記事一覧:異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=118

  • 辟易する新聞各紙の「五輪狂想曲」

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    辟易する新聞各紙の「五輪狂想曲」

    2013年9月17日

    一体、どうしたことか。新聞各紙は批判精神を捨て去り、連日の五輪狂想曲である。国際オリンピック委員会(IOC)が2020年夏季五輪の東京開催を決定したのが、日本時間の9月8日。だれかの日頃の行いが悪いのか、その日は新聞休刊日のため、翌9日は全国紙朝刊がない。その鬱憤を晴らすかのように、同日付夕刊から新聞は大量の「祝賀報道」を始めた。

  • 携帯電話、なぜ“抱き合わせ販売”が許されるのか

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    携帯電話、なぜ“抱き合わせ販売”が許されるのか

    2013年9月9日

    初めて携帯電話のキャリアを変えた。大手3社は熾烈な顧客囲い込み戦争を繰り広げており、乗り換え客には現金還元などのサービスを競い合う。ところが、いざ契約に行ってみると、全く不可解なオプションの押し売りに遭い、大変不愉快な思いをした。

  • アリバイ、口実、根回し…政も官も「ロジ」が命

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    アリバイ、口実、根回し…政も官も「ロジ」が命

    2013年9月2日

    消費税増税の是非をめぐり、政府は有識者からヒアリングを実施した。それには、「今後の経済財政動向等についての集中点検会合」という、仰々しい名前が付けられていた。しかし、実施時期や税率引き上げ幅には流動的な要素があるものの、消費税増税という既定路線に変わりない。「国民の声にちゃんと耳を傾けた上で、私は最終決断しましたよ」という、安倍晋三首相の「アリバイ作り」のような気がする。それに加えて、「経済先行きに不安が残る中でギリギリの決断」を国民にアピールできれば、来年初めに再び大型補正予算を編成する際の「口実」にもなる。

  • 「首相動静」で浮き彫り、安倍首相の華麗な人脈

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    「首相動静」で浮き彫り、安倍首相の華麗な人脈

    2013年8月26日

    毎日、新聞各紙は「首相動静」を掲載している。時の総理大臣の行動が分刻みで記録されており、その人脈が浮き彫りになる。ジャーナリストにとっては、大変興味深い資料である。

  • 安倍政権と世論の「ねじれ」が深刻化する予感

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    安倍政権と世論の「ねじれ」が深刻化する予感

    2013年8月19日

    記録的な暑さが続き、日本列島が沸騰している。最高気温30度ではだれも驚かず、35度の猛暑日が当たり前。高知県四万十市では過去最高の41度を記録し、「日本一暑い街」として一躍脚光を浴びた。「日本最後の清流」といわれる四万十川で、名物のアユが茹で上がらないか心配になる。

  • 麻生氏「ナチス発言」、撤回で一件落着なのか?

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    麻生氏「ナチス発言」、撤回で一件落着なのか?

    2013年8月12日

    十数年前、取材でポーランドを訪れ、ナチス・ドイツがユダヤ人を大量虐殺していたアウシュビッツ強制収容所まで足を伸ばした。ユダヤ人が奪われた毛髪や眼鏡が「山」となっている傍らで、毒ガスの缶がうず高く積み上げられている。目を背けたくなるような大量の展示品に圧倒され続け、呼吸が苦しくなった。「人間は人間に対し、ここまでできるものなのか…」――。

  • 「対岸の火事」ではないデトロイト破産

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    「対岸の火事」ではないデトロイト破産

    2013年7月29日

    「土曜の夜、胸がぎゅっと締め付けられる。9時になり、明かりはラジオだけ。でも俺の歌が聞こえてくると、嫌なことも忘れちまう。好きなようにやってくれ、どうすればよいか教えてくれ。立ち上がれ、みんな足を鳴らし始めた。落ち着け、みんな席を立とうとしている。ロックの街デトロイトでは、あんたも正気じゃいられない…」(キッス「デトロイト・ロック・シティー」)

  • 「薬物依存」から決別するバーナンキ議長

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    「薬物依存」から決別するバーナンキ議長

    2013年7月22日

    どんな良薬でも飲み続けていると、だんだん副作用の心配が強くなる。だから、病気が快方に向かい始めれば、担当医は薬を打ち切ろう、あるいは投薬量を減らそうと考える。一方、患者はそれに伴う痛みや症状の再発を恐れ、投薬の継続を懇願する。しかし、患者の不興を買うことを恐れず、「薬物依存」から脱却させることこそ、良心を持つ医師の責務である。

