記事一覧:Book Reviews 著者のホンネ59

  • トヨタ発の新たな“知恵”自工程完結が導くモノづくり

    Book Reviews 著者のホンネ
    トヨタ発の新たな“知恵” 自工程完結が導くモノづくり

    2015年12月19日号  

    大企業病というのは、組織がお客さまのため“以外”の仕事をやり始めることです。その度合いが大きければ大きいほど、症状が深刻であるといえます。どんな会社であっても、仕事の目的・目標というのは本来、「お客さまに対して、ある価値をお届けする」ことにありますよね。その目的に向かって、企業は自分たちの仕事のプロセスを設計しているはずです。

  • IoTのルール作りに出遅れた日本企業にもまだ勝算はある

    Book Reviews 著者のホンネ
    IoTのルール作りに出遅れた 日本企業にもまだ勝算はある

    2015年11月7日号  

    インダストリー4.0は、一口で言えばIoT(Internet of Things。モノのインターネット)をモノづくりの製造プロセスに応用することで、業界横断的に製造業の効率化と生産性向上を狙う活動のことです。あるいは米ゼネラル・エレクトリック(GE)を中心に米国が掲げる「インダストリアル・インターネット」も、IoTを活用して効率化を図るという点は共通しています。

  • 難病を受け入れた外食企業家の衝撃の告白

    Book Reviews 著者のホンネ
    難病を受け入れた 外食企業家の衝撃の告白

    2015年10月10日号  

    これは松村厚久さんの物語ですが、私が原稿を書くので松村さんには編集権はありません。つまり、作家に全てを委ねるだけです。ご自身が読書家で、文芸の世界を理解していないとできない決断だと思います。私は何度もライターを使った自著にした方がいいと勧めました。外食での成功物語にしたいならその方がいい。でも、パーキンソン病であることも含めてありのままを書いてほしいと。繰り返し言われ、スイッチが入りました。

  • 起業家たちが歩む“茨の道”をありのまま綴った異端のビジネス書

    Book Reviews 著者のホンネ
    起業家たちが歩む“茨の道”を ありのまま綴った異端のビジネス書

    2015年9月26日号  

    日本の伝統的な企業は、経営のプロセス強化や役員陣の合意などを重視することが多いですね。しかし新しい会社をつくるなら、そうした日本のビジネス文化を脱却することを期待しています。再びソニーや任天堂のような企業をつくる力があるはずです。

  • 異色の経営者と無頼派作家友情が生んだ挑戦する姿勢

    Book Reviews 著者のホンネ
    異色の経営者と無頼派作家 友情が生んだ挑戦する姿勢

    2015年7月25日号  

    開高も作家の地位を確立した後、あえて自らに「断絶」を課すためにベトナム戦争の最前線を取材し、小説『夏の闇』といった傑作を生み出しました。周囲から愛された敬三も経営者として孤独を抱えており、開高はいわば「心の安定剤」でした。

  • 日本のネット創成期の物語から国家のIT戦略を問い掛ける

    Book Reviews 著者のホンネ
    日本のネット創成期の物語から 国家のIT戦略を問い掛ける

    2015年5月30日号  

    例えば、2002~03年ごろの地獄のような日々は鮮明に覚えています。トヨタ自動車とソニーから出資を受けて、高速データ通信事業を手掛ける合弁会社のクロスウェーブコミュニケーションズ(1998年設立)は、その将来性を評価してもらう「コンセプシャルIPO」によって、米国ナスダックで上場を果たしました。まだ1億円しか売上高がなかったのにです。

  • 真っ暗闇の中の対話で社会の価値観が変わる

    Book Reviews 著者のホンネ
    真っ暗闇の中の対話で 社会の価値観が変わる

    2015年5月2日号  

    ダイアログ・イン・ザ・ダークは1988年にドイツで誕生しました。「暗闇の中の対話」という名前の通り、真っ暗闇の中に8人1チームで入場するのですが、中は真っ暗ですから先に進むことは難しい。そこで、参加者は白杖を手に持ち、「アテンド」と呼ばれる視覚障害者が案内人を務め、皆を導きます。つまり、日常の世界とは関係性が逆転するのです。

  • ゼロベースで考えよう「独自の思考」をする方法

    Book Reviews 著者のホンネ
    ゼロベースで考えよう 「独自の思考」をする方法

    2015年4月18日号  

    本の中では、創造的な考え方をするには、「週に1、2度考えるようにすればいい」と書きました。多くの人は、自分はものを考えていると思い込んでいますが、実際にはじっくりとものを考える機会自体、ほとんど持っていません。

