記事一覧:中国鳥瞰9

  • 周永康事件で習主席が開けた権力闘争というパンドラの箱

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    周永康事件で習主席が開けた 権力闘争というパンドラの箱

    2014年12月19日

    中国の習近平国家主席が、長年の不文律を破り、最高指導者の1人だった周永康前中央政法委員会書記の党籍を剥奪し、逮捕する方針を固めた。反腐敗キャンペーンの一環と位置付けているが、権力闘争のにおいも強く漂う。今、中国政治の奥の院、中南海で何が起こっているのか。

  • 急台頭する中国のパワー

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    急台頭する中国のパワー

    2014年4月30日

    昨今、ウクライナを挟んで欧米とロシアの対峙が中東欧のみならず、世界に緊迫を及ぼしている。ウクライナは、ロシアからすれば欧州・地中海への入り口、欧州からすれば穀物の供給地、石油・ガス輸送の中継地であり、その価値はカネで計れないものがある。ウクライナの緊迫は、一般的には「リスク」と見做されるが、背景には大きな「メリット」があり、リスクとメリットは表裏一体である。

  • 中国政治史に残る茶番劇が展開薄氏裁判で深まった権力闘争の闇

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    中国政治史に残る茶番劇が展開 薄氏裁判で深まった権力闘争の闇

    2013年10月8日

    中国山東省済南市の裁判所で9月に行われた元重慶市トップ、薄熙来氏に対する裁判は、中国政治史に残る大きな茶番劇といえる。党内の有力政治家だった薄氏を「金まみれの悪徳官僚」であることを国民に印象付けようと、中国当局はいろいろ手の込んだ演出をしたが、そのほとんどが裏目に出た。収賄や公金横領などの罪を問われた薄氏に対し無期懲役を言い渡すまで、被告人の反論を含めて法廷での細かいやり取りが公開されたが、今回の裁判は、権力闘争の延長にすぎないことをますます浮き彫りにした。

  • 早くも訪れたリコノミクスの正念場減速したくてもできない中国経済の綱渡り

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    早くも訪れたリコノミクスの正念場 減速したくてもできない中国経済の綱渡り

    2013年9月3日

    中国の景気減速懸念がにわかに強まっている。2桁成長が終わりを迎えた中で、経済を失速させずにどう巡航速度にもっていくことができるのか、世界が注目しているのだ。行き過ぎた高度成長による重いツケを負いつつも、経済運営を担う李克強総理は、どんなかじ取りを見せるのか。中国経済の行方が双肩にかかっている。

  • 反日キャンペーンで”韓国化”する中国外交原則放棄したバッシングの混迷

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    反日キャンペーンで”韓国化”する中国 外交原則放棄したバッシングの混迷

    2013年8月28日

    8月22日付の中国系香港紙、「文匯報」は日本の原発政策を痛烈に批判する記事を掲載した。「日本の福島第1原発の汚染水漏出問題が深刻であるにもかかわらず、安倍晋三首相は原発の再稼働を公言した。これは固執し、反省せず、過ちを認めない日本当局の姿勢を反映している」と指摘したうえで、「原発問題の対応で相次ぐミスによって、すでに日本は国際社会で恥をかいている。もしこれ以上原発問題を直視しないのなら、安倍首相は歴史の『恥辱の柱』にくぎ付けにされるだけだ」と断じている。

  • 環境問題改善より隠ぺいに必死北京で一番近い「がん村」探訪記

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    環境問題改善より隠ぺいに必死 北京で一番近い「がん村」探訪記

    2013年6月3日

    中国に、がんの発生率が異様に高い「がん村」と呼ばれる場所がある。原因として工場排水、排気などによる環境汚染が疑われており、2013年2月、中国環境保護省は報告書「化学品環境リスク防止コントロール12次5ヵ年計画」の中で、初めて化学工場が排出する未処理排水と地域の水質汚染、がん村などの健康被害に因果関係があるとの見方を示した。09年、華中師範大学の学生の論文によれば少なくとも247カ所あるそうだ。それらがん村で首都北京に一番近いところが、河北省夏墊鎮夏墊村である。この村で私の身に起こった少々興味深い体験を紹介しよう。