  • 「表現の自由」を脅かす、自民党の改憲草案

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    「表現の自由」を脅かす、自民党の改憲草案

    2013年7月16日

    全く盛り上がりを感じない。第23回参院選である。どの新聞も自民、公明両党の大勝、さらには非改選議席と合計で過半数突破を予測し、競馬なら本命で決まる「鉄板レース」。だから、ゲームとしては面白いはずない。投開票の21日も猛暑であれば、投票率は過去最低(1995年=44.52%)を更新するかもしれない。

  • アベノミクスなんて役立たず!

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    アベノミクスなんて役立たず!

    2013年7月8日

    日が沈むと無数の看板に灯が入り、「出勤」ラッシュが始まる。コテコテに着飾ったお姉さんは少なく、ほとんどが普通のOL風である。1人また1人、雑居ビルの中に消えていく。店内でドレスに着替え、メークを素早く仕上げて、美しい戦士は今宵(こよい)も真剣勝負。いつの時代も夜の銀座のクラブ街は、華と緊張に包まれている。しかし、店を経営するママの表情は看板ほど明るくならない。

  • 「AKB総選挙」を国政に導入しよう

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    「AKB総選挙」を国政に導入しよう

    2013年7月1日

    6月23日の東京都議会選は、深夜までテレビの開票速報を楽しんだ。1人しか当選しない衆院選小選挙区と異なり、都議選各選挙区の定数は1~8人とバラエティーに富んでいる。大選挙区では混戦となり、最後まで目を離せない。衆院選のように小選挙区で敗れても比例区で復活という「ゾンビ議員」もいないから、勝負が明快で分かりやすい。やはり、ゲームとして面白くなければ、政治は盛り上がらない。

  • ボールが飛ぶ、飛ばない、飛ぶ…

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    ボールが飛ぶ、飛ばない、飛ぶ…

    2013年6月24日

    プロ野球の「飛ぶボール」をめぐる一連の疑惑には、腑(ふ)に落ちない点があまりに多い。統一球の変更を「全く知らなかった」と釈明した日本野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナーに対し、マスコミは批判の集中砲火を浴びせている。確かに、球界のトップが「不祥事ではない」と開き直って済む話ではなく、進退問題に発展するのも当然だろう。だが、加藤氏辞任で「一件落着」なら、真実は永遠にベールに包まれてしまい、前近代的な球界体質が温存されるように思う。

  • どんな「日本」を取り戻すのか

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    どんな「日本」を取り戻すのか

    2013年6月17日

    「『日本はまだまだ成長できる』、『日本は再び世界の真ん中で活躍できる』―。そんな自信が、ふと芽生えつつある。『期待』にも似た感情です。これを『確信』に変えていくのが、私の使命です。『日本を取り戻す』戦いは、まだまだ道半ばです」(6月5日、内外情勢調査会で安倍晋三首相講演)

  • 「徴兵制」でまともな国会議員を送り込め

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    「徴兵制」でまともな国会議員を送り込め

    2013年6月10日

    「どこの誰がそんなに支持しているの?」――。丸の内かいわいでビジネスマンと話をしていると、お互い首をかしげることが多い。それは、安倍内閣の支持率である。「5.23株価暴落」でダウンすると思っていたら、共同通信社の世論調査(6月1~2日実施)では68・0%と高水準を維持。前回から2.9%しか下がらず、「体感」とは大きな差がある。

  • 社長になると「美しく」引退できない?

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    社長になると「美しく」引退できない?

    2013年6月3日

    「若いころほど酒は飲めない。ゴルフに行ってもドライバーが飛ばないし、カラオケは演歌しか知らない。カネはあるよ、でも女性と遊ぶ体力がない。そもそも昔からモテないんだよ。自宅で楽しむ趣味もないから、楽しいのは会社だけ。毎朝、黒塗りが迎えに来るし、仕事もないのに秘書と個室が付いて、メシ食うのに自腹を切る必要もない。『会社の役に立っているか?』なんて知るもんか、俺はエライんだから当然なんだよ。文句あるか!」――。

  • なぜ円安・株高でも給料がアップしない?

