記事一覧:山田厚史の「世界かわら版」16件
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山田厚史の「世界かわら版」
TPPという外交敗北 守れなかった農業の聖域
2013年4月25日いよいよ7月から日本がTPP交渉に参加する。だが、米国との事前交渉では最大の武器である自動車で譲歩する一方、得たものはほとんどない。交渉前から、外交的な敗北が始まっている。
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山田厚史の「世界かわら版」
キプロスは他人事ではない キーワードは国債、銀行は火薬庫
2013年3月28日EUの小国で地中海に浮かぶ島国・キプロスで、銀行封鎖・預金課税という荒療治が始まった。直接の原因はキプロスの銀行がギリシャ国債を大量に買い込み、大穴をあけたためだ。この危機は果たして他人事なのだろうか。
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山田厚史の「世界かわら版」
恐いのは「関税」より「非関税障壁」 日米首脳会談の盲点
2013年2月28日日米首脳会談が開かれ、日本はTPPにおいて「関税撤廃に聖域」があるという言質を取ったかのように報道されて。だが、米国の本当の狙いは非課障壁の突破にあることに、気付かねばならない。
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山田厚史の「世界かわら版」
原発容認と改憲論が結びつく 総選挙では右旋回政治の意味が問われる
2012年12月7日世論調査によると自民党が第一党になりそうだという。各党の公約を見てみると原発容認と改憲論・右旋回が結びついている構図が浮かび上がる。その点で、今回の総選挙では国家・社会の在り方が問わている。
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山田厚史の「世界かわら版」
米国、中国、そして日本 暴走世論が政治家を引きずり回す
2012年10月25日11月は世界の転換点になるかもしれない。6日に米大統領選挙が行われ、8日からは中国共産党大会が開かれて指導者が替わるからだ。いまや米中日とも暴走世論が政治家を呪縛し、政治家は世論に迎合するという状況が生まれている。
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山田厚史の「世界かわら版」
民主党は輿石氏支配 解散遠のき「衆参同日選挙」?
2012年9月27日民主党の代表選では野田総理が圧勝した。これ受け輿石東氏が党幹事長に再任されたほか、安住淳財務大臣が幹事長代理に就任する。そこには総選挙を先延ばししたい民主党と、増税路線を堅持したい財務省の思惑が渦巻いている。
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山田厚史の「世界かわら版」
悪者は野村だけか 主犯は外資で法の外
2012年8月2日「インサイダー増資」で野村HDの渡部賢一グループCEOが引責辞任した。だが、本当に甘い汁を吸ったのは外資系のヘッジファンドだ。東京市場は、金融当局の監督・支配が彼らに及ばないといういびつな構造になっている。
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山田厚史の「世界かわら版」
大儲けのJALが「法人税ゼロ」 税金で救済された企業の社会的責任は
2012年7月19日V字型回復したJALが再上場の申請を行ったが、その「納税問題」が波紋を広げている。膨大な繰越欠損金によって、将来にわたって納税が免除されるからだ。公的支援で救済された企業の社会的責任について考えてみよう。
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山田厚史の「世界かわら版」
ギリシャ国民が示した絶妙のバランス 決断のボールはドイツの手に渡った
2012年6月21日ギリシャの再選挙では、緊縮財政派の新民主主義党が僅差で急進左派連合を抑えた。ギリシャ国民は絶妙のバランスをとったのだ。ユーロ体制を支えるかどうか、ボールは強国ドイツの手に渡された。ドイツはどこかの時点で政策転換に踏み切ると、私は見ている。
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山田厚史の「世界かわら版」
ユーロは今やチキンレース だが、誰も引けないギリシャ離脱カード
2012年6月7日6月17日に迫ったギリシャの再選挙は、急進左翼連合が第1党を取りかねない情勢だという。左派が勝利すれば「ギリシャのユーロ離脱」が現実味を帯びる、といわれるが、その選択はあり得ない、と思う。EUの強国とギリシャの間で、互いに譲歩を引き出すチキンレースが続く。
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山田厚史の「世界かわら版」
ギリシャに干渉したG8サミット 「民意」の反逆を恐れる首脳たち
2012年5月24日G8は首脳宣言にギリシャの再選挙に干渉するような文言を盛り込んだ。ギリシャのユーロ離脱は自分たちにとって、都合が悪いからだ。小粒になったリーダーたちは、足元の民意に目を奪われ、時には牙を剥く市場に気をやみながら、綱渡りの経済運営を続けている。
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山田厚史の「世界かわら版」
ドイツの放送局が問う「フクシマの嘘」とは 元凶に触れず再稼働する野田政権の愚行
2012年4月12日ドイツの放送局「ZDF」が製作した「フクシマの嘘」が、日本でもネットで話題になっている。「なぜフクシマであのようなことが起き、我々はどんな危険に曝されているのか」を象徴的に描いた力作だ。原発再稼働に動く野田政権はこの問いをどう答えるのだろうか。
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山田厚史の「世界かわら版」
刻々と迫るミサイル発射 北朝鮮を変える日本の役割は何か
2012年3月29日北朝鮮のサイル発射の時が近づいている。本当に厄介な隣人だが、拉致問題の解決失敗以来、情報が一切絶えてしまった。いま我が国は「日本型太陽政策」へと転換し、北に対して内側からの変化を徐々に促す時ではないか。それができる位置にいるのが日本である。
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山田厚史の「世界かわら版」
テイン・セイン大統領はゴルバチョフか? 「開花」寸前のミャンマー事情を読む
2012年3月15日アジアの発展から取り残されたミャンマーが変貌している。「民主化路線はどこまで本物か」という疑いの目もあるが、軍籍を離脱したテイン・セイン大統領は本気のようだ。「小国の外交術」に長ける同国と、日本はどう付き合うのか。
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山田厚史の「世界かわら版」
日本の「貿易赤字」は怖くない 困るのは「魔法の財布」失う米国
2012年3月1日2011年の貿易収支が赤字になり、日本衰退論が盛んに議論されている。だが、貿易や経常収支の「赤字」「黒字」という表現が誤解を招く。日本の経常黒字が減っていくことで本当に困るのはアメリカなのだ。
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山田厚史の「世界かわら版」
「TPP=自由貿易」の嘘 米国の術中にはまる事前協議
2012年2月16日米国を相手とするTPPの事前協議が始まった。米国は、自動車者分野における「軽の優遇」は非関税障壁だと指摘してきた。これは日本自動車業界の分裂を狙い、本丸のアメ車輸入台数を保証させようという米国得意の揺さぶりである。