記事一覧:World Scope ワールドスコープ669件
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【from 欧州】 溺れる者は藁をもつかむ ギリシャがドイツに 第2次大戦賠償金請求
2015年5月16日号ギリシャのマルダス財務副大臣は、第2次世界大戦中のナチス・ドイツ軍のギリシャ占領の賠償として2787億ユーロ(約36兆円)にも上る賠償金をドイツに請求した。これに対しドイツは、1960年にギリシャと賠償協定を締結し、政治的にも法律的にも賠償の支払いは完了していると主張。しかし4月11日にパラスケヴォプロス法相は、ドイツの協力が得られないならば、ギリシャ国内にあるドイツの財産を没収すると述べた。
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【from 米国】 アマゾン支配の中 生き残る個性派書店の インディペンデント魂
2015年5月16日号独立系の書店が多いボストンに住んだ後、9年前にロサンゼルスに引っ越して最初に気付いたのは、書店の数の圧倒的な少なさだった。ルームメートになったハーバード大学卒でUCLAの哲学科博士課程の男子学生に「ウチから一番近い書店はどこ?」と聞くと「書店? もうほぼ潰れて街中に残ってないし、どこにあるかも知らない」と答えた。LA住民の中でも最も本を読みそうな文系博士課程の学生が、最後に書店に行ったのはいつかも覚えていないという。
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【from アジア】 東南アジア新興国で リゾート開発花盛り カジノ乱立の懸念も
2015年5月2日号4月上旬にベトナム中部の港湾都市ダナンの界隈を久しぶりに訪れた。ハノイ在住の1990年代に頻繁に来ていたころは、ダナンの海辺も、同市の南に位置するホイアンなどもどこも長閑で、観光客はまばらだった。だが今は一大観光地に変貌している。インフラは整備され、豪華なホテルやお洒落なカフェが立ち並ぶ。周辺アジア都市との直行便が増え、例えば筆者が住むシンガポールでも、人気のレジャースポットとして急浮上している。だが、観光客は外国人だけではない。むしろ国内各都市から訪れるベトナム人の方が圧倒的に多い。
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【from 欧州】 復調のスペイン経済 構造改革の成果に加え 観光収入増加が後押し
2015年5月2日号スペイン経済は、2000年代末以降、世界的な金融危機や欧州債務問題の深刻化によって大幅な景気後退に陥ったが、昨年初からは持ち直しの動きが徐々に明確になってきている。14年の実質GDP成長率は前年比+1.4%と、6年ぶりにプラスに転じただけでなく、ユーロ圏全体の成長率(同+0.9%)も明確に上回った。スペイン経済は、引き続き回復傾向をたどるとみられており、欧州委員会は、15年の成長率が同+2.3%に加速すると予想している。
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【from 米国】 相次ぐ白人警官による 黒人男性射殺で広がる 人種間対立と警官不信
2015年4月25日号ニューヨークっ子が好んで使う、「NYPD(ニューヨーク市警)に逆らってはならない」なる言い回しがある。市民を守る職責に敬意を払う一方で、警官の執行力に対する恐怖感が込められている。確かに、怖い。職務質問に口答えして拘置所に送られた知り合いを筆者は何人も知っている。
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【from 中国】 高齢者ビジネスの先 人生最後のおもてなし 葬儀ビジネスに商機
2015年4月25日号近年、中国の高齢者ビジネスに注目が集まっている。日系も含めた外資の参入も増えてきているが、高齢化のさらに先を見据えた葬儀ビジネスも注目に値する。葬儀は安定した需要があり日本では葬儀社の9割が黒字経営といわれているが、葬儀の簡素化により減収傾向にある業者も増えている。それでも市場規模は1.7兆円、エンディング産業全体で見ると3.8兆円の規模があるといわれている。
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【from 欧州】 個人情報保護の壁で 防げなかった墜落事故 前途多難のルフトハンザ
2015年4月18日号3月24日、バルセロナからデュッセルドルフへ向かっていたジャーマンウイングスのエアバスがアルプス山脈に墜落し、乗客・乗員150人全員が死亡した。事故から2日後、衝撃的な事実が明らかになった。フランス検察庁が、「ボイスレコーダーの分析から、副操縦士が故意に事故を起こした疑いが強い」と発表したのだ。
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【from アジア】 安定より成長重視に舵 景気刺激策がもたらす ベトナム経済の不安定化
2015年4月18日号2011年以降、ベトナム政府は成長よりも安定を重視した経済運営を行ってきた。14年以降も安定重視の看板を依然下ろしてはいないものの、実態としては景気刺激策によって経済成長率の目標達成を順守しようとする姿勢が強まったように見える。
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【from 米国】 始まった大統領選 過熱する寄付金集めと 候補者の批判合戦
2015年4月11日号「共和党は、すでに大統領選挙に着手した! 民主党も力強い選挙戦のスタートを切らなくてはならない。3ドル以上の寄付を!」 3月29日、民主党本部からこんなメールが来た。2016年11月の米大統領選挙まで、まだ1年半もある。にもかかわらず、メールの文字は巨大で、共和党の部分は赤、民主党のくだりは青とそれぞれの党の色に白抜きの大文字で書かれ、すでに選挙終盤であるかのように、危機感をあおっている。
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【from 欧州】 パリのテロがもたらした 一般の中産階級の右翼化 不安定化する西欧社会
2015年4月11日号ドレスデンは「エルベのフィレンツェ」とたたえられる文化都市だ。しかしドイツ・ザクセン州の州都でもあるこの街は、ネオ・ナチに代表される極右翼の本部でもある。ここドレスデンで2月に「西欧のイスラム化に反対する欧州愛国主義者」(ペギーダ)による、2万5000人を集めた大規模なデモが行われた。
