記事一覧:異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=118件
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異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
集団的自衛権、衆院解散で国民の信を問え!
2014年7月7日「われわれはたいていの場合、見てから定義しないで、定義してから見る。外界の、大きくて、盛んで、騒がしい混沌状態の中から、すでにわれわれの文化がわれわれのために定義してくれているものを拾い上げる。そしてこうして拾い上げたものを、われわれの文化によってステレオタイプ化されたかたちのままで知覚しがちである」(ウォルター・リップマン『世論』掛川トミ子訳、岩波文庫)―。
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異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
法人税率を引き下げると、賃金が増えるのか
2014年6月30日四半世紀前の新人記者時代、3月末に会社が“小遣い”をくれた。数万円だったと記憶している。単純に嬉しかったが、何かウラでもあるのかと勘繰り、先輩記者にその訳を尋ねた。すると、「もらっときゃいいんだよ。会社にしてみたら、税金を払うぐらいなら、お前に飲ませてやったほうがマシなんだよ」という。何に使ったか全く覚えていないから、きっと新橋界隈で散在したのだろう。
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異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
「全員野球」の会社に未来はあるのか
2014年6月23日サッカーのワールドカップ(W杯)ブラジル大会では、予選グループリーグから死闘が繰り広げられている。代表選手のプライドだけでなく、国家の威信も懸かるから、「負けられない」試合ばかりになる。一方、野球の米大リーグは長い公式戦(162試合)のまだ半分ぐらい。こちらのほうは「負けてもよい」試合をつくる余裕がないと、長丁場を乗り切って栄冠を勝ち取ることは難しい。
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ECBの「スーパー・マリオ」に裏技はあるのか
2014年6月16日各国でキツネとタヌキの化かし合い、すなわち中央銀行と金融市場の神経戦が展開されている。欧州中央銀行(ECB)はマイナス金利を導入し、民間銀行がECBにお金を預け入れると元本が目減りするという異例の措置を講じた。しかし、これがユーロ安をもたらし、欧州のデフレ懸念は払拭されるとは言い切れない。
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なぜ最強軍隊は「地下トンネル」に敗れたのか
2014年6月9日ベトナム最大の都市ホーチミン(旧市名サイゴン)を出発し、車は北西へ進んでいく。途中から凸凹道になり、車窓ものどかな田園から熱帯の密林に変わる。1時間半ほど走り、カンボジア国境の手前でクチに着いた。ベトナム戦争当時、南ベトナム解放民族戦線(ベトコン)はこの地域に総延長250キロという地下トンネルを張りめぐらし、世界最強の米軍に対してゲリラ戦を敢行した。
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「さつま揚げサンド」はハンバーガーを撃退できるか
2014年6月2日代表的なベトナム料理に「フォー」がある。ラーメンに似ているが、平たい麺は小麦粉ではなく米粉から作られる。スープのベースは鶏肉、牛肉、魚介類など様々だが、あっさりしていて日本人の舌にも合う。筆者も1週間余のベトナム出張中、毎日フォーを食したが、飽きることはなかった。
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戦場記者が「ハッピー・サイゴン」を愛した理由
2014年5月26日まだ5月上旬というのに、日が沈んでも気温は30度を超えたままだから、額から流れる汗が止まらない。しかし、ルーフトップのバーに入ると、サイゴン川からのさわやかな風が優しく迎えてくれ、長旅の疲れを吹き飛ばしてくれる。昔、決死の覚悟で戦場取材に臨んでいたジャーナリストも、ここで昂ぶり続ける神経をしばし休ませ、命の洗濯をしていたのだろう。真っ白いウサギの駅長が茶色いウサギの駅員2羽と力を合わせ、田舎の小さな駅を守っていた…。童話や昔話ではない。第三セクター山形鉄道(本社山形県長井市)のフラワー長井線の現状である。
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大震災を乗り越え、がんばるウサギ駅長
2014年5月19日真っ白いウサギの駅長が茶色いウサギの駅員2羽と力を合わせ、田舎の小さな駅を守っていた…。童話や昔話ではない。第三セクター山形鉄道(本社山形県長井市)のフラワー長井線の現状である。
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米大統領はTPP合意先送りで「御の字」?