  • 【中国変調・政治編2】「沖縄独立」で揺さぶりをかける習近平政権、対日政策の暴走

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    【中国変調・政治編2】 「沖縄独立」で揺さぶりをかける 習近平政権、対日政策の暴走

    2013年5月31日

    中国共産党の機関紙、人民日報の傘下にある「環球ネット」という国際ニュースサイトが5月中旬から実施しているある世論調査が、多くの中国の改革派知識人に大きな衝撃を与えている。

  • 【中国変調・政治編1】中国指導部の深部で何が起こっているかますます熾烈化する権力争いの暗闘

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    【中国変調・政治編1】 中国指導部の深部で何が起こっているか ますます熾烈化する権力争いの暗闘

    2013年5月10日

    中国共産党内で、主導権争いが再び激しさを増している。去年11月の新体制発足前に一度、表面化したことがあったが、景気の先行きに不透明感が強まっている今、再び派閥間での摩擦が頭をもたげている。中国指導部の深部で何が起こっているのか。

  • 【中国変調・経済編1】経済統計で上がる疑問の声7%成長は本当なのか

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    【中国変調・経済編1】 経済統計で上がる疑問の声 7%成長は本当なのか

    2013年5月8日

    中国の経済減速につれて、経済統計に疑問の声が上がっている。多くの矛盾や底上げが指摘され、実体経済と合っていないのではないかという見方が国際社会でも中国でも高まっているのだ。こうした数字をつぶさに見ることで、中国経済が直面する難題が浮き彫りになってくる。

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記者の目

  • 副編集長 千本木啓文

    10回目となる「儲かる農業」特集!記者冥利に尽きる「尖った農家」との出会い

     おかげさまで「儲かる農業」特集は今号で10年目となります。
     恒例企画の農協ランキングでは全国500JAの財務データと格闘しなければなりませんし(一番大変なのは私ではなくデータ分析担当ですが)、農協から6.9億円の損害賠償を求められたこともありました(出廷したのは証人尋問のみで、顧問弁護士と法務部に頼っていました。おかげさまで結果は完全勝訴)。
     そういった苦労があっても、特集を続けられたのは、読者の皆さまの励ましと、取材で出会う農家たちの魅力のおかげでした。農家は、東京・丸の内では会えない尖った人が多く、忘れられない、胸にぐっとくるゼリフをさらりと言います。今後も出会いを求めて取材を続けます。

  • 編集長 浅島亮子

    4月からの「新創刊」に寄せてご挨拶

     いよいよ4月より、創刊111周年のビジネス雑誌「週刊ダイヤモンド」は書店・コンビニエンスストアでの販売を終了し、定期購読を前提とした“サブスク雑誌”として生まれ変わります。
     2019年6月、弊社は経済メディアの先駆けとして、デジタルのサブスクリプション(継続課金)サービス、「ダイヤモンド・プレミアム」に参入。有料会員数を4.5万人まで順調に伸ばしてきました。今後は、雑誌とデジタルの双方でサブスク(会員)モデルへ大きく舵を切ります。
     市販最後の号では、どのような特集企画を組むかーー。創刊100周年や5000号記念の時もそうだったのですが、編集会議での結論は「一番のホットイシューを取り上げることこそ、ロイヤルユーザーの知的好奇心を満足させられる」というものでした。
     弊誌と共に111年の経済史を振り返るノスタルジー企画は却下。こうして決まったのが、人気特集「儲かる農業」です。農林中金の経営不振や令和のコメ騒動は、農協の二極化と農業従事者の世代交代を加速させます。次代の農業を切り開く主役にスポットを当てた特集を、自信を持ってお届けします。
     雑誌文化で育った世代ですので、市販停止に寂しさがないと言えば嘘になります。それでも、今回の決断は休刊ではなく「新創刊」です。今後も、産業界の未来に繋がる歴史の一ページを、読者の皆様と共に刻んでいければと思っています。新生・ダイヤモンド編集部が生み出すコンテンツにご期待ください。

最新号の案内25年4月5日号

表紙

特集儲かる農業2025

令和の米騒動で、国内農業の生産力が弱まっていることが明らかになった。米価が高止まりしているにもかかわらず、コメ農家の離農は過去最多となりそうだ。かつて農業の主役だったJAグループも混迷を深めている。だが、暗い話ばかりではない。農業の世代交代…