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【from 米国】 白人だらけの大会に ウィリアムズが復帰 多様性問われるテニス界
2015年4月4日号世界ランキング1位の女子テニス選手、セリーナ・ウィリアムズが、時速200キロメートルを超えるサーブをセンターコートに叩き込むと、会場のファンから「GO、セリーナ!」と大きな歓声が上がった。カリフォルニア州のインディアンウェルズで毎年開催されるテニス大会に、同州出身のセリーナが出場するのは14年ぶりだ。
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【from 中国】 7%“前後”の目標が示す 党指導部の懸念と危機感 改革より安定成長重視へ
2015年4月4日号「国内総生産成長7.0%前後、消費者物価指数上げ幅3%前後、都市部新増就業者数1000万人以上、都市部登記失業率4.5%以内、輸出入成長6%前後、エネルギー消費量削減3.1%以上」 3月5日、日本の国会に当たる全国人民代表大会の政府活動報告にて、李克強首相が今年の経済社会分野における政策目標を数字で表した。李首相が、数字そのものよりも、「前後」「以上」「以内」の方を慎重に強調していた光景は、それだけ中国を取り巻く経済の減速や改革の動向を市場や世論が気にしていること、そしてそんな現状を共産党指導部が気にしている現実を物語っているようであった。
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【from 中国】 乱立し同質化するSC イベントスペース活用が 差別化と生き残りの鍵
2015年3月28日号中国ではショッピングセンター(以下、SC)が乱立しているが、果たして採算が取れているのだろうか。SCの主な収入源はテナントからの賃料と収益に応じたコミッションであり、従ってどのようなメンツをそろえるかが重要になる。SCでは一般的に映画館、大型スーパー、主力店、準主力店、その他の順番で誘致を行う。映画館と大型スーパーは占める面積が大きく、構造面の要求も一般の店舗と異なることから、初期段階で固めるケースが多い。
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【from 欧州】 成熟化とコスト高で 生産落ち込む北海油田 拡大する英国の経常赤字
2015年3月28日号このところ英国では、北海油田に関する話題がメディア等でよく取り上げられている。例えば昨年9月に行われた、スコットランド独立に関する住民投票をめぐる議論では、スコットランド独立後の北海油田の帰属が焦点の一つとなった。
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【from 米国】 「大バカ野郎」と元幹部が 日銀を指弾したFRBは 「超賢い」利上げができるか
2015年3月21日号米連邦準備制度理事会(FRB)のベン・バーナンキ前議長の右腕だったフレドリック・ミシュキン元理事が、2009年2月、「ガッデム・ストゥーピッド(大バカ野郎)」と日本銀行を名指しで批判した事件をご存じだろうか。教授出身者にありがちな脇の甘さを割り引いても、直前(08年)までFRBの中枢にいた元幹部が、露骨に他国、しかも対面である日銀の政策を批判したのは異例だったが、同事件は単なるゴシップではない。FRB内で日本の政策が研究されていた証左なのだ。
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【from アジア】 シンガポール15年度予算は 将来を見据えた先行投資型 日本企業にも商機あり
2015年3月21日号67億シンガポールドル(以下、ドル)赤字の政府予算案が、2月23日、ターマン財務相により国会に提出された。本稿掲載のころには、承認を受けていることだろう。4月1日より始まる2015年度の国家予算は、歳出が歳入を大幅に上回る。過去10年、このようなことは皆無だ。羨ましいことに、ほとんどの年度において予算ベースで歳入の方が上回っていた。それだけに、新年度予算には、現状および将来に対するシンガポール政府の危機感が透けて見える。
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【from アジア】 インド進出の好機到来 メイク・イン・インディアで 改革進めるモディ政権
2015年3月14日号インドのモディ政権は、昨年来、経済成長を促進するため、国内でモノ作りを行う「メイク・イン・インディア」を提唱し、外資製造業を誘致する政策を打ち出している。企図しているのは、外資の国内投資増加による経済活性化と国内製造業の育成、インドの構造的課題の一つである経常収支赤字の改善だ。
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【from 米国】 ネットサービスの成熟で 規制強化へ動くFCC プロバイダ側は反発
2015年3月14日号通信・放送業界の規制当局である米連邦通信委員会(FCC)は、インターネットの黎明期に比べ、しばらく大ニュースになることがなかったが、久しぶりにトップニュースに登場した。
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【from 欧州】 不満爆発のギリシャが 緊縮策を次々と反故に ユーロ危機は終わらない
2015年3月7日号ギリシャをめぐる情勢はますます混沌としてきた。2月15日のユーロ圏財務相会合では、ギリシャと他のユーロ圏加盟国との間で緊縮策をめぐる交渉が決裂。ギリシャのユーロ圏脱退の可能性が急浮上した。事態の混迷の発端は、1月25日にギリシャで行われた総選挙で、反欧州連合(EU)色の強い極左政党と極右政党が連立政権を樹立させたことだ。
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【from 中国】 要注目の経済政策は 戸籍改革・首都機能分散・エネルギー安全保障
2015年3月7日号中国が旧正月ムードに入る直前の2月10日、共産党中央が北京で開いた重要な会議がある。第九回中央財経領導小組会議。組長を習近平総書記、副組長を李克強首相が務める“小組”は1980年に設立された。共産党がトップダウンで戦略や政策を決め、推し進めるための、経済政策に特化した超精鋭型ワーキンググループである。