記事一覧:シリコンバレーの流儀72

  • 顧客志向を忘れたテスラ

    シリコンバレーの流儀
    顧客志向を忘れたテスラ

    2018年10月27日号  

    最近何かと話題を振りまく電気自動車メーカーの雄、米テスラ。創業者のイーロン・マスクCEOが自社の株式非公開化についてツイッターで発表したことで、会長職から退く羽目に陥ったことは記憶に新しい。背景には、初めての量産車である「モデル3」を本当に「量産」に持っていくことへの重圧があるといわれている。

  • 人材輩出国家、中国のすごみ

    シリコンバレーの流儀
    人材輩出国家、中国のすごみ

    2018年10月13日号  

    この数カ月、米中貿易戦争が世界経済を揺るがす要因として注目されているが、実は水面下では、もっと大きな地殻変動が、すでに何十年も前から起きている。中国が知的生産力とその源泉である人材育成において、世界有数の成果を残しつつあるのだ。

  • ブランドに惑わされるな

    シリコンバレーの流儀
    ブランドに惑わされるな

    2018年9月29日号  

    人や企業の持つ「ブランド」をどう評価するかは、他社や外部の人材と交流し、共創してイノベーションを起こす「オープンイノベーション」が当たり前の時代になった今、ますます重要になっている。

  • 同調圧力の呪縛

    シリコンバレーの流儀
    同調圧力の呪縛

    2018年9月15日号  

    既存製品の延長線上にある新製品や新サービスの開発は次々と実現できるのに、まったく新しいコンセプトの製品を開発したり、既存製品を破壊するようなイノベーションを起こすことができないと悩む企業は多い。その企業に優秀な人材と多種多様な知識、経験が蓄積されているのにもかかわらず、である。

  • 米ヤフーから学んだファイナンス思考

    シリコンバレーの流儀
    米ヤフーから学んだファイナンス思考

    2018年9月1日号  

    『ファイナンス思考』(朝倉祐介著)という硬い表題のビジネス書が売れているそうだ。早速読んでみたが、なるほど「この本を若いころに読めば、自分の人生の寄り道をもっと減らせたかもしれない」と思った。

  • ワールドカップから学ぶ

    シリコンバレーの流儀
    ワールドカップから学ぶ

    2018年8月11日号  

    優勝したフランスをはじめベスト4に残ったチームは、いずれもレベルの高い試合をした。大国フランス、イングランドに対して小国であるクロアチア、ベルギーがベスト4に残ったのが印象的だった。クロアチアの人口は約440万人、ベルギーは約1110万人である。それが、世界180の国と地域が予選から参加する世界最大のスポーツイベントでベスト4に残ったのだから見事なものだ。

  • 学校“起業”がもたらしたもの

    シリコンバレーの流儀
    学校“起業”がもたらしたもの

    2018年7月28日号  

    近年、シリコンバレーでは、中国やインド企業の社員が目覚ましい活躍をしている。一方、日本企業から派遣される社員の多くは、真面目に取り組むが、困難を突破してイノベーションを起こそうという熱量があまり見られない。それはなぜなのだろうか──。

  • ベンチャー精神溢れる米国大学

    シリコンバレーの流儀
    ベンチャー精神溢れる米国大学

    2018年7月14日号  

    イノベーションの震源地として世界中の注目を集めるようになったシリコンバレーだが、そのエコシステムで重要な役割を果たしているのが大学だ。シリコンバレーには、その始まりから産学協同が根付いていた。現在のシリコンバレーにおいても、大学は優秀な人材を輩出し、スタートアップを生み出す原動力となっている。

  • シリコンバレー版高度成長

    シリコンバレーの流儀
    シリコンバレー版高度成長

    2018年6月30日号  

    今回のシリコンバレーの好景気は、当時のようなバブルではないというのが大方の見方だ。「こんなこと長くは続かない」と思っている人は、今回は少ない。それは、好景気を演出している主役企業が、実体のある新興大企業だからだ。

