記事一覧:数字は語る352件
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派遣手数料率3割は 「搾取」に当たるのか 基準は市場支配力の有無
2014年10月25日号派遣元事業者が高い派遣料金を取る一方で、派遣労働者には低い賃金しか支払わず「搾取」が行われるのではないかとの懸念に答えるため、労働者派遣法は派遣元事業者に対して、事業年度単位の運営状況に関する報告書を厚生労働大臣に提出するように求めている。
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もたつく景気回復 消費増税の判断は 実質賃金上昇が鍵
2014年10月18日号大企業製造業の業況判断DIはプラス13と、2期連続の悪化は避けられた。それに対して、中小企業製造業や非製造業の業況判断DIは、前回調査から若干低下するなど、業種や企業規模によって、業況回復の方向感に相違が見られた。
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地価下落で“地盤沈下” 地方創生に必要な 土地関連の法整備
2014年10月11日号9月18日発表の地価調査によると、東京、大阪、名古屋の三大都市圏の基準地価(7月1日時点)は前年に比べ、住宅地で0.5%、商業地で同1.7%、全用途平均では同0.8%上昇した。住宅地価がプラスに転じるのは6年ぶりで、都市部における地価の回復基調が鮮明となった。しかし地方圏全体では、約8割の地点で地価が下落している。全国平均で見ても、基準地価(全用途)は1.2%の下落、23年連続でマイナスとなった。
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トレンド成長率との乖離で評価すると反動減は過大ではない
2014年10月4日号今年4月に最初の消費増税(5%→8%)が実施された。予定通りならば、次の消費増税(8%→10%)は来年10月だが、増税の幅やスピードが景気に一定の影響を及ぼす懸念もあり、安倍晋三首相は年末に再増税の最終判断をする予定だ。この判断材料の一つが増税後の景気動向で、今年4~6月期の実質GDP成長率(季節調整値)に市場の関心が集まった。結果、年率で1.8%減となり、東日本大震災の2011年1~3月期を上回る落ち込みとなった。増税前の駆け込み需要の反動で個人消費のマイナスが過去最大となったのが主因だが、4~6月期の実質GDPの落ち込み(前期比)が、1989年消費税導入時(0%→3%)の1.3%減や97年増税時(3%→5%)の0.9%減よりも大きく見えるため、市場の一部で景気の先行きに対する不安の声も出てきている。だが、このような見方には若干留意が必要である。
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パート比率上昇の背景に ある循環要因と構造要因 持続する賃金下押し圧力
2014年9月27日号6月に2年3カ月ぶりに基本給(所定内給与)が前年比プラスとなったが、物価上昇分を調整した実質では大幅マイナスが続いている。1人当たり賃金の足を引っ張ってきたのがパート労働者の増加だ。20年前と比べて94%増え、パート比率は約3割となった。パート比率上昇は日本だけではない。8月下旬、米ワイオミング州のジャクソンホールでの恒例の会議でも取り上げられた。パート比率の上昇が構造要因なのか景気循環要因なのかを区分するのは難しい。それ故、労働市場の逼迫度合いと賃金・物価との関係についての的確な判断が妨げられる。
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年収130万~200万円 「割に合わないゾーン」が 女性のステップアップを阻む
2014年9月20日号年収130万円以上となった途端に、社会保険で夫の扶養扱いから外れて負担が急増し手取りが減少する「130万円の壁」の問題が広く認知されるようになってきた。
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労働人口減少と需要増で 失業率が自然失業率に接近 人手不足は長期化の様相
2014年9月13日号7月の完全失業率は3.8%であった。建設業や飲食店といった産業での人手不足が広く報道されているものの、まだ3.8%の人が余っているようにも見える。実を言うとこれは誤解で、余っている人はほとんどいないというのが現実に近い。
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想定以上に大きかった 駆け込み消費の“反動減” 期待が集まる“反動増”
2014年9月6日号2014年4~6月期の民間最終消費支出(実質季節調整値・前期比) 内閣府「2014年4~6月期四半期別GDP速報(1次速報値)」消費税率引き上げ前の駆け込み需要からの反動減によって、2014年4~6月期の消費(物価変動を調整した実質値)は前期から5.0%減少した。この減少幅は、消費税率が5%に引き上げられた1997年(同3.5%減)より大きなものになった。
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楽観シナリオでも 国際公約達成は無理 険しい財政再建の道のり
2014年8月30日号7月下旬、政府は「中長期の経済財政の試算」を公表した。中長期試算は「今後10年のマクロ経済と財政の姿を示すもの」で、実質GDP成長率が平均2%で推移する「経済再生ケース」と、1.3%で推移する「参考ケース」が存在する。現政権では再生ケースを基本シナリオと位置付けているが、2000年以降の実質GDP成長率は0.8%程度であり、再生ケースは楽観的であるとの批判も多く、参考ケースの方が現実に近い。
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痛みの改革先送りで 具体策も工程表もない 成長率の国際公約
