの小便器の上に「半歩前に」と書かれた紙が貼られていました。あまりにも謙虚な言葉に、一瞬出るものも出なくなった……というほどのことではないですが、あえて「1歩」を求めないところに管理人の上手さを感じます。1歩前に出てしまうと、床の飛散物を踏むリスクが格段に上がるのは自明の理ですが、「半歩くらいなら何とか……」となるのが人の心理です。
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目立ちたいけど恥ずかしい 消費者の面倒くさい心理
2013年7月27日号人は皆、他の人とは違うものが欲しいんです。でも、結局はみんなと同じものを持つことによる安心感を捨て切れない生き物でもあります。目立ちたいけど、周囲から浮くのは気恥ずかしい。新しいものに憧れるけど、新し過ぎるものは怖い。この少々面倒くさい心理を汲み取れるかどうかは、デザインをする上でとても重要で、新商品であってもどこかしら「懐かしさ」というか、「過去に経験したことがある」という安心感をさりげなく匂わせることがコツだと思っています。
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化粧品がまずそう!? 安心する「形状」を考える
2013年7月20日号たまにテレビをつけると、便秘解消系のお茶やサプリメントのCMが多いことに驚きます。おじさんおばさんが笑顔で「ドッサリ出ました」って、そんな報告聞きたくないですよ、ほんとに。永谷園の「広東風かに玉」のCMがその直後に流れても、さすがに食欲をそそりません。ところで、デザインにも「美味しそうな形」と「まずそうな形」があると思います。私たちは果物や野菜を選ぶとき、無意識に形や肌合い、傷み具合などからその味をある程度予測しています。これを応用すれば、工業製品のデザインについても、素材や色や膨らみのある形状など、「鮮度」の高さをユーザーにアピールすることで、生き生きとしたものが生まれるんじゃないか、と思うわけです。
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探しものはなんですか まだまだ探す気ですか
2013年7月13日号抱えている案件数がいよいよ250を超え、1日に三つ四つデザインを手がけても追いつかなくなりました。アイデアを「考える」ヒマがないので、瞬時に「発見」しないといけません。 ところが、「確かこの辺にあったはず」の探しものが、「全く予想もしなかった」場所から忘れたころに出てくるのと一緒で、ありそうな場所に限ってアイデアは転がっていないもの。どうやらアイデアは「探さない」ほうがいいようなのです。
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30代・四十肩デザイナーの シェフならぬ「主婦」能力
2013年7月6日号日本の景気は右肩上がりといわれていますが、自分の右肩は上がらなくなりました。はい。35歳にして四十肩になりました。同様にうだつが上がらないのが日の丸メーカー。依然苦戦を強いられています。そうした日本企業の共通点として、「見る人が見ればわかる」とか「モノはいいのに売れない」といった類いの主張があります。「いいものさえ作っていれば売れるはず」という考え方です。
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ネンドの鮮度「デザイン目線」タテヨコナナメ
発想型デザイナーの活用が 日の丸メーカー復活のカギ
2013年6月29日号「一緒に仕事をする外部のデザイン事務所を、どう選んでいいのかわからない」という声を聞きます。よくあるパターンは、プロジェクト担当者がデザイン誌を読み漁ってなんとなくフィーリングで決めたり、たまたま知り合いに紹介されたり、といったケース。それはそれでいいと思うのですが、海外にはデザイナーのマッチングに特化した企業やエージェントが多数存在していることを考えると、真剣度合いには温度差がずいぶんあるようです。
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ネンドの鮮度「デザイン目線」タテヨコナナメ
酸味の「赤」と甘みの「赤」 色を通じて味を区別する
2013年6月22日号海外出張中です。今回はパリ、ミラノ、コペンハーゲン、ニューヨークを10日間で回るというものですが、この時期にしては涼しく、世界の猛者どもの“体臭”がまだ感じられません。逆に言うと、彼らの体臭が漂いだすと夏の訪れを予感させるという、いわば「季語」です。なぜかフランスやイタリアといった国は特に強烈です。
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野球中継の解説に思う… 「伝える」って難しい
2013年6月15日号最近、野球中継の解説コメントが妙に気になります。「ここはアウトにならないように意識しないといけませんね~」って、逆にそれ以外のことを考えながら野球をしないでほしい……。緊迫した投手戦でも「なんとしても先に1点取ることで先制したいですね」なんて、野球ではなく「先制」の意味を解説しているだけのケースもあります。
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ネンドの鮮度「デザイン目線」タテヨコナナメ
電車で隅の席に座る日本人 中心にドスンと座る西洋人
2013年6月8日号初めて出会うものなのに不思議となじむというか、妙に落ち着く感覚ってありますよね。インテリアでも、工業製品であっても。この「しっくり」くる感覚は、日本人と西洋人とでギャップがあるようです。その根本的な違いは「中心」と「隅っこ」というキーワードに収束されると考えています(勝手に)。
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ネンドの鮮度「デザイン目線」タテヨコナナメ
メジャーリーグとプロ野球 デザイン界にもある適応力
2013年6月1日号日本と海外の両方で仕事をしていると、国によって考え方やデザイナーの業務範囲が微妙に異なるので、その都度スタンスを変える必要があります。変化してよい部分と、決して曲げてはいけない部分とのバランスに毎回苦戦しています。
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欧州危機下の悲しい現実 ミラノサローネ出張報告
2013年5月25日号自分は決意したのです。いや、厳密には「したはずだった」と言うべきか。昨年10月に『ネンドノカンド~脱力デザイン論』を上梓して以来、会う人会う人から「本、読みましたよ」と言われるたびに感じる羞恥心。それもひとえに文中に散りばめられたシモの話のせいです。
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ネンドの鮮度「デザイン目線」タテヨコナナメ
コペンハーゲンで遭遇した トラウマ必至のトイレ事故
2013年5月18日号海外出張。トイレに入っていきなり小便器に大便が入っていたら、皆さんはどうしますか? 自分は三つの可能性を考えます。1.とんでもない非常事態に陥った2.文化の違いによる誤解3.凡ミスお初にお目にかかります。デザイナーの佐藤オオキと申します。