顧客、テクノロジー、ライバル…、事業を取り巻く環境は常に変化している。そんな変化を捉えながら、事業や組織を率いる「チェンジリーダー」たちは、どのような経営哲学を基に日々の判断を下しているのか。
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編集部 堀内 亮
想像を超える“平和”な組織に変貌してしまった三菱金曜会
三菱グループの最高機関である金曜会の実態に迫るべく、同会に出席する三菱グループの重鎮たちにアポなし突撃取材を試みました。苦労のかいがあって、ようやく重い扉が開かれ、複数の方にお話を伺いました。
昨今の金曜会の議題は、文化、スポーツ、教育といった三菱グループが展開する社会貢献活動がメイン。金曜会が、記者の予想をはるかに超える“平和”な組織であることに、驚きを禁じ得ませんでした。
三井、住友に比べて結束力が強い「組織の三菱」を体現してきた金曜会。それは、かつてビジネスを軸に、三菱グループの重鎮が集結し議論を重ねた“舞台装置”でした。往年のメンバーからすると、今の金曜会は物足りないのかもしれません。
編集部 片田江康男
三菱系企業社員も驚く、トップを張る「御三家」のマネジメント
三菱「主要10社」から「御三家」の会社へ転職した取材先に、転職祝いがてら久しぶりにお会いしたときのこと。開口一番「社員の心理的安全性に細心の注意を払うマネジメントには驚いた。さすが三菱グループのトップを張るだけのことはある」。社員には、三菱グループの一員という自負があるように見えると、御三家へ転職できたことを喜んでいました。
一方、最近よく取材するM&A仲介業界。事業承継M&Aで産業界を救うと豪語していますが、ハラスメントがまん延する会社も多く、幻滅した若手社員の離職も止まりません。財閥系企業には「同列で比較するな」と怒られそうですが、産業界をつくってきた企業との、埋め難い差を感じざるを得ません。
日本経済をけん引してきた三菱、三井、住友の財閥グループと、オーナー企業に変革の波が押し寄せている。東京証券取引所の企業統治改革を受けて、企業同士の株式の持ち合い解消が加速し、強い結束に陰りが見える。一方、大胆な経営判断などが強みのオーナー企…
楽天グループは、米ドル建て債の発行で当面の資金繰りのピンチを乗り切った。また巨額赤字を垂れ流してきた楽天モバイルは契約を急増中だ。それでも経営の内情は安泰ではない。携帯電話事業の黒字化は予断を許さず、借金先送りで利払い負担は増加している。一…