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    なぜ円安・株高でも給料がアップしない?

    2013年5月27日

     5月20日夜、雨の降りしきるQVCマリンフィールド。広島カープのエースは、えぐるようなスライダーで黙々と打者を片付けていく。PL学園高校時代に甲子園で大活躍し、ドラフト1位でプロ入り。今や、前田健太は日本球界を代表する右腕である。片や、県予選決勝で敗れ、甲子園の土を踏めなかった西野勇士。高校卒業時は大学進学への道を自ら断ち、ドラフト会議に臨んだ。しかし、どこの球団も指名してくれない。唯一、ロッテが育成選手として拾い上げた。育成は一軍の試合に出られず、背中に3桁の重い番号を背負う。それから5年、今春ようやく一軍デビューを果たした。

  • いつまで日本郵政を政争の具にするのか

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    いつまで日本郵政を政争の具にするのか

    2013年5月20日

    今年3月、東京・丸の内にまた一つ観光名所が登場した。「KITTE(キッテ)」と名付けられた商業施設は、巨大な吹き抜けが売り物。その開放感はビジネス街の貴重なオアシスとなり、オープンから10日余りで来館者は100万人を突破している。KITTEは、高さ200メートルの高層ビル・JPタワー(旧東京中央郵便局)の低層棟。旧局舎の外壁が保存され、東京駅の赤レンガ駅舎とコンビで首都玄関の“顔”を務める。

  • 円安は輸出産業への「補助金」

    異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
    円安は輸出産業への「補助金」

    2013年5月3日

    わずか800メートル四方のエリアで、10.4万人が黙々と働いている。一人当たりの土地面積は、畳4枚にも満たない。日中はスーツを着込んだ欲望が渦巻き、カネさえあれば何でも手に入る。ところが、夜間人口は27人に激減―。こんな奇妙な街、東京・丸の内で世間の常識を嗤(わら)い、心に映り行くよしなし事を書き付けていく。

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記者の目

  • 副編集長 千本木啓文

    農協から届いた「抗議文」を読んで、しばし感傷に浸る

     JA全中から毎年、抗議文をもらうのですが、今年は雑誌の発売前に届きました。特集の一部を「組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿」としてダイヤモンド・オンラインで先に配信したからです。
     抗議文は、「19万人の農協役職員の0.2%の意見で記事が構成されており、(中略)偏った先入観を植え付ける意図があった」として、続編の配信中止を求める内容でした。
     組合長ら幹部200人超を含む役職員434人の声には傾聴する価値があるはずです。抗議文を読み、自分は若いと思い込んでいる人が鏡に映った老いた姿を見て、こんなはずはないと怒っているような印象を持ちました。自戒を込めて、鏡のせいにしてはいけないと思いました。

  • 編集長 浅島亮子

    ロングセラー第9弾でも攻め続ける農業特集

     今年も人気企画「儲かる農業」特集の第9弾が刷り上がりました。身内ながら感心するのが、毎年新しいコンテンツを加えて特集構成を刷新していることです。今回の新ネタは農協役職員アンケート。ロングセラー企画の定番を変えるには勇気が必要ですが、果敢に新機軸を打ち出しているのです。
     昨年、千本木デスク率いる農協問題取材チームは、共済の自爆営業などJAグループの不正を暴いたことが評価され、報道実務家フォーラム「調査報道大賞」優秀賞を受賞しました。訴訟に屈することなく、問題の本質を突く取材活動を貫いた結果と受け止めています。今回の特集でも粘り強い取材は健在。取材チームの熱量を存分に感じていただければ幸いです。

最新号の案内2024年5月11日号

表紙

特集儲かる農業2024

いよいよ儲かる農業が実現するフェーズに入った。「台頭する豪農」と「欧米のテクノロジー」と「陰の仕掛け人」が”令和の農業維新”というムーブメントを起こしている。他方、農業を牛耳ってきた旧来勢力である農協と農水省は、存在意義を問われる”緊急事態…

特集2家計・住宅ローン・株が激変! 金利ある世界

日本銀行が17年ぶりの利上げで金融政策の正常化に踏み出した。”金利ゼロ”に慣れ切った家計や企業経営、財政はどうなるのか。日本は「成長期待が持てない経済」から抜け出せるのか。それとも低金利は続き、物や資本が余った経済への道を歩むのか。「金利あ…