  • 「AIファースト」のススメ

    シリコンバレーの流儀
    「AIファースト」のススメ

    2018年6月16日号  

    今AI(Artificial Intelligence、人工知能)の話題が盛り上がっている。ただ、メディアでは「AIでどの仕事が奪われてしまうのか?」といった、AIによるイノベーションよりも、それによって生まれる“被害者”に焦点を絞った記事が多いのは残念だ。もっと主体的に考えられないものか。

  • 20年間進歩がない日本企業

    シリコンバレーの流儀
    20年間進歩がない日本企業

    2018年6月2日号  

    シリコンバレーに新しく赴任した日本企業の方と話していて、驚かされることがある。私がその方の会社が過去、シリコンバレーで投資活動をして、それと連携して日本での新事業創造に意欲的に取り組んでいたことを話すと、ほとんどのケースで、その事実を知らされていないのだ。

  • 理系女性が躍動する社会

    シリコンバレーの流儀
    理系女性が躍動する社会

    2018年5月19日号  

    先日、サンフランシスコでAI(人工知能)をテーマにしたカンファレンスが開かれた。主催者はMIT(マサチューセッツ工科大学)同窓クラブ北カリフォルニア支部。同大学は、米国を代表する理工系大学の一つだ。

  • イノベーションは「人」ありき

    シリコンバレーの流儀
    イノベーションは「人」ありき

    2018年4月28日号  

    今世界中のビジネスパーソンがイノベーションを起こすための情報を探しに、大挙してシリコンバレーを訪れている。しかし、ただ漠然と「何かホットな情報を探してこい」というような発想で人を送り出しているようでは、シリコンバレーからは何も学べない。

  • 「まず情報収集」がいけない理由

    シリコンバレーの流儀
    「まず情報収集」がいけない理由

    2018年4月14日号  

    最近、シリコンバレーに赴任してきた日本企業の駐在員の方にその目的を聞くと、ほとんどの場合「情報収集です」と答える。最近では「新事業のネタを探索に来ました」という方が増えているが、やることは基本的には情報収集である。

  • 「働き方改革」を再考する

    シリコンバレーの流儀
    「働き方改革」を再考する

    2018年3月31日号  

    最近、ある経済団体で講演したときのことである。最後に質問があった。「安倍首相に提案したいことは何かありますか?」。突然の質問にちゅうちょして、「『働き方改革』は、よく考えてやり直した方がいいのでは?」とコメントした。その瞬間、今まで熱心に聴いてくださっていたエグゼクティブの皆さんの顔色が変わり、会場が静まり返った。

  • スター人材をどう育てるのか

    シリコンバレーの流儀
    スター人材をどう育てるのか

    2018年3月17日号  

    前回は産業の「死」に光を当てたが、その「死」を回避するためにはイノベーションが欠かせない。その鍵となるのが「人」のマネジメントだ。創造力が求められるイノベーションのプロセスは、人の個性が関わる人間くさい営みが中心だ。しかも、イノベーションを起こす人材は、社内で活躍しているエリート社員とは限らないのがややこしいところだ。これまでの全社的な人事の価値観では合わない。「人中心」で経営を組み直すことが重要なのである。

  • 産業の「死」に光を当てる

    シリコンバレーの流儀
    産業の「死」に光を当てる

    2018年3月3日号  

    自動車業界が天地がひっくり返るような激動の時代に突入しつつあることに異論を挟む人はいないであろう。おそらく、自動車業界の人は不安なのではないか。そのような心理がよく分かる。なぜなら、私自身が産業を破壊される側と破壊する側の両方を経験しているからだ。

