記事一覧:数字は語る352件
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数字は語る
輸出数量減が示唆する 日本企業・経済の 中国リスクの拡大
2015年8月22日号中国の景気減速が、日本企業の重荷になっている。特に、昨年末から輸出数量の増加を狙って、輸出価格を引き下げてきた企業は、冷や水を浴びせられた格好だ。実際、中国向け輸出数量は、6月に前年比▲2.5%と、前年の水準割れは、5カ月連続となった。景気回復を背景に堅調な米国向け輸出とは対照的な姿だ。中国向け輸出は2014年の日本の輸出総額の18.3%を占め、米国に次ぐ規模となっている。それだけに、中国の景気減速が日本の輸出にもたらす影響は大きくなっている。
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現実的な成長率の下での 健全化目標の達成には 歳出削減か増税が不可避
2015年8月8日号6月30日、政府は新たな財政再建計画を盛り込んだ「骨太方針」を閣議決定した。今回の目玉は、2018年度の基礎的財政収支(プライマリーバランス。以下PB)赤字を対GDP比1%程度にする目安を設定し、国の一般歳出の実質的な増加を3年間で1.6兆円に抑制する意向を示したことだ。では、この目安は達成できそうか。
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フォワードルッキングな 金融政策の運営で 利上げを探るFOMC
2015年8月1日号金融政策は、十分な効果発揮までに1~2年はかかるので、フォワードルッキングに(先見的に)運営する必要がある。米国のFOMC(連邦公開市場委員会)の現在の物価見通し(中央値)は、委員会が重視しているコアPCEの第4四半期の対前年同期比で、15年が1.3~1.4%、その後の2年が1.7~1.8%、1.9~2.0%だ。
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教育支出は中高で増加 過小評価されている 幼児教育への投資効果
2015年7月25日号筆者のような子育て世代にとって、子どもの教育に幾らお金を掛けるか、いつ・どのような目的に使うべきかは切実な問題だ。文部科学省の「子供の学習費調査」(2012年度)によると、幼稚園から高等学校までの15年間で学年ごとの「学習費総額」を合計すると、全て私立の場合は約1677万円となり、公立の場合(約500万円)の3.36倍に上る。
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確定申告なしの 「ふるさと納税」で 大打撃の自治体も
2015年7月18日号最近、「ふるさと納税」がテレビや雑誌などで数多く取り上げられている。ふるさと納税とは、任意の地方自治体への寄附につき、所得税(国税)の寄附金控除(所得控除)と個人住民税(地方税)の寄附金税額控除を受けられる制度である。寄附金額が一定限度に達するまでは、所得控除による所得税の減少分と住民税の税額控除の合計が寄附金額から2000円を引いた金額となる。よって、実質的に自己負担2000円で任意の地方自治体に寄附を行えることになる。
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経済の構造変化で 中卒の就業率が低下 高校中退を食い止めよ
2015年7月11日号中学卒業時の高等学校等進学率は98.1%(男性、文部科学省「学校基本調査」2014年3月)と高く、高校を卒業していない人はほとんどいないという印象を持つ人も多いだろう。しかし、高校を中退する人々も相当数に及ぶため、12年時点で25~29歳男性の5%を超える人々の最終学歴は中卒であり、この比率は1987年から07年にかけてもあまり変わっていない。
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甘過ぎる前提は禁物 経済成長に左右されない 財政健全化計画を
2015年7月4日号財政健全化計画を議論する上で、税収弾性値が争点の一つになっている。税収弾性値とは、名目GDPが1%増えたときに、税収が何パーセント増えるのかを表したものである。財政健全化計画の重要な前提値の一つであり、「平成27年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」では1.1と設定されている。
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戦前のピーク値に迫る 政府債務の削減が急務 インフレ課税は論外
2015年6月27日号国債残高の累積が進む中、現在の一般政府債務は対GDP比で約200%に達し、太平洋戦争の終戦直前の水準に再び近づきつつある。だが、歴史的データを眺める場合、終戦直前の水準と比較して、日本銀行の債務も急速に膨張していることも見逃せない。デフレ脱却を図る観点から、日銀が2%の物価目標を掲げ、量的・質的金融緩和を行う中で、長期国債を市場から大量に購入しているためである。
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政府の改革は不十分 金融危機前より低い 日本経済への成長期待
2015年6月20日号IMF(国際通貨基金)は5月22日、対日協議終了時の声明で、賃金と投資の一層の増加に向けたより力強い構造改革が不可欠だと述べた。政府の改革は不十分との評価だ。国民には改革の実感はなく、アベノミクスで高まった期待もしぼみがちだ。日本銀行の調査では、日本経済の成長力DIは▲47.7で、安倍晋三政権誕生後の▲26.7から21ポイントも落ち、金融危機前よりも下がっている。「より低い成長しか見込めない」との回答が再び5割を超えたことが主因だ。
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世界一の対外純資産の 質を高めることが 日本の競争力向上の鍵
