財務3表理解が早くなる!
事前に知っておくべきアレ
働く人にとって決算書の理解は必須だ。たとえ、ある会社の新商品がヒットしたとニュースで聞いたとしても、良しあしは判断できない。利益を度外視して、売り上げを拡大しているかもしれないからだ。
そこで決算書の出番となる。決算書は企業の健康診断の結果であり成績表でもある。企業の実態が分かる優れものなのだ。
決算書には、有価証券報告書、決算短信など幾つかの種類が存在する。
まずは、覚えておけばいいのは、それらの書類に必ず含まれる損益計算書(PL)、貸借対照表(BS)、キャッシュフロー計算書(CF)の財務3表だけだ。
しかし、財務3表の理解が進まずつまずく人も多いだろう。実はそこにはコツがある。それぞれについて、理解して覚えるのも大事だが、その前に一つだけ、知っておくべきことがあるのだ。それを知っているかどうかで、財務3表の理解のスピードが変わる。
それは何か。
知っておくべきは、「財務3表はつながっている」ということだ。
下図を見てほしい。企業の前期と今期の状況を財務3表のつながりで示したものだ。まだ財務3表を理解していないのなら、図の細かいところは分からなくてもよい。
大事なのは、一歩引いて俯瞰してみること。図の中央に「集めたおカネを」「投資して…」「もうける!」と書いてあるが、極言してしまえば財務3表が示しているのは、それだけだ。それが成功すれば、再投資する力が増し、企業はプラスのスパイラルに入る。
実は、このことは自分の成長や出世にも非常に重要だ。
決算書が読解できれば、取引先や投資先の状況が丸分かりになるが、読解術を身に付けるべき理由はそれだけではない。自分が働く会社が自分に何を求めているのかも、決算書を理解していなければ、正確には把握できないのだ。
会社は市場でのシェアを獲得するために利益よりも売上高を重視しているのか。それとも利益を重視か、あるいは、何よりもキャッシュの確保を優先しているのか。
この財務のテーマを理解せず突っ走るのは、むしろ、会社にとっては迷惑な行為。いくら頑張って働いても、評価できない社員となってしまうのだ。当然、出世も望めないだろう。
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重要なポイントとなるのは、“来期の見通し”です。決算書を紐解けば、コロナ禍からの経済復活をにらんで、企業がどのようなストーリーを携えて成長戦略を描いているのかが如実に分かるのです。常に、ビジネスパーソンや投資家にとって、決算書は最大の情報源なのです。
日々流れる経済ニュースが、決算書ではどのように反映されているのか。下に一例をあげるように、今回も事例が超豊富です。
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(ダイヤモンド編集部・清水量介)