2014年5月12日環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は、4月24日に東京で開かれた日米首脳会談でも大筋合意に至らず、農業や自動車などをめぐる懸案は先送りされた。日本の一部報道機関は先走って「実質合意」や「牛肉や豚肉の関税引き下げで基本合意」といった誤報を出し、日本政府の交渉担当者が報道内容を否定する記者会見を開くなど異例の展開になった。オバマ米大統領は厳しい国内政治情勢を抱えており、今回は日本が全面譲歩しない以上、懸案先送りで「御の字」だったということだろう。
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年金運用を「政権延命」の道具にしてよいのか
2014年4月28日国民が汗水流して働き、懸命に積み立てた公的年金の資金は128兆円。老後の生活を支える巨額資金の運用は当然、安全第一でなければならず、細心の注意が要求される。だから、投機に充てることなどあり得ない。その原則に基づいて、公的年金の資金運用はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に任せられている。ところが、安倍政権は安全第一の原則を破り、自らの延命のため年金資金を株価対策に利用しようとしている。
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だれもが15分は有名人になる時代
2014年4月21日「将来、だれもが15分間は世界的な有名人になるだろう(In the future, everybody will be world- famous for 15 minutes)」―。今から半世紀近く前、米ポップアート界の大御所アンディ・ウォーホールはメディアの急激な進化を予言してみせ、それは見事なまでに的中した。森美術館(東京・六本木ヒルズ)で開催中のアンディ・ウォーホール展に行くと、シニカルな表現で未来社会の本質を鋭く突いていた彼の洞察力に改めて感服する。
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初登板勝利、やはり「神の子」だったマー君
2014年4月14日器の違いを見せつけられた。米大リーグ・ヤンキースに移籍し、4月4日の初登板で勝利を手にした「マー君」こと田中将大投手である。テレビ観戦していると、大リーガーとの真剣勝負がもたらす緊張を楽しんでいるように見えた。彼の活躍がますます楽しみになる半面、日本の球界の将来を考えると決して喜んでいられない。
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国家権力は「時間泥棒」、袴田さんが奪われた48年
2014年4月7日桜の季節を迎えた。虫がつかないよう一年中大事に育てても、ぱっと咲いてぱっと散ってしまう。その潔さが古代から人々の心をとらえてきた。多大な労力をかけてたった数日の満開を観賞するという、日本で味わえる最高の贅沢といってもよいだろう。
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SLが与えてくれる「ストーリー」
2014年3月31日「やっぱりシゴハチはきれいだな」―。真っ黒な鉄の塊を「きれい」と表現するセンスを素敵に思い、その老紳士に声を掛ける。すると、「Cは動輪が3つ、Dなら4つなんだよ…」とゆっくり解説が始まった。「シゴハチ」というのは、旧国鉄のC58型蒸気機関車(SL)のことである。
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ニュースと真実は似て非なるもの
2014年3月24日駆け出し記者時代、某社経済部でバブル期の製造業を担当した。狭い記者クラブでは、報道各社のおっかない大記者連が凄みをきかせていた。しかし古き大らかな時代だったから、長老記者はライバル社なのに生意気な若僧を親身になって鍛えてくれた。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」を背景に、日本を代表するメーカーは連日のように記者会見を開き、「世界初」「世界最高」の新製品・新技術といった華々しい発表を続けていた。
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円やドルはビットコインより優れているか?
2014年3月17日仮想通貨ビットコインをめぐる騒動は収束するどころか、混乱に一段と拍車が掛かっている。日本人には馴染みがなかったが、騒動の震源となった私設取引所のマウント・ゴックスが東京・渋谷に本拠を構えていたから、日本政府も対応に追われている。
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3.11から3年~何を学び何を忘れたのか
2014年3月10日東日本大震災から3年。巨大津波に襲われた三陸沿岸の岩手県大槌町は壊滅し、 人口の1割近い約1300人が犠牲になった。中心街は未だに焼け野原のような状態であり、復興の前途は険しい。
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異論毒舌「丸の内日記」=生涯一記者の遠吠え=
またもや保険金不払い、東京海上は一流企業なのか
2014年3月3日プライド(pride)。これを持たなくては、人は生きていけない.ソチ冬季五輪の女子フィギュアスケートで、浅田真央選手はショートプログラム(SP)でミスを重ね、16位に沈んだ。並みの選手なら、それだけでへこんでしまい、戦意喪失だろう。だが、やはり超一流の彼女は違った。その後のフリー演技では自己ベストを更新、見事に6位入賞を果たした。
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なぜ東横線で追突事故が起きたのか?
2014年2月24日関東や甲信越、東北地方は観測史上最大級の雪に見舞われた。山梨、長野県などでは交通網が分断されてしまい、孤立した集落も少なくない。除雪のマンパワー不足が浮き彫りになり、少子高齢化が防災面でも深刻なリスク要因だと痛感した。
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会社法改正で役人天下りが急増?
2014年2月17日国の政策というのは、一見もっともらしいものほど疑ってかかるべきだ。政府が今国会で成立を目指す会社法改正もその類である。風が吹けば儲かるのは桶屋だが、この法改正で儲かるのは天下り役人。霞が関は隙あらば利権拡大、いつの時代も変わらない。