2014年8月23日号内閣府は経済財政諮問会議に提出した試算で、平均2%の実質経済成長率が実現する経済再生ケースでも、2020年度までの財政のプライマリーバランス黒字化目標は達成できないとした。この平均成長率はバブル崩壊後経験したことがなく、民間からは楽観的との声が上がっている。今後の少子高齢化の進展を考えると、実際、非常に高い水準だ。
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急拡大のネット広告 裏側から支える オークション理論
2014年8月9日号今世紀に入り、社会のインフラとしてますます欠かせない存在となったインターネット。今や、私たちの暮らしだけでなく広告の世界も大きく変えつつある。米調査会社イーマーケッターによると、今年のインターネット広告への世界全体での支出額は、昨年から16.7%増の1401億5000万ドルとなり、全広告費に占める比率が初めて4分の1を超える見通しだ。
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人生2番目に大きな借金 奨学金を利用する前に 金融教育の徹底を
2014年8月2日号近年、大学生を抱える親の世帯所得が減少する一方、大学の学費は上昇が続いている。その結果、親の所得では学費を賄い切れず、学生が奨学金を借りることが大学進学に不可欠となりつつある。
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日本の労働市場の 変化を反映する ボーナスの年収比率
2014年7月26日号夏のボーナスシーズンである。2012年末からの景気回復のおかげでボーナスが増えたという方も多いのではないだろうか。企業の業績に応じて支給金額が上下動するボーナスは、毎月ほぼ一定の金額が支給される通常の給与とは対照的だ。なぜ企業はボーナスという可変的な支払い形態を使うのだろうか。
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6四半期ぶりに悪化も 増税の影響は想定内 先行きは輸出次第
2014年7月19日号日本銀行の短観によると、大企業製造業の景況感を表す業況判断DIはプラス12となり、6四半期ぶりに悪化した。しかし、これは前回調査の3月時点の予測値(先行き)を上回っており、消費税率引き上げの影響は想定の範囲内に概ね収まっているとみられる。また、中堅・中小企業を含めても製造業では先行きの改善が見込まれている。
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70年で人口半減の衝撃 鍵は少子化対策と未婚率の引き下げ
2014年7月12日号2083年。これは日本の人口が半減する年だ。国立社会保障・人口問題研究所の予測によると、14年時点で約1.26億人の人口は83年に0.63億人になる。その間、毎年人口が90万人程度減少していく。千葉市の人口は現在約96万人であり、このような自治体が毎年一つずつ消滅していく勘定になる。
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金融政策をめぐる今後の議論を左右 民間の物価見通し
2014年7月5日号2013年度の消費者物価上昇率は、円安やエネルギー価格上昇などコスト増の影響が大きかったものの、民間エコノミストの当初の予想は外れ、日本銀行の見通しに沿ったものとなった。14年度の見通しも日銀の見通しにほぼさや寄せされ、追加緩和期待は後ずれしている。
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観光客だけでなく優秀な人材や技術も海外から呼び込もう
2014年6月28日号4月の国際収支速報によると、海外とのモノやサービス、配当金などの収支を示す経常収支が1874億円と3カ月連続の黒字、サービス収支の一部である「旅行収支」も177億円の黒字になった。旅行収支は、外国人旅行者が日本で使った金額から、日本人旅行者が海外で使った金額を差し引いたもの。黒字化するのは、大阪万博が開かれた1970年7月以来、実に約44年ぶりとなる。
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「100年安心」年金に厚労省が突き付けたイエローカード
2014年6月21日号政策は必ず政治の影響を受ける。年金制度も例外ではない。そして政治は民意の影響を受けるため、政治が痛みを伴う改革を国民に直接迫るのは容易ではない。今年4月から社会保障の安定財源を確保するため消費税が8%に引き上げられた。しかし、急速に進む高齢化で年金等の社会保障費が急増しており、財政安定化には不十分だ。いま必要なのは給付抑制や負担増といった痛みを伴う年金改革を実行する政治の強い意志である。
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高収入世帯こそ自動積み立てで貯蓄の習慣を
2014年6月14日号出費がかさんだ月の給料日前に「今月は苦しい」という思いをした経験は誰しも一度はあるだろう。この「苦しい」というのが単月の収支が赤字になるという意味であればさほど問題ではないのだが、預金残高がゼロに近づいていて本当に「苦しい」状況に陥っている人も決して少なくはない。
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高等教育機関として 重要性を増す専門学校
2014年6月7日号筆者が大学に入学したのは1990年のことであるが、そのころに比べると最近の日本の若者はずいぶん高学歴化している。大学学部・短期大学、専修学校専門課程への入学者と高等専門学校4年生の人数を18歳人口で割った高等教育機関進学率は、90年の53.7%(うち、大学24.6%、短大11.7%、高専4年0.5%、専修学校専門課程16.9%)から2013年には77.9%(うち、大学49.9%、短大5.3%、高専4年0.9%、専修学校専門課程21.9%)になった。