2015年6月13日号世界経済に占めるわが国の経済規模が年々低下する中、日本が依然として世界第1位を保っている経済指標がある。対外純資産の金額だ。これは、自国の政府・企業・個人が海外に保有する資産(対外資産)から外国が自国に保有する資産を差し引いたもので、日本が海外に持っている「正味の資産」を表す。
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NISA初年度は好成績 銘柄分散・時間分散の 投資が奏功か
2015年6月6日号4月24日に金融庁は、「NISA口座の利用状況について」を発表した。この統計によると、2014年のNISA口座での総購入額2兆9770億円に対し、年末の残高や受取配当等の総額は3兆3230億円となった。つまり、NISAで投資をした個人投資家の資産は時価で3460億円増えた計算だ。
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統計の整備で判明 院卒者は大卒者よりも 1000万円の所得増
2015年5月30日号2014年3月の4年制大学卒業者のうち、11%が大学院に進学している(文部科学省「学校基本調査」)。いわゆる理科系では、理学系42%、工学系36%、農学系24%と大学院進学がかなり一般化している。
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輸出物価の下落幅拡大も 海外景気の不透明感が 輸出の重しに
2015年5月23日号輸出物価指数(契約通貨ベース)は、2015年3月に前年同月比▲4.8%の下落となった。昨年末から下落幅が拡大しており、その影響が注目される。中でも注目を集めるのは、輸出物価の輸出数量への影響だろう。12年末からの円安局面の初期段階では、輸入額の増加によっていったん貿易赤字が拡大したものの、やがて輸出額の増加によって貿易収支が改善に向かうという「Jカーブ効果」が期待された。しかし、期待とは裏腹に、Jカーブ効果が14年末まで明確に表れなかったその最大の原因は、輸出の伸び悩みにある。従って、輸出物価の下落が、輸出数量の増加につながるかが今後の焦点だ。
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人口減少が加速し 手遅れになる前に 財政再建の道筋を
2015年5月16日号北海道旭川市、高知県高知市、東京都品川区の共通項が何か、分かるだろうか。それは現在の市区人口(約35万人)だ。国立社会保障人口問題研究所の「将来人口推計」によると、この数字は、2015年における日本の人口減少数(約35.1万人)に等しい。つまり、今年は、これらの地域の一つが消滅するようなイメージに近い。
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金融緩和競争による 通貨安では期待できない 世界全体の景気回復
2015年5月2日号世界全体で考えると、金利低下余地がないほどに緩和された状況では、追加緩和は世界の景気回復に有効ではなくなる。ある国の緩和政策の効果は通貨安によるものが主となり、通貨高となる他国の景気回復は阻害されるからだ。
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2000万人が該当する 「貧困」とは何か 定義から考えてみよう
2015年4月25日号『21世紀の資本』はわが国でも大ブームとなったが、日本では上位所得者層がますます富む形での格差拡大傾向はあまり見られない。メディアの関心は、次第に格差の問題から、貧困層の所得やその人数の問題に移りつつある。
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自治体レベルで始まった 起業を促進する支援策 経済活性化のきっかけに
2015年4月18日号日本経済が直面している最も深刻な課題の一つが起業の促進だ。起業・開業は産業構造の転換、成長分野の開拓などを通じた経済の活性化に欠かせないが、日本の開業率は4~5%で推移しており、10%前後の欧米先進国の半分以下にすぎない。世界銀行が昨年発表した起業環境に関する国際比較によれば、開業に要する手続き、時間、コストを総合的に評価した日本の起業環境は120位、経済協力開発機構(OECD)34カ国中では31位と大きく立ち遅れている。
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正社員の労働時間を もっと短くするには 実質賃金の上昇が不可欠
2015年4月11日号日本の就業者全体の平均労働時間が短くなっている。経済協力開発機構(OECD)の統計によれば、2013年の平均年間労働時間は1735時間で、ドイツ(1388時間)やフランス(1489時間)と比べれば長いものの、1788時間の米国と比べれば短い。
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円安で企業格差が顕在化 為替水準に左右されない 収益構造への転換が急務
2015年4月4日号2014年度の輸出企業の採算レートが1ドル=99円と、1年後の予想円レート(119.5円)よりも20.5円も円高になっている。この差は、比較可能な1986年度以降で最大となった。仮に、想定通りに為替レートが推移すれば、企業の「業界需要」見通しが本年度より高いこともあって、過去最高益の更新も視野に入りそうだ。しかし、調査結果に懸念材料も散見されることに注意が必要である。
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社会保障改革の主戦場 医療・介護費の抑制には 長期的視点が不可欠
2015年3月28日号現在、政府・与党を中心に6月ごろに策定予定の「新たな財政再建計画」をめぐって既に攻防が繰り広げられているが、その具体化作業において、政治は相当厳しい選択を迫られる。今年2月、内閣府は「中長期の経済財政に関する試算」(以下、中長期試算)を公表した。この試算のメッセージは単純だ。2017年4月の消費増税(税率8%→10%)や、高成長ケースを前提にしても、20年度の基礎的財政収支(対GDP)は1.6%の赤字となる。