  • グーグルが狙う自動車産業の新しい“勝者の条件”に迫る

    Book Reviews 著者のホンネ
    グーグルが狙う自動車産業の 新しい“勝者の条件”に迫る

    2015年4月11日号  

    米国は自動車産業の復権を狙っています。その主人公はビッグスリー(ゼネラル・モーターズ、フォード・モーター、クライスラー)ではなく、IT企業のグーグルだというのが私の見方です。グーグルがすぐ自動車を扱えるようになるとは思いません。しかし彼らのすごさは、自動車を単一製品としてではなく、長期的な都市設計まで含めた大きなシステムやインフラの一環として描いている視点にあります。

  • 血みどろの権力闘争に迫る類いなきノンフィクション

    Book Reviews 著者のホンネ
    血みどろの権力闘争に迫る 類いなきノンフィクション

    2015年4月4日号  

    血みどろの権力闘争で江沢民と胡錦濤がぶつかり合って共倒れし、妥協の産物として誕生したのが習主席──。当初は誰もがそう思っていましたし、私もそうでした。しかし、過去に例のない激しい闘争の末に誕生したからこそ、歴代の指導者より権力基盤をより早く固められたといえます。

  • ハイブリッド車に負けない魅力を追求したMr.エンジン

    Book Reviews 著者のホンネ
    ハイブリッド車に負けない 魅力を追求したMr.エンジン

    2015年3月28日号  

    常日頃、電気自動車やハイブリッド車に関する報道が表面的であることに、ストレスを感じていました。燃費の良さだけを求めて高価格なハイブリッド車を買っても、燃費では元は取れません。講演等でそういった話をしても切りがない。本であれば、もう少し広く伝えることができるのでは、と思ったわけです。

  • カリスマなんて必要ないMITで教える起業手法

    Book Reviews 著者のホンネ
    カリスマなんて必要ない MITで教える起業手法

    2015年1月24日号  

    私も15年前は、起業家として生まれついたかどうかがキーだと考えていました。しかし今は、手法として学ぶことで起業家になれると確信しています。マサチューセッツ工科大学(MIT)で、生徒たちが起業家として羽ばたいていくのを毎週見ているからです。つまり、起業は体系的に教えられるのです。著書では起業に必要な手法を24のステップに分けて説明しています。

  • 政治改革の断行なくして李コノミクスは成功しない

    Book Reviews 著者のホンネ
    政治改革の断行なくして 李コノミクスは成功しない

    2015年1月17日号  

    以前から、日本で出版されている中国に関する本は、議論が少し偏っているものが多いと感じていました。また、仕事で政治家や官僚、企業の方々に講演をすることも多いのですが、意外と中国に関する基本的なことが知られていないということも感じていました。

  • 日銀が踏み込んだ異次元緩和出口に続く狭き道を閉ざすな

    Book Reviews 著者のホンネ
    日銀が踏み込んだ異次元緩和 出口に続く狭き道を閉ざすな

    2014年9月13日号  

    昨年4月に日本銀行は「2年で2%の物価上昇」を目指す異次元緩和を始めました。長期国債の保有額を大量に増やし、通貨量を年間60兆~70兆円増やすといった政策を実行して1年が過ぎ、その間のことをまとめる必要性を感じていました。金融緩和は“カンフル剤”と“痛み止め”を兼ねています。その上、国の借金が増えることがすぐ分かる財政政策と違い、コストが意識されにくい。ですが、過去の金融緩和もフリーランチ(タダ飯)で済んだわけではありません。

  • ジョブズ亡きアップルの衰退の兆しを追い続けた一冊

    Book Reviews 著者のホンネ
    ジョブズ亡きアップルの 衰退の兆しを追い続けた一冊

    2014年7月12日号  

    創業者亡きアップルにどのような未来が待っているのか、ジョブズの死期を現地で取材できた経験から、描きたいと思いました。彼が亡くなってから程なく、「アップルが変わった」と感じたのは彼らの商品広告です。例えば音声認識でユーザーと会話ができる人工知能「Siri」がiPhone4Sに搭載され、その素晴らしさが大きくPRされました。

  • イノベーションを生むには「枠の中」の制約で思考せよ

    Book Reviews 著者のホンネ
    イノベーションを生むには 「枠の中」の制約で思考せよ

    2014年6月28日号  

    従来は、独創的で革新的なイノベーションには、「枠の外(アウトサイドボックス)」で物事を考えなければならない、とされてきました。創造のプロセスは体系化できず、パターンにはめ込むことは無理だと考えられてきたのです。

