記事一覧:News & Analysis74

  • 医師会配慮の

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    医師会配慮の"自虐的販売規制"で 全く売れない医療用大衆メタボ薬の悲惨

    2013年10月25日

    案の定というべきか。大正製薬と日水製薬が今年4月から発売した中性脂肪異常改善薬「エパデールT」がまったく売れていない。詳しくは後述するが、このエパデールTは、当初は「適正使用調査」という名目で薬剤師の問診や症例報告などを義務づけて発売されたもの。9月までに大正製薬と日水製薬合わせて、300例を厚生労働省に報告した後、全国いっせい発売というスケジュールだった。

  • 土壇場で合意も一時しのぎリスク増す米国債務上限問題

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    土壇場で合意も一時しのぎ リスク増す米国債務上限問題

    2013年10月17日

    世界経済を危機に陥れかけた米国の政治闘争は、ギリギリで妥結した。10月16日、米国の暫定予算と債務上限引き上げ法案が、上院・下院で可決された。暫定予算成立の遅れによる一部政府機関の閉鎖は2週間以上に及んだ。 さらに深刻だったのは債務上限の引き上げ問題で、もしこれに失敗すれば、政府の資金繰りがつかなくなり、国債の利払い停止などのデフォルト(債務不履行)という最悪の事態に陥りかねなかった。米財務省が資金繰りの限界として示した期限は10月17日であり、まさに土壇場での成立だった。

  • 労組同士でも対立が先鋭化JR北海道の底知れぬ病巣

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    労組同士でも対立が先鋭化 JR北海道の底知れぬ病巣

    2013年10月16日

    9ヵ所、97ヵ所、267ヵ所、270ヵ所――。レール異常の箇所を発表するたびにその数が増えていったJR北海道。97ヵ所のレール異常を発表した9月下旬には、外部の力を借りたとはいえ一晩で異常箇所すべてを修繕してしまった。「やればできるだけのマンパワーはあるってことでしょ」と、鉄道業界の関係者はため息をつく。裏を返せば、カネの問題ではなく慢性的なサボタージュがあったことを伺わせる。

  • 東電・柏崎刈羽原発で安全審査容認泉田知事豹変の陰に銀行のプレッシャー

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    東電・柏崎刈羽原発で安全審査容認 泉田知事豹変の陰に銀行のプレッシャー

    2013年10月15日

    「結局、銀行の筋書き通り。カネの話ばかりで、エネルギー政策も何もあったものじゃないですよね」東京電力の若手社員はためいき混じりに話した。汚染水漏えい、作業員の被ばく、港湾内のセシウム濃度上昇など、福島第1原子力発電所の問題が絶え間なく噴出している東京電力。だが、汚染水問題の抜本解決は見えぬままに、東電の経営問題はカネの論理ばかりが際立つようになっている。

  • TPPに浮上した“長期膠着”のリスク状況打破の鍵を握れる日本の立ち位置

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    TPPに浮上した“長期膠着”のリスク 状況打破の鍵を握れる日本の立ち位置

    2013年10月11日

    TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)の行方に、黄信号がともっている。10月8日に開催されたTPP交渉の首脳会合は、妥結に向けての大きな節目とされていた。参加国が目指すとする年内妥結のためには、ここで大筋合意にこぎ着ける必要があったためだ。

  • コンビニ大手3社が過去最高益広がる4位以下企業との格差

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    コンビニ大手3社が過去最高益 広がる4位以下企業との格差

    2013年10月9日

    セブン&アイホールディングスの業績が絶好調だ。今年8月中間期の売上高に当たる営業収益は前年同期比14.6%増の約2兆8000億円。営業利益は前年同期比11.8%増の645億円、当期利益は24.6%増の833億円で、いずれも過去最高益となった。

  • 消費税増税に向け走り出した小売りの現場監視体制強化に乗り出す政府の関心事

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    消費税増税に向け走り出した小売りの現場 監視体制強化に乗り出す政府の関心事

    2013年10月3日

    安倍晋三首相が来年4月に消費税率を8%へ引き上げることを表明した平成25年10月1日、既に小売業界ではちょっとした“異変”が起きていた。都内のある小売店では、商品の値札に税抜価格と消費税の数字がお目見えした。実は、この日から税抜価格の表示が可能となる総額表示義務の特例を認める「消費税転嫁対策特別措置法」が施行されており、小売業界の間で、消費税率の8%引き上げは“織り込み済み”だったといえる。

  • 安倍首相の消費税増税の最終判断を前に粛々と外堀を埋める財務省のしたたか

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    安倍首相の消費税増税の最終判断を前に 粛々と外堀を埋める財務省のしたたか

    2013年9月9日

    安倍首相は10月初めに消費増税の最終判断に踏み切る構えだ。2013年4~6月期の実質GDP改定値、有識者60人の意見を聴取した集中点検会合からも、2014年4月1日の消費税率8%の引き上げを予定どおり実施できる状況で“外堀”が埋まった印象だが、消費増税後の景気悪化から過去の政権が倒閣した苦い教訓を踏まえ、政府は増税へ慎重姿勢を崩していない。9月8日未明の東京五輪の決定、翌9日の4~6月期のGDP改定値も景気回復への好材料として「アベノミクス」を後押しする。さらに、10月1日に発表される日銀短観を最後に、消費増税へ予定どおり実施するのか、それとも先延ばしするのか。安倍政権の最終決断が注目される。

  • 日本の天然ガス価格引き下げに必要なのはシェール革命よりも輸送技術革命

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    日本の天然ガス価格引き下げに必要なのは シェール革命よりも輸送技術革命