  • 花形産業が消滅するとき

    シリコンバレーの流儀
    花形産業が消滅するとき

    2018年2月17日号  

    「Start Your Impossible(不可能のチャレンジへ一歩踏み出そう)」。今年初めに、米ラスベガスで開かれた家電見本市「CES」の壇上でこう高らかに宣言したのは、シリコンバレーのIT企業トップではなく、トヨタ自動車の豊田章男社長だった。豊田氏はカーレーサーとあって、有名なF1レース「インディ500」のレース直前にアナウンスされる“Start Your Engines!”をもじったのであろう。

  • シリコンバレーはバブルではない

    シリコンバレーの流儀
    シリコンバレーはバブルではない

    2018年2月3日号  

    ある仮想通貨のスタートアップでは、社員のパーティーで、1本何万円もするドンペリニヨンのシャンパンを湯水のように振る舞う場面がある。また、瀟洒(しょうしゃ)なオフィスに入居し、社員の福利厚生の一環として無料のランチや無料の送迎などが付くスタートアップも少なくない。今、シリコンバレーは空前のベンチャーブームが起きている。ここ3年、全米のベンチャー投資額は、日本の約1500億円に対して6兆円規模を維持している。そのため「シリコンバレーの活況はバブルではないか」と尋ねられることが増えた。

  • 仮想通貨は“本物”なのか

    シリコンバレーの流儀
    仮想通貨は“本物”なのか

    2018年1月20日号  

    私の関連ベンチャーキャピタル(VC)の投資先であるスタートアップが最近ICO(イニシャル・コイン・オファリング)を行った。ICOとは、株式のIPO(イニシャル・パブリック・オファリング=株式公開)をもじったもので、企業が上場して新規に株式を発行する代わりに、トークンと呼ばれる電子的な権利を一般公募で売り出すもの。

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記者の目

  • 編集部 重石岳史

    東証改革に見る「ルーズとタイト」の文化の違い

     東京証券取引所の幹部との雑談で「ルーズカルチャー」と「タイトカルチャー」が話題になりました。いわく日本はタイトカルチャーの国で、規律を重んじる。だから強制力を伴わずとも、東証が資本コストや株価を意識した経営を「要請」すれば上場企業がおのずと動いてくれる。確かに東証の市場改革は、大枠では狙い通りに進んでいるようです。
     一方、米国などはルーズカルチャーの国で、個人の自由を重んじるため強制力がなければ物事が動かない。タイトな文化の方が、日本人に向いている気はしますが、横並び主義や同調圧力が弊害を生むケースもあります。ルーズでありながらタイトさも併せ持つ。自分自身はそうありたいと思います。

  • 編集長 浅島亮子

    『週刊ダイヤモンド2025年2月22日号』発売中止のお詫び

     前号のフジテレビ特集におきまして、アンケート結果を記載した一覧表で誤記が判明いたしました。そのため市販を中止しましたが、定期購読分については発送停止の措置が間に合わなかったため、定期購読者の皆様には修正した記事をお送りいたします。読者の皆様ならびに関係者の皆様には、多大なご迷惑をお掛けいたしましたことを深くお詫び申し上げます。
     創刊111年の歴史に泥を塗る事態を招いてしまったことを、責任者として猛省しております。今後このようなことがないよう、チェック体制の強化など再発防止を徹底する所存です。今後とも弊誌を末長くご愛顧いただけましたら幸いに存じます。
    『ダイヤモンド編集部』編集長 浅島亮子

最新号の案内25年3月1・8日号

表紙

特集上場廃止ラッシュ

東京証券取引所の経過措置期間が2025年3月に終了し、新たな上場維持基準が適用される。さらに政策保有株式や親子上場の解消も進み、安定株主を失った企業は同意なき買収を容赦なく突き付けられる。あらゆる上場企業が安穏としていられない、淘汰の時代が…

特集2狙え! 不動産リッチ企業

不動産含み益をたっぷり抱える"不動産リッチ企業"への注目度が高まっている。アクティビストらの売却圧力も強まる一方だ。そこで、不動産の含み益が大きい企業の投資妙味を徹底分析。含み益を反映した修正PBRや時価総額に対する含み益の比率から、割安な…