  • 今、この瞬間から変わる!未来を見るアドラーの教え

    Book Reviews 著者のホンネ
    今、この瞬間から変わる! 未来を見るアドラーの教え

    2014年5月31日号  

    心理学者といえば、日本ではフロイトやユングが有名ですが、アドラーの名前はあまり知られていません。しかし、世界的には、アドラーも含めて「心理学の三大巨頭」といわれています。デール・カーネギーの『人を動かす』やスティーブン・R・コヴィーの『7つの習慣』にも、アドラー心理学の思想が反映されています。

  • 新しい公共財「くまモン」県庁改革で役所の常識を破る

    Book Reviews 著者のホンネ
    新しい公共財「くまモン」 県庁改革で役所の常識を破る

    2014年5月24日号  

    多くの方に「くまモン」に関心を持ってもらいましたが、「なぜ県庁という堅い職場の中から、くまモンが出てきたんだろう」という疑問が出てきたようです。その中で、知事である私の経歴が注目され「書きませんか」という話を頂きました。

  • グーグルへの企業売却を成功させた起業の指南書

    Book Reviews 著者のホンネ
    グーグルへの企業売却を 成功させた起業の指南書

    2014年4月26日号  

    創業者の中西雄飛さんと浦田順一さんは、東大の助教として、ヒト型ロボットの開発をしており、その研究において世界のトップを走っていました。私は幾つかの会社を経営してきましたし、ベンチャーキャピタル(VC)にも関わっていたため、12年に二人から、大学からスピンアウトしてベンチャー企業を立ち上げたいという相談を受けました。

  • 自信を失った日本人に届けたい「一瞬で人生が変わる」名言集

    Book Reviews 著者のホンネ
    自信を失った日本人に届けたい 「一瞬で人生が変わる」名言集

    2014年3月29日号  

    私がアンソニー・ロビンズ氏に出会ったのは2006年のことでした。初めて彼のセミナーに参加して、「これは日本人に伝えなければ!」という使命感が湧いてきたんです。それまでにかなりの数の自己啓発系のセミナーを受けて、いろいろ学んだつもりでいましたが、アンソニーに出会って、「これこそが本物だ」と確信しました。

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記者の目

  • 副編集長 千本木啓文

    農協から届いた「抗議文」を読んで、しばし感傷に浸る

     JA全中から毎年、抗議文をもらうのですが、今年は雑誌の発売前に届きました。特集の一部を「組合長165人が“辛口”評価 JA上部団体の通信簿」としてダイヤモンド・オンラインで先に配信したからです。
     抗議文は、「19万人の農協役職員の0.2%の意見で記事が構成されており、(中略)偏った先入観を植え付ける意図があった」として、続編の配信中止を求める内容でした。
     組合長ら幹部200人超を含む役職員434人の声には傾聴する価値があるはずです。抗議文を読み、自分は若いと思い込んでいる人が鏡に映った老いた姿を見て、こんなはずはないと怒っているような印象を持ちました。自戒を込めて、鏡のせいにしてはいけないと思いました。

  • 編集長 浅島亮子

    ロングセラー第9弾でも攻め続ける農業特集

     今年も人気企画「儲かる農業」特集の第9弾が刷り上がりました。身内ながら感心するのが、毎年新しいコンテンツを加えて特集構成を刷新していることです。今回の新ネタは農協役職員アンケート。ロングセラー企画の定番を変えるには勇気が必要ですが、果敢に新機軸を打ち出しているのです。
     昨年、千本木デスク率いる農協問題取材チームは、共済の自爆営業などJAグループの不正を暴いたことが評価され、報道実務家フォーラム「調査報道大賞」優秀賞を受賞しました。訴訟に屈することなく、問題の本質を突く取材活動を貫いた結果と受け止めています。今回の特集でも粘り強い取材は健在。取材チームの熱量を存分に感じていただければ幸いです。

最新号の案内2024年5月11日号

表紙

特集儲かる農業2024

いよいよ儲かる農業が実現するフェーズに入った。「台頭する豪農」と「欧米のテクノロジー」と「陰の仕掛け人」が”令和の農業維新”というムーブメントを起こしている。他方、農業を牛耳ってきた旧来勢力である農協と農水省は、存在意義を問われる”緊急事態…

特集2家計・住宅ローン・株が激変! 金利ある世界

日本銀行が17年ぶりの利上げで金融政策の正常化に踏み出した。”金利ゼロ”に慣れ切った家計や企業経営、財政はどうなるのか。日本は「成長期待が持てない経済」から抜け出せるのか。それとも低金利は続き、物や資本が余った経済への道を歩むのか。「金利あ…