    2013年9月4日

    シェールガスに関する報道が増えている。シェールガスとは技術革新により新たに利用可能となったシェール(頁岩)に含まれる天然ガス(以下単にガス)のことである。シェールガス生産に伴うガス増産により、①米国でガス価格が低下し、米国はガス利用大国になる、②世界的にガスの需給が緩和し、日本のガス(LNG:液化天然ガス)輸入価格も低下する、等の効果が期待されている。これがシェールガス革命についての日本での一般的な認識であろう。

  • 風が吹けばおけ屋が儲かる? 地下水位上昇で“潤う”東京都の懐

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    風が吹けばおけ屋が儲かる? 地下水位上昇で“潤う”東京都の懐

    2013年8月2日

    1667億3600万円――。この金額は、東京都が2012年度に徴収した“下水道”料金(調停金額)の総額だ。その水量は10億9464万立方メートル。東京ドームの体積で言えば、887個分にも相当する。

  • 世界初、自動車用UVカット強化ガラスを開発した旭硝子の付加価値提供経営

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    世界初、自動車用UVカット強化ガラスを 開発した旭硝子の付加価値提供経営

    2013年8月2日

    自動車や電機メーカーなどに材料を供給するAGC旭硝子が、価格だけの競争に巻き込まれないようにするため、消費者に新たな価値を提供できるモノづくりを強化している。その象徴的な商品が「UVベールプレミアム」だ。自動車用ガラスで紫外線を99%カットできることが特徴。100%近く紫外線をカットできる自動車用強化ガラスの商品化は世界で同社が初めて。トヨタ自動車が2010年、それを小型車「ヴィッツ」に採用して、以降、多くの自動車メーカーが採り入れている。

  • 社員発明は誰のものか法人帰属求める経済界の思惑

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    社員発明は誰のものか 法人帰属求める経済界の思惑

    2013年7月30日

    企業の社員が業務として行う「職務発明」について、現在は社員のものとなる特許権を法人に帰属させるよう経済界が強く求めている。現行制度のままでは「発明の対価」をめぐって社員から訴訟を起こされ、巨額の支払いを命じられるリスクがあるため、産業競争力が低下するというのがその理由だ。ただ、法人帰属になれば、発明者への報酬が減らされ、優秀な人材が流出するといった懸念も多い。

  • お上の勝手で無駄が際立つ二重ローン解決機構の行方

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    お上の勝手で無駄が際立つ 二重ローン解決機構の行方

    2013年7月19日

    止まっていた時計の針が、ようやく進みそうである。今月初頭、自民党と公明党が安倍晋三首相に提言書を提出。いわゆる「二重ローン問題」の解決のためにつくられた二つの機構で重複する業務を、一元化すべきとの提案がなされたのだ。

  • 雇用は良好でも景気は脆弱楽観できない米国経済の今後

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    雇用は良好でも景気は脆弱 楽観できない米国経済の今後

    2013年7月10日

    世界の市場関係者が固唾を飲んで待った米国の雇用統計は、予想以上に良好な結果となった。7月5日に発表された6月の非農業部門新規雇用者数は、前月比19万5000人増。市場予想を3万人上回った。失業率は7・6%で前月と変わらずだが、この調子で雇用増が続けば、今後順調に低下していくとみられている。

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記者の目

  • 編集部 宮原啓彰

    NHK大河ドラマ「光る君へ」ロスが深刻です……

     2024年最後の号、「総予測2025」をお手に取っていただきありがとうございます。そして、この一年、「週刊ダイヤモンド」をご愛読いただいた読者の皆さま、ならびに取材先、印刷、運搬、全国の書店の方々に感謝申し上げます。
     NHK大河ドラマ「光る君へ」最終話の放映翌日、彰子ロスの中で本特集における、この最終原稿を書いています。
    「嵐が来るわ」──。新時代の到来を予見させる武者たちの背に放たれた、まひろ(紫式部)の最後のセリフは、来る25年を目前に控えた心境と重なるのではないでしょうか。
     戦後80年の節目に、これまでの国際秩序が崩壊する「新時代」が幕を開けようとしています。本特集がその活路となれば幸いです。

  • 副編集長 大矢博之

    財務省が抵抗する所得税減税 インフレ“自動増税”放置させるな

     子供のころ、真剣に悩んでいたのはお小遣いの使い道。今お菓子を買うのか、数カ月分ためて漫画を買うのか。やりくりは重大事で、もっと自由に使えるお金が欲しいと思っていました。
     お金の使い道を決められることは権力です。自民党や財務省が給付金の支給は簡単に決めるのに、所得税の基礎控除引き上げには難癖をつけて抵抗するのは、税収減が権力の減少に直結するからでしょう。インフレに伴う〝自動増税〟を、30年近くにわたって放置させてはいけません。
     さて新年を前に、子供へのお年玉やお小遣いの額を決める時期になりました。自分が経験してきた過去の金額でいいのか。インフレ対応をすべきなのか。お金の使い道の悩みは尽きません。

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表紙

特集総予測2025

2025年、このくしくも戦後80年の節目の年に、日本と世界が新時代に突入する――。ダイヤモンド編集部の総力と国内外の超一流の専門家たちの英知を結集させた超人気企画「総予測」では、経済や景気、産業・企業の25年を予測するのみならず、トランプ・…

特集22024『ベスト経済書』

日本経済の長期停滞の要因を改めて考察し、停滞から脱出するための方策を検証する。それが2024年のベスト経済書の顔触れの根底にある。長期にわたる大規模な財政出動と金融緩和の総括、劣化が停滞の要因の一つとされる人的資本への投資の在り方などに関す…