竹内政明著『竹内政明の「編集手帳」傑作選』は、読売新聞の名コラムニストの文字通り傑作を集めている。〈古代日本では言葉に神秘的な霊力が宿ると信じられ、それを言霊と呼んだ。言葉を伝える文明の利器である携帯電話に、昔の人が「あくがれいづる魂」に例えた蛍の瞬く光景は、それなりにつじつまが合っているのかも知れない。/記事の切り抜きを取り出しては読み返している。JR福知山線の脱線事故で、無残につぶれた車両のドアを切断して救助隊員が車内に入った時、折り重なる遺体の傍らには携帯電話が散乱していたという。/あちこちで光がともり、呼び出し音が鳴る。切れても、すぐにまた鳴り出す。着信表示に「自宅」の文字が浮かんでいるものもあった。肉親を捜し求め、一刻も早く無事の声を聞きたい家族からの電話である〉。携帯電話に言葉という魂が宿っていることが